Cafe Shelly next 第9話 私のほうが その13 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 フリーのジャーナリストと聞いて、妃美子のマスターへの興味は更に強くなってきた。

 

「それで、どんなことがあったのですか?」

 

「はい、私は仕事でいろいろな知識を得ることが多くて。といっても、浅く広くという感じです。なので、知人と会話をすると『それ、知ってる。こういうことだろう』と、知人が話すよりも先に自分の知識をひけらかすことがありました」

 

「まさに綺咲と同じです。綺咲はそれを頻繁にやってしまうんです。そのせいでこっちが言いたいことが中断されてしまって、結局消化不良になってしまうんです。どうして人の話を最後まで聞かないんだろうって、いつも思うんですよ」

 

 ここでマスターはフフッと意地悪な笑いをした。が、妃美子はその表情に気づかないまま、話を続けた。

 

「綺咲の場合、自分が持っている知識がさも正しいって感じで話すんですよね。でも、たまに間違っているときもあって。前にそれを指摘したら、すごく怒り出しちゃって。そんなことはないって、反論してくるんですよ。ホント、どう扱っていいのか困ってしまいます」

 

 妃美子の話が一段落したところで、マスターがこんなことを言ってきた。

 

「妃美子さん、今私にマウントをとりましたね」

 

〜おしらせ〜
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