「それで、修司と同じに見られたくなくて。高校は家を離れて修司とは別のところに行ったんだ。そこでいろいろと揉まれて、もっと世界を見たくて、二年間ほどバックパッカーの生活をしたんだよ」
これが弟の浩司の人生。
「俺は普通に高校を出て、大学に進学をして、そして今の会社に勤めた。もともと機械いじりは好きだったから、今の仕事が性に合っててね」
こちらが兄の修司の人生。
「私達以外にも、似てない双子っているのね。でも、きっかけは私達と同じってところが笑えるな。私達の場合、幼稚園のときに私が紗綾と同じに見られたくないって思って、髪の毛をバッサリ切ったの。そこから双子なのに違う性格になったかな」
二組の似てない双子が同じような動機でそうなったこと。そしてそれぞれが違う道を歩んだ結果、同じようなゴールに辿り着こうとしていることが不思議な感じになっていた。
「修司さんも浩司さんも、これから行くところできっと何かが見つかると思うよ」
「そこなんだよ。真綾さんから聞いたけれど、そんな不思議なコーヒーってあるの?ネットで探したけれど、情報がぜんぜん見当たらなくて」
「修司、真実はネットじゃなくて自分の目で確かめるものだぞ」
〜おしらせ〜
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