このお話には二人の人格と二つの擬人格が登場する。そこがミソ。
まずは村上淳。学者であるから当然知能は高く、邪な発想を嫌う、
いかにも日本男児的なヤツなのだが、いわゆる現代っ子で気が弱
く優柔不断なところがある。若干フェミニストの側に寄せておき
たい。寂しがり屋の甘えん坊?
次は江坂麻里絵。天文学者なのだが、リクツよりも観測を主体に
したがるロマンチストであり、じつに聡明な女性。しかしこちら
も現代っ子でサバサバ割り切って行動できるタイプ。気が強く自
己主張もきっぱり。美人ゆえプライドも高く、扱いにくいところ
があると言ってもいいだろう。
さてG17だ。宇宙ステーションにいるガイノイドはすべてが同じ
ルックスを持ち、AIを搭載し、つまりは論理合理のみで動くロボ
ットなのだが、シンギュラリティ後のAIは感情を理解するし、学
習によって女性的感性も身につけていける。しかしマシンである
からシャットダウン=初期化することで白紙の状態に戻せるわけ
だ。
そこで登場するのが『マザー』とよばれるホストコンピュータの
存在。宇宙ステーションで機能するすべてのシステムのボスであ
り、こちらはASIであるから人間以上に人間臭い発想のできる存
在。このマザーに母性を持たせたいと考えるんだね。
G17そのほか、ステーションで働くガイノイドすべてが娘のよう
なもの。その結束はゆるがない。
三角関係で、麻里絵がルミを攻撃しようとするとマザーはルミを
守ろうとするだろうし、ルミ=マシンに対してやさしくあろうと
する=共生発想のできる村上は好ましい存在であるはずだ。
登場人物はこれだけ。短編ですからね。
さて三角関係だ。麻里絵が、マシンのくせに女っぽいルミ=G17
を排除しようとすると、当然ながら『マザー』は面白くない。
村上にとってそれは、麻里絵とルミと、もう一人マザーをも巻き
込んだ泥沼関係になってしまうし、すべてのガイノイドはマザー
の意思で動いている。孤立する麻里絵を守らなければならなくな
り、村上はマザーとじかに話し合おうとするのだが・・。
へへへ、さてね、それからどーなってしまうのか。
Geminiによらない俺の創作は、そこからなんです。