「それはありがたい話だけれど、友永くんはうちの設計のエースだからたくさん仕事を抱えて、それどころじゃないだろう?」
「まぁ、確かにそうなんですけど。設計の方はそろそろ誰かに任せていかないと、俺もキツイですからね。だから、社長にはこのあたりを覚悟してほしいんです」
「覚悟、とは?」
「俺一人で全ての設計の仕事をまかなうことはできません。だから、若手にどんどん難しいことも振っていこうと思います。そうなると、どうしても今よりも設計の効率が悪くなるでしょう。だから、一時的に仕事量を減らさざるを得なくなります」
「そうか、そうなるよなぁ」
「けれど、人が育てば今よりもさらに仕事をこなすことができるようになるでしょう。俺があと数人増えるようなものですからね」
「そう考えると、一時的な売上ダウンは覚悟しないといけない、ということか」
「はい。ちょうどいい機会ですから、信一くんの再教育と、設計の若手メンバーの育成を兼ねて私にやらせていただければと思いまして」
社長は腕を組んで考え始めた。友永の言うことは正しい。けれど、一時的とはいえ売上ダウンも厳しい。さて、どう決断するべきか。
すると、のりこがこんな提案をしてきた。
〜おしらせ〜
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