「じゃぁ、双子なのにしばらく会ってなかったってこと?」
紗綾の質問に弟の浩司が答えた。
「あぁ、俺は一人で暮らすほうが性に合ってるから。家のことは兄貴の修司に任せてる。修司は真面目だし、いろんなことをコツコツやってくれるからなぁ。俺は大雑把な性格で、自分のことで精一杯だからね」
「そうそう、一卵性の双子なのに性格は真反対だからなぁ」
このセリフを聞いて、紗綾と真綾は思わず吹き出してしまった。
「どうしたの?」
「あはは、二人の性格って真反対なんだ。それ、私達もそうだったのよ」
「君たちも?まぁ、確かに服装とか髪型とか見てると、顔は同じなのに違うなってわかるけど。でも、そうだったって過去形で言ったよね?」
兄の修司の質問に、真綾のほうが答えた。
「過去形だった理由は、これから行く旅行先でわかるよ。さ、そろそろ出発の時間ね」
「真綾、それ、ツアーガイドの私のセリフ!」
こうして奇妙な双子二組で構成されたカップル同士の旅行が始まった。電車を乗り継いで目的地まで向かう。道中はお互いのことをさらに深く知り合うための会話で盛り上がった。
ここでわかったことだが、修司と浩司は中学時代まで同じような性格だったらしい。
〜おしらせ〜
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