Cafe Shelly next 第5話 貯金はいかほど? その15 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「じゃぁ、私はどうすればいいの?その貯金って、どうすれば貯まるのよ?」

 

 なんだか八方塞がりって感じ。私はダメだって突きつけられた気がする。

 

「よかったら、シェリー・ブレンドを一口飲んでみませんか?」

 

 今まで、私達の会話を少し離れたところから聞いていた店員さんが、突然話に割り込んできた。

 

「シェリー・ブレンドって、魔法のコーヒーのこと?」

 

「はい、一口でいいんです。そうすると、今求めていることの答えが得られるかもしれませんよ」

 

 このとき一瞬「こういうときに商品を勧めるなんて、なんて商売上手なのかしら」と皮肉が頭に浮かんだ。けれど、これを口にしてしまうと、この場が険悪になることは明らか。

 

 なので、言葉をぐっと飲み込んだ。

 

「じゃぁ、そのコーヒーを…」

 

 私が注文しようとしたとき、さゆりさんがこんなことを言い出した。

 

「一口だけだったら私のを飲んでみる?」

 

「えっ、いいの?」

 

「そのくらい、いいわよ。どうぞ」

 

 ここでコーヒーを注文したら、代金がもったいないと思っていたから、その言葉はとても助かった。

 

「じゃぁ、遠慮なく」

 

 私はさゆりさんの、少し冷めたコーヒーを口に含んだ。

 

 なんだ、普通のコーヒーじゃない。期待して損した。

 

~おしらせ~
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