「お二人とも、今日はご来店いただきありがとうございました。またゆっくりとコーヒーを飲みに来てくださいね」
カラン・コロン・カラン
サトシとまつ子の二人がお店から出ていった。もちろん、二人とも笑顔になって。
「マスター、今の二人ってどんな人達だったの?」
お店に残っていたお客様、常連客のゆうちゃんがそう尋ねる。
「この通りの花壇をキレイにしてくれている、ボランティアサークルの人達だよ。日曜の朝早くから、お花を植え替えたり雑草を取ったりしてくれているんだ」
「そうなんだ、初めて知った。そういう人たちがいるから、この通りもいつもキレイになっているんだなぁ。あ、それでさ、おばあちゃんがいたじゃない」
「えっと、まつ子さんのことだよね」
「そうそう、あのおばあちゃん、私知ってるよ。確か山手の住宅街の大地主だったと思うよ。お金持ちなんだけど、お高く止まらずに自分から何でも積極的に取り組む人って有名なんだよ」
「えっ、そんな人だったの?それは知らなかったなぁ。とても元気で明るいおばあちゃんとしか認識してなかった」
「マスターがそう感じるくらい、気さくでいい人なんだよ。施設とかに寄付もドンとしてくれるくらいだからね」
〜おしらせ〜
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