「ふっ、ふっ、ふっ、そこんところは俺にまかせろって」
友永は自信満々でそう言う。一体どんなことをやろうと思っているのか。この日はこれで終わったが、ことが起きたのはその翌日であった。
カラン・コロン・カラン
「いらっしゃいませ。あっ!」
いつものようにお客様を出迎えたのりこ。だが、そのお客様の顔を見てちょっと驚いた。なんと、友永がやってきたのだ。
「昨日はどうも。今日は社長を連れてきましたよ」
友永の後にいたのは、ヤセ型のいかにも紳士と言える男性が立っていた。
「こんにちは。友永くんからここのコーヒーがとても変わった味ということを聞いてやってきたんです。私、コーヒーには目がなくてね。それにしても、街なかのこんなところに喫茶店があっただなんて、今まで気づかなかったなぁ」
「よく言われます。ビルの二階にあるから、こんなところに喫茶店だなんて誰も思わないみたいで。おかげさまで隠れ家的に使う常連さんが多くて」
「それはいい。コーヒーの味が気に入ったら、私もぜひここを隠れ家として使わせてもらうよ」
「ありがとうございます。窓際の席が埋まっているので、こちらでよろしいでしょうか?」
案内したのは真ん中の丸テーブル席。
〜おしらせ〜
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