「そこでぜひ社長にここのコーヒーを飲んでいただきたいんです」
友永はしめしめと思っている。社長にこちらの望んだ問題点をぶつけ、悩ませた上でシェリー・ブレンドを飲めば、その答えがひらめくと思ったからだ。
「ほう、どうしてここのコーヒーを飲むといいんだい?」
「それは店員さんから説明してもらいましょう。ほら、ちょうど運ばれてきた」
いいタイミングでのりこがシェリー・ブレンドを運んできた。
「おまたせしました。シェリー・ブレンドです。飲んだらぜひ味の感想を聞かせてくださいね」
「店員さん、このシェリー・ブレンドの魔法についてこちらの方に説明してほしんだけど」
「はい。このシェリー・ブレンドには魔法がかかっています」
「それは聞いた。その魔法というのはどんなものなんだい?」
「このコーヒーは飲んだ人が今欲しいと思う味がするんです。人によってはその欲しいと思ったものが映像で見えてくる人もいるようです」
「本当にそんなことが起こるのか?どれ、早速試してみよう」
社長は早速コーヒーカップに口をつける。少し遅れて、友永もコーヒーを飲む。
友永が味わったシェリー・ブレンドの味、それは期待とそれによる効果と言えばいいだろうか。
〜おしらせ〜
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