Cafe Shelly next 第7話 鬼と金棒 その3 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 結局、友永は信一のしりぬぐいのために残業。当の信一は「オレは優秀だから仕事終わりましたー」なんてほざきながら定時で帰っていく。そんな態度に課の全員があきれていたが、みんな目の前の仕事の方を片付けるのに必死で、信一の相手などしていられなかった。

 

 信一の尻拭いの仕事、友永が手をかければ二時間もあれば終わる。こんな仕事をどうしてちんたらやって、結果的に成果も出せないかな。そう思う友永である。

 

 友永は確かに優秀な設計者である。これは社内の人間誰もが認めるところだ。だからといって、おごり高ぶってはいない。むしろ、みんなに対して謙虚な方である。

 

 けれど、その友永があきれるどころかキレるほど、信一の態度は度を過ぎていた。さらに、それを治めることができない課長や部長に対しても憤慨していた。

 

「はぁ、いつまでこんな事態が続くんだよ。信一が社長の甥じゃなければ、こんな事態には陥らなかったはずなんだけどなぁ」

 

 そう、信一は社長の甥。そのため、課長も部長もその扱いに困っていた。また、課の連中も信一には下手に逆らうことができなかった。なぜなら、信一はすぐにこの言葉を発するから。

 

「じゃぁ、このことを社長に言いつけるぞ!」

 

〜おしらせ〜
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