Cafe Shelly next 第10話 似てない双子 その11 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 紗綾と真綾、二人とも同じタイミングでカップを手にし、そして口の中にコーヒーを注ぐ。そして目をつぶり、上を見てその味を堪能する。さらに、全く同じタイミングで目を開けてお互いの顔を見合わせる。

 

「すごーい、なに、この味?」

 

「今までこんな味のするコーヒーって飲んだことが無い」

 

 その様子はシンクロナイズドスイミングを見ているかのように、動きがぴったりと揃っている。のりこはその様子を見て驚き、マスターは感心していた。

 

「どんな味がしましたか?」

 

 のりこが興味深く二人に訪ねた。

 

「最初はすごく香りのあるコーヒーだって思ったんです。飲んだときも、素直に美味しいって思った。でもその後がおもしろかったんですよ」

 

 真綾が勢いよく答える。その後、間髪入れずに紗綾が話を続ける。

 

「私も同じです。そしてパッと浮かんだのが真綾だったんです」

 

「私も同じ、紗綾の顔が浮かんできた」

 

 再び二人は顔を見合わせる。

 

「お互いの顔が浮かんできたんですね。他に何か感じましたか?」

 

 マスターが追い打ちをかけるように尋ねる。今度は紗綾のほうが先に答えた。

 

「私達って、似てない双子だって思っていたんですけど。でも、やっぱり双子なんだなって感じたんです」

 

〜おしらせ〜
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