昨日の話の続きになります(^^)

10年ぐらい天然酵母パンを作っていました。
いつも酵母を起こしてパンを作っている私をみて
周りの友人はパン好きな人に見えていたと思います。
食物アレルギーがあるので、自分に合うパンを探していたと思います。

10年も作っていたら(途中、心が折れて2年ブランクあり)
いろんなパンが作れる、と思うでしょう?

作れませんの( ̄▽ ̄*)

何をしていたの?ですが、
自分が求める酵母を探していたようです。

多分、ほぼ全ての酵母を起こし作ったと思います。
この話になると長くなるので、今回は最終的に見つけた酵母の話を。

パンの発酵させる力は、市販ではイーストであったり
ホシノ天然酵母や、白神酵母や、あこ天然酵母(←個人的に好き)
自分で起こしやすいのはレーズンやリンゴ、ヨーグルトでしょうか。
管理しやすいく、癖のないのはレーズンだと思います。
ドイツパンに使われるサワー種は、日本の気候での管理は
難しいと思います。焼くのも難しいので、これは買うにかぎります。

みんな良い酵母で、美味しいパンが焼けますよ。
普通はこれで満足なんですけど、何か探していたんですよね。
根底にあったのは、古代からパン文化があって、
何で発酵させていたのかな?と昔の時代に思いを寄せていました。
きっと、自然酵母でパンを作られている方なら、この時点で
もしかして・・・とお気づきだと思います(^^)

図書館で料理本にしては、ほぼ文章だけのシンプルな本の前で
いつも立ち止まっていました。
林弘子さんの本です。
水と小麦だけのパン種でつくる酵母パン 自然発酵種の素朴でおいしいパン・レシピ/アスペクト
¥1,575
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これね、パンの種になる元種を作るのに1ヶ月ほどかかるんですね。
パンを焼くのに1ヶ月も待てないよ~、パン文化の人はどうするの?
と思って、読んで終わりました。
しかも、水と小麦だけって、発酵する酵母はどこにあるのさ?と思っていました。

それから本を返したのですが、図書館に行く度に何度も
その本の前で立ち止まる。横切りたいんだけど、見えないテープが
あるような気がして、その本が目に入るんですね。
ほとんどの酵母を試して、挫折していたので
あまり期待しないで、作ってみることにしたんです。

材料は水と小麦粉だけ。まぜて常温で置いておくだけでした。
毎日、水と小麦粉を足していくだけなんですけど、
腐敗するかと思ったら、だんだんと膨らんでくるんですね。
自然発酵してるんです。

途中で冷蔵庫発酵に切り替えるのですが、勝手に発酵するので
ちょっとしたお世話と、置いておくだけです。
このちょっとしたお世話は、発酵をされている人なら
理論がよくわかると思います。

菌・微生物が生きているので、呼吸できるように密封しないようにと、
菌の栄養もいるので、たまに水と小麦粉を足していくこと。
最初だけ、菌が活動しやすい温度にしてあげること、途中でスローにしたいときは冷蔵庫で低温にしてあげることなど。

1ヶ月もたたなかったのですが、焼いてみたら
求めていたのはコレでした!!
一口食べて、10年の間ずっと探していた酵母がコレとわかりました。
ところで、え?菌はどこにあったの?です。
どこだと思います?



空気中です。

自分の吸っている、すぐ近くにある空気です。
その空気の中にたくさんの酵母菌、菌が存在しています。
水と小麦だけでは発酵しません。
ただの小麦粉粘土です。
そこに、空気中の菌が付着することによって、自然発酵するのです。

目で見えないものが作用して、パンという形を変えた物質が現れました。

無から有が生まれた証拠です。

それまで、あちらこちらに酵母を探していたのに、
実はすぐ近くにある空気の中にあったと知ったときは愕然とし
頭の中で、井上陽水さんの「夢の中へ」が流れました。

♪ 探し物は何ですか~ 見つけにくいものですか~
かばんの中も 机の中も 探したけれど見つからないのに

♪ まだまだ探す気ですか~

撃沈です。
探していたのもが、一番身近な空気の中にあったなんて。
書いている今も、撃沈しそうです。

大切なものは目に見えない中にもあります。
目に見えないところから、有が生まれます。

では、今日はもう夜ですね。
今夜のお月様もきれいでしょうか? 楽しい夢だといいですね(^^)
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