このお店、カフェ・シェリーをやってきて本当によかった。多くの人の幸せを手伝うことができ、それが私の力となり、私自身も大きく成長することができた。
こうなるまで簡単なことではなかった。いろいろな葛藤もあり、困難もあった。けれど私には大きな夢があった。それが私の手で、目の前の一人ひとりの幸せをお手伝いすること。今度はそれを私の小説で一気に多くの方々を導くことができる。
この先もまだまだ葛藤や困難が待ち受けているだろう。けれどそれは私にとって必要だから起きていること。それを乗り越えれば、さらに多くの人たちを幸せに導くことができる。うん、やってみよう。
こうして私の、カフェ・シェリーのマスターとしての人生は終わった。しかしその魂は引き継ぐことができた。いつか、私の思いそのものを多くの人に引き継いでもらい、世の中が幸せに包まれる日が来ることを目指して、私は小説家として新しい道を歩んでいく。
私のマスターとしての最後の一日が終わり、お店を出ていく。
カラン・コロン・カラン
扉のカウベルが私の門出を祝福してくれる。そうして私は人生の新しい一歩を踏み出した。
「さよなら、カフェ・シェリー。今までありがとう」
<第120話 完>
明日から新シリーズ「Cafe Shelly next」がスタートします
新しいマスターとともに、新しい形でみなさまに幸せを届けていきます