Cafe Shelly next 第7話 鬼と金棒 その24 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 急に甘い父親に変貌してしまった結城を見て、思わず笑い出す一同。

 

「このコーヒー、そんな味がするんですか?」

 

 笑いにつられて、信一がそんな質問をしてきた。

 

「店員さん、説明してあげてよ」

 

「はい、今飲んでいただいたシェリー・ブレンドには魔法がかかっています」

 

「魔法?」

 

「シェリー・ブレンドは飲んだ人が今欲しいと思った味がします。先程飲まれたお客様は、早く娘さんと遊びたいという願望が味に出たようですね」

 

「へぇ、こいつはおもしれぇや」

 

 結城はデレデレモードから抜け出せないでいるのがわかる。

 

「信一、お前も飲んでみろよ。そうすりゃ、今思っていることの答えが見えてくるはずだぞ」

 

「今思っていること…」

 

 信一は神妙な顔つきに変わった。そして意を決してカップに手をのばす。友永はその様子を、ある期待を持ちながら見守っている。

 

 信一は、ゆっくりとコーヒーに口をつける。そしてカップを置いて目を閉じる。しばらくはなにも変化がない。

 

 が、突然目を見開いて何かを悟ったようだ。

 

「友永さん、お願いがあります」

 

 急に友永の方を向いてそう言い出す。

 

「お願い?なんだ?」

 

「オレ、怖いんです。いざこんな大きな仕事を受けて本当に一人でできるのかって」

 

〜おしらせ〜
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