Cafe Shelly next 第9話 私のほうが その27 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 まるで妃美子の気持ちを悟ったかのように、マスターはにこやかな顔でそう二人に伝えた。

 

「今日は二人で、コーヒーを楽しんでくださいね」

 

「ありがとうございます。じゃぁ私も、いただきます」

 

 妃美子はシェリー・ブレンドをしっかりと味わいながら口にした。

 

「うん、やっぱりそうだ。綺咲、私の今の思いを正直に話すね」

 

「えっ、どういうこと?」

 

「このコーヒーが教えてくれたの。もっと心を開いて会話をしなさいって」

 

「コーヒーが教えてくれた?」

 

「そう。前に一緒に来た時にも、私はこのコーヒー、シェリー・ブレンドを飲んだこと覚えてない?」

 

「そうだったっけ?」

 

「このコーヒーには魔法がかかってるって。そのとき、私は主任になる味がしたって言ったじゃない」

 

「そういえばそんなこと言ってたわね。主任になる味ってどういう意味なのかわかんなかったけど」

 

「今飲んだら、さっき言ったようなことが頭に浮かんだの。もっと心を開いて綺咲と会話をしなさいって」

 

「頭に浮かんだ…ひょっとして、だからなの?私がもっと親しみを感じてほしいって思ったのは」

 

「うん、それがシェリー・ブレンドが綺咲に教えてくれた答えじゃないかな。だから、今から正直な気持ちを話すね」

 

〜おしらせ〜
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