遅々として進まないので、途中の文章で送ります(^^;


参加者の皆さんが発酵に関心があり、発酵を通した活動をされていたり、実際に作っている方が多かったので、一緒に皆さんと考えてみたいと思うことがあり、言葉にしてみました。

 

 

今から書くことも2、3方面に話が飛ぶと思うのですが、今は言葉だけでも拾ってもらえたら嬉しいです。


発酵作りは25年ほどしているかもしれません。

ここまで惹き付けられたのは、菌の発酵する姿はいつも躍動感や生命力にあふれ、毎回元気をもらうんですね。

それは今でも続いています。

 

最初の10年は自分が思うパンの酵母探しをしていました。

あとの15年は腸内の菌を取り戻すために必要に迫られてしてきたことですが、同時に「生きる」という希望を見いだしていきました。

今振り返ると、パンの酵母と、甘酒や味噌といった糀を使った発酵に興味を持ってきたのですが、バラバラのようで実は求めてきたことは似ていたように思います。

 

 

求めてきたこと、いつも忘れられない感覚は

 

『乳酸菌と酵母の共生と、その織りなす世界』

 

パンもお酒も酵母が作り出すものですが、ここに乳酸菌の存在をいつも感じてきました。

 

1回の発酵過程ではまだ若く、乳酸菌から酵母へ移行した時に同じ素材を入れ、もう一度「乳酸発酵」させる。
これを何度も繰り返すことによって強固なものとなる。

 


繰り返している間に

 

『そこで織りなす世界は、揺るぎないものとなる』

 

そんな風に感じてきました。

 

 

これをしている発酵法が、私の中では下記のものです。

 

パンでは中国、台湾の老麺法であったり、ドイツ、サンフランシスコで有名なサワー種・サワードゥ。

日本酒で言えば、三段仕込みという発酵過程


余談ですが、ワインで言えば発酵途中でリンゴ酸を乳酸に変える「マロラクティック発酵」という発酵もとても気になります。

 

これらの発酵は特に乳酸菌が要となっています。

乳酸菌の次に湧き出る酵母、もう一度、同じ材料を入れることで、乳酸菌が再び優勢となり、同時に酵母と共生しあい、豊かな世界を作り出していく。

1回の発酵過程ではここまでの世界は感じないのですが、比較するものでもないと思っています。
全ての発酵作りに言えることですが、1回の発酵法がいい時もありますし、繋いでいくほうが良かったりします。


最初に老麺法で気がつきました。
その時の記事がこちらです。
『探し物はなんですか?』

この時はまだ、空気中にある菌、素材についている酵母、そして繋いでいった菌の世界が違うなというぐらいでした。
乳酸菌や作り出された酵素やアミノ酸の旨味に私の身体は気づいているのですが、それが何なのかはわかっていませんでした。

十数年後、菩提酛造りの最初の工程「くされ酛」を作ってみた時に、「そやし水」の乳酸菌の酸味と旨味に気がつきました。
「老麺法のパン作り」と「酒造り」この2つの感覚は同じです。


※余談ですが、玄米を直接入れて作る豆乳ヨーグルトは3段階の発酵にしました。

 その原理は酒造りの三段仕込みの工程と原理は同じです。


求めてきた感覚を言葉にすることは、私の偏った意見ではないか?とか、アレルギーの方に対しては慎重になるということ、さらに、それで活動されている知合いもいるので、あまり表で言う事は控えてきました。
しかしそれ以前に、話し合える人が周りにはいませんでした。



勝手にですが、似たような経験からの気づきで、考え方に共感して尊敬している方々がいます。


・寺田本家の23代当主 寺田啓佐さん

・小麦粉酵母パンの林弘子さん
・奇跡のリンゴの木村秋則さん
・「ニンジンから宇宙へ」「循環農法」著者の赤峰勝人さん(なずな農園)

 

この方々は命のところまでいって、菌の存在に気がついた方々でとても共感するんですね。

菌の存在をとても広く捉えています。

発酵食作りだけではなく、自然界、宇宙、医療、波動、過去、未来、心など、本当に広く捉えられています。

 

