Cafe Shelly next 第7話 鬼と金棒 その12 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「ありがとうございます。社長、ここのコーヒーは変わった味がするんですよ。なにしろ魔法がかかっていますからね」

 

「魔法?なんだね、それは」

 

「そこは味わってからのお楽しみです。その前にちょっとご相談したいことがあるのですが」

 

「信一のことだろう。わかっている。あいつは何か勘違いをしているようだな」

 

「お察しのとおりです。大変失礼とは思いますが、信一くんは社長の甥であることを盾に、自分が偉いんだと錯覚されているようで」

 

「そのことは私の耳にも入っている。でも、どうして君たちはもっと厳しく信一に指導をしないのだ?私としてはそっちのほうが疑問なのだが」

 

「もっと厳しくしたいのはやまやまなのですけど。その時間が無いというのも現実でして」

 

「まぁ、友永くんについてはわからなくはない。なにしろ我社のエースであり、設計事務所としての要の人物だからな。君に信一の指導をしてくれとは思っていない。課長や部長がやるべきだと思うのだが」

 

「その課長や部長が、信一くんが振りかざしている『社長の甥』という権力に対して恐れているみたいなんですよ」

 

「うぅむ、これは困ったことだな。早急になんとかせねば」

 

 社長は腕組みをして考え始めた。

 

〜おしらせ〜
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