EOS R3のインプレッション(2) 〜高感度耐性 | カイザーのブログ

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本年最初のブログ記事は、R3の高感度についてのレビューです。

 

動きもの特化型のカメラとして人気のR3ですが、裏面照射型のCMOS

センサーを採用したとのことで、高感度耐性にも優れるとの触れ込みです。

 

正直、私の場合には動きものといっても民間旅客機どまり、ポートレイト

中心なので、暗所撮影といっても大口径単焦点レンズを持ち出し、ダメ

ならストロボなり照明なりを考えてあまり高ISOでの撮影に持ち込むこと

はしないので、R3が優れていたとしても宝の持ち腐れなのかもしれません。

さはさりながら、知っておきたいことでもあるので、トライしてみました。

 

全体の設営はこんな感じ。

 

LEDライト1灯を下手サイドから照らし、リカちゃん人形を被写体に

R3にRF70-200mm F2.8LISをつけて、200mm望遠端で撮影。

ISO感度を変えていき、リカちゃんの肌合いの様子を観察したものです。

 

NR(ノイズリダクション)小をかけて、DPP4で若干WBと明るさを

合わせて現像したJPEG画像で比較。

 

1. R3での撮影例

等倍で顔の部分を切り出してみましょう。

 

(1) ISO200                                                     

 

標準感度での撮影です。

 

(2) ISO1600 

 

 

(3) ISO3200                                

  

少しノイズが目立ってきます。

 

(4) ISO6400

 

(5) ISO12800

かなり目立ちますね。サムネイル上でもはっきり認識できます。

 

web画面上では分かりにくいですが、モニターで見ると等倍切り出しです

とポートレートではISO1600が上限という感じです。

 

でもこれは等倍でのモニター観察という厳しい基準での評価。

R3の画素サイズは6000x4000pixelですから、DPI 200pixelで印刷した

として、長辺76.2cmサイズ。余白を考えるとA1サイズ(86.4cm)にも

匹敵する大きさになります。

 

普通はA4プリントがせいぜい、引き伸ばしでもA3が普通の場合の最大サイズ

ではないでしょうか。この場合にはISO6400でもきれいに撮れています。

 

(6)人造物の等倍切り出し例(ISO6400)

わりにノイズの目立ちやすい白色の夜の飛行機の写真の等倍切り出しです。

 

NRを中程度かけていますが、A1-A2サイズでこのレベル。

A3であればザラつき感はもう少しなくなります。

(しかし、タテの光芒の入り方は?RFレンズの光軸のズレか?)

 

比較対象として、同じくフルサイズのミラーレスカメラR6での撮影例

を掲げておきます。

 

2. R6での撮影例

(7) ISO200

 

(8) ISO1600

 

(9) ISO3200

 

(10) ISO6400

 

裏面照射CMOSセンサーではないので、同世代とはいえ劣後するはず

なのですがR6も等倍ではISO3200が上限でしょうか。

 

等倍切り出しなどをしないで、A4でプリントするのであればもっと

高ISOの撮影でもOKです。R6もかなり高感度耐性がありそうです。

 

比較のために3世代?ぐらい古いセンサーで、しかもAPS-Cサイズと

いうことで高感度特性の劣るEOS 7D markIIでの作例を掲げておきます。

 

3. 7D2での撮影例

(11) ISO200

標準感度での撮影。

 

(12) ISO800

ISO800でもあやしい。かろうじて使えるか。

 

(13) ISO1600

ISO1600ですとかなり苦しいです。A4でプリントならいけるかもしれない

ですがそれ以上は難しそう。

 

(14) ISO3200

ノイズがかなりのっていますね。

 

ということで一応の高感度特性・耐性についてのインプレッションでした。

 

4. 撮影中に気づいた手振れ補正効果の効きの悪さ

 

この撮影をしていて気づいたのが、RFレンズのIS(手振れ補正)の効果の

出方です。カメラとレンズの協調補正で8段分とかうたっているのですが、

やや怪しいというか、かなり効きが悪いことに気づきました。

 

ISO100での撮影時には1/30〜1/40秒のSSまで落ちたのですが、200mm

望遠レンズの標準的な必要SSが1/250としたならば3段分補正のレベル。

高画素のデジタル機の等倍描写比較だということで1/600-1/800が必要SS

だとしても、4.5段補正分ぐらいなのですが、ブレています。

 

撮影時に気づいて、色々撮り方を注意して工夫したのですが、R3とRF70-200

mm F2.8LISレンズとの相性が悪い(?)のか、1/30-1/60秒でのSSでは微妙

に手振れ補正が効いていません。

実質3段分程度の補正効果と今のところはみておいた方がいいのかもしれません

(泣)。

 

ちなみに7D2にEF70-200mm F2.8LISIIを組み合わせた場合には、換算

320mm相当になるにもかかわらずISO100-1/25秒でも手ブレ補正が効いて

いますので、こちらは1/1000から見れば5段分、1/300からでも3.5段分以上

は補正効果が出ているようです。

 

RFレンズのせいなのか、R3のせいなのか、少し切り分けて考えてみないと

いけない課題と感じました。