Cafe Shelly next 第8話 神のご利益 その1 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「でね、この神社がすごいんだって。今度こそ私の願いを叶えてくれそうなのよ。だから一緒に行こうよ」

 

「深雪ってホント神社が好きよねぇ。神社が好きっていうより、とにかく自分の願いを叶えたいって願望がすごいって言ったほうがいいかしら」

 

「なによ、麻祐子だってそうじゃない。なんだかんだ言っても、神社に行ったらいっぱいお守り買うくせに」

 

「私の場合は信心深いの。でもねぇ、その神社ってちょっと遠いでしょ。私、今月ピンチなんだよね」

 

 深雪と麻祐子、二人は高校時代からの友達で社会人になった今も一緒に旅行に行く仲である。深雪の方はショートカットで活発な印象。背は低く、とにかくよく動くタイプ。対する麻祐子はロングヘアーでおとなしめな感じ。背も高い方で、本をいつも読んでいる。

 

 この二人、一見すると相反するようにしか見えないので、学生時代はよく凸凹コンビだと言われていた。けれど二人には共通の趣味があった。それが神社参りである。

 

 きっかけは高校の時の修学旅行。とある大きな神社で熱心にお参りする深雪に麻祐子が声をかけたことから、二人の神社に対しての共通の思いがわかった。それから二人は仲良く神社巡りを始めて今に至る。

 

〜おしらせ〜
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