寺田さん、林さんは他界されているので、残された言葉から想いを巡らせています。
木村さんと赤峰さんは農業になるので、食品の発酵作りとなると少し距離がありますが、自然農法を可能にするのは土の中の微生物を育てることなので、共感することは多くあります。

 


寺田啓佐さん、林弘子さんとは発酵の話をしたかったのですが、それが叶わず、話せる人を探していました。
私が話したかったのは、菩提酛造りと老麺法、サワー種、酒種酵母の感覚です。

お酒の品評の話ではなく、パンの比較の話ではなく、その発酵の中で織りなしている世界、感性のことなんですね。
なので、杜氏さんでお酒の話はできてもパンの話をすると、パンはわからないと言われますし、パン職人さんと話すと、老麺法はすぐ酸味がつくでしょう?と言われたりして、個人の追求の話になってしまい、話はそこで止ってしまいます。

皆さんはご商売のこともあると思うので、美味しさや美しさ、多くの方に受け入れてもらえる商品開発になり、日々、家庭で発酵したものを取り入れて健康に役立ていくという考えからは、少しレールが外れるのかもしれません。

しかし、林弘子さんや寺田啓佐さんがしていた発酵には大切な『鍵』があるような気がしています。

土台に人や自然への愛がありました。
その上で表現としてお酒やパンだったと思います。
人のお役に立つものとして。

その信念は伝わってきます。



発酵作りをしている仲間に、老麺法やそやし水、ミキをなどを作ってもらい、感性を教えてもらってきました。
今考えると皆さん、いろんな発酵にチャレンジしてくださったと、本当にありがたく思います。
皆さんに発酵法を伝えてすぐにできるのは、それまでにいろんな発酵作りをして、ポイントや感覚を掴んでいるからすぐに成功されます。

本当に皆さんすごいなと、いつも思っています。

オーストラリアに住む日本人男性で杉原ひろしさんという方に1年前に出逢いました。
発酵に興味を持たれ実践していた方ですが、この方は同じ感性を持っていると感じ、電話で話させてもらったのが最初でした。
まだ菩提酛や老麺法のことはご存知ないけど、きっとわかってくれるだろうと時間がかかってもいいから作ってもらうことをお願いしました。

私が4年前にfacebookで発酵グループを作った同時期に、ひろしさんもオーストラリアから発信する発酵グループを作っていました。

3年ほど知らなかったのですが、同じことをしてきたことも不思議に思います。

 

だいたい、このような話ができる方は病いであったり苦労のきっかけで気づかれたりするのですが、ひろしさんの場合は東日本大震災がきっかけでした。

 

日本から遠く離れた外国にいるのに、なぜ日本のことを、そして発酵に気がついたのかと思うのですが、日本・国外を問わず東日本大震災をきっかけに気づかれた人は多くいます。

それだけ何かが変化した時だったかと思います。

 

私もあの時、なぜか『味噌』とでてきました。

余震のあるなか、まだ混乱していた中、味噌仕込みをしていました。
その時に仕込んで役立つものではありません。

しかし、仕込みたい衝動にかられたのは事実です。

 

発酵であれば何でもいいのですが、味噌が一番適していたと今は思います。

ひろしさんが最初に発酵作りをしたのはサンダーキャッツさんの本を読んで、ザワークラウトだったと聞きました。


サンダーキャッツさんも大病をされて、発酵に目覚め独学で実践されてきた方。

生きるということを全体から捉えられて、話される言葉に愛を感じます。

昨年、初来日をして講演会がありました。

その時の記事をhaccolaさんが記事にしてくださっています。

キャッツさんとお話をぜひご覧ください。

ザワークラウトの作り方】発酵のニューリーダー、サンダー・E. キャッツさん初来日!


グルテンフリーの話を全然書いていないのですが、次に続きます^^

今日は満月だそうで、昨晩もとても輝いてきれいでした。
皆さまも佳い一日をお過ごしくださいませ。