Cafe Shelly next 第7話 鬼と金棒 その14 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 友永は社長の反応をじっと待った。すると社長、最初は驚きの表情を浮かべていたが、これが次第に変化して納得という感じに変わった。この時点でのりこが言葉を発した。

 

「お味はいかがでしたか?」

 

 すると社長、のりこの方を向いてニコリと笑ってこんな答えを返した。

 

「いや、びっくりだね。コーヒーの味ってこんなふうに変化するものなんだね。はじめての体験だよ」

 

「どんなふうに変化したのですか?」

 

 友永が待ってましたとばかりに社長に尋ねた。

 

「最初にガツンといった苦さを感じたんだ。けれど、その苦さが次第に甘さに変わっていってね。このときに思ったんだよ。信一に対してもっとガツンと厳しく対応しないといけない。もっと社会の厳しさを教えないといけない。けれど、これこそが本当の愛情だって。スマン、今まで私は信一を甘やかしすぎたようだ」

 

「いえいえ、謝らないでください。社長もお忙しい方だから、信一くんに対して目を向ける時間がなかっただけです」

 

 よし、という手応えを友永は感じていた。こちらの思惑通りだ。

 

「そこで俺から一つ社長に提案があるんですけど」

 

「提案、なんだね?」

 

「これから信一くんを俺が一から指導しなおしてもいいでしょうか?」

 

〜おしらせ〜
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