Cafe Shelly next 第5話 貯金はいかほど? その19 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「あらぁ、でも私はのりこさんのこと、とても信頼しているわよ。ここに来たときには、私の話を熱心に聴いてくれるし。それにマスターもそうなのよね」

 

「そうなんです。私、マスターのそういうところに惹かれて、このお店で働きたいって思ったんです」

 

 そう言って店員さんとさゆりさん、マスターの方を見る。マスターはカウンターでお客さんと笑いながら会話をしている。なんだか人の良さそうな感じがするな。

 

「それともう一つ、マスターは頼ることも上手なんですよ」

 

「頼ること?」

 

「はい、私がこのお店に入ってから、モーニングのサンドイッチを任されているんです。なので私も予算の範囲内で、今日はどんなサンドイッチを作ろうか毎日考えています。私が入る前は、決まったパターンのサンドイッチしか作っていなかったし、数も限定されていたんですけど。今は出す量も倍に増えたし、私のサンドイッチを楽しみにしてくれる常連さんも多くなりました。私、それがうれしいんです」

 

 なるほど、自分にできないところを頼るってこと、飯山さんもやっているって言ってたな。

 

「でも、頼られると負担に思ったりしない?」

 

 でも、と言っちゃったけどこれは素直な疑問だからいいのかな?

 

~おしらせ~
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