Cafe Shelly next 第7話 鬼と金棒 その5 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 今日は営業の仕事で、技術的な説明をしなければいけないということで友永は松田と一緒にクライアントのところへと足を運んでいた。その帰りにコーヒーでも飲んでいこうということで休んでいるところだった。

 

「さぁて、これからどうするかなぁ」

 

 そう想いつつ、友永はコーヒーに手を伸ばし口に含んだ。その瞬間、舌の上で妙な味が感じられた。

 

 熱いはずのコーヒーが一瞬生ぬるく、しかも甘く感じた。が、その後に熱さと苦味が襲ってきたのだ。

 

「なんだ、このコーヒーは?」

 

 友永が思わずそう口にした。すると今度は松田も同じような反応をする。ここで店員の登場。

 

「お味はいかがでしたか?」

 

 そう、友永たちがコーヒーを飲みに入った喫茶店はカフェ・シェリーであった。店に入るなり、松田が「ブレンド二つ」と頼んで話し込んでいたため、シェリー・ブレンドの効果など意識しなかったのは確かだ。

 

「なんだか不思議な味がしましたよ。ここのコーヒーって、苦味が強いんですかね?でも、その苦味がとてもいい感じで刺激を与えてくれる。いやぁ、今まで味わったことのない不思議な味だ」

 

「松田、ちょっと待てよ。そんなに苦味が強かったか?俺の感じた味とはちょっと違うぞ」

 

〜おしらせ〜
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