「どんな違いなんですか?ただ上を向くか、下を向くかってことだけじゃないんですか?」
サトシは腕組みをしたまま、マスターに質問をした。他のみんなも腕組みをしたままマスターを見つめる。
「下を向くと、呼吸がしづらくありませんか?」
「あ、確かに」
「また、血管が圧迫されてしまい、脳に酸素が行きづらくなるんです。そうなると、考える力が阻害されます。逆に上を向くとどうでしょうか?」
「あぁ、呼吸は楽になりますね。ということはさっきの逆、血管の圧迫もなくなって、脳に酸素が渡りやすくなるってことか」
「そう、だから考える力が強まります。すなわち、前向きな良いアイデアも出やすくなるということなんです」
「なるほどぉ。このポーズだけでも考える力というのは変わってくるものなんですね」
サトシはマスターの言葉に納得したようだ。他のみんなも同じである。
「だから、困った困ったばかり言って下を向いて考えていてもいいことはありません。明るい未来を描いてみると、こうすればいいという良い考えが浮かんでくるものですよ。ぜひ困ったを良かったに変えて考えてみませんか?」
「はい、わかりました。よし、これで桑原さんのことも考えてみよう」
〜おしらせ〜
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