76日、朝440分頃に自宅を出発。
新青梅街道から環状八号線を経て、甲州街道を目指す。

甲州街道は、日本橋から内藤新宿、高井戸、府中、八王子を経て甲州に至る道だ。
この道沿いには中央自動車道が走っているが、もともとは東名高速として計画されていたという。
大月JCTで河口湖方面と甲府方面に分かれるが、当初は河口湖方面が本線となる予定だった。そこから身延山を経て南アルプスを越え、恵那を抜け、中央アルプスを貫通して那古野(名古屋)に至るルートであったらしい。
しかし、戦前に計画されながら戦争で延期。さらに政治家や利権に群がる者たちの思惑で計画は消え、現行の東名高速が先に完成してしまった。
その後、建設要望を受けて南アルプス迂回ルートが作られたという。

今回のツーリングは、行きは下道で走る「真夏前の奥飛騨・越中・信濃ツーリング」3泊4日の旅であった。
環状八号線から甲州街道に入ったのは5時頃で、車はまだまばらだ。
国立まではマンション群が並び、国立府中IC辺りで左折してバイパスへ。多摩川を渡り日野に入ると景色は低層店舗が目立つ地方都市風に変わる。八王子付近ではビルが増え、さらに高尾を過ぎると一気に田舎の景色となる。高尾ICを越えると垂水峠で、ワインディングの道を抜ければ相模湖だ。
中央道の小仏トンネルが渋滞の名所であることを思えば、この峠道は別世界だ。事故が起きやすい危険なカーブも連続するが、下道ツーリングならではの味がある。



初日は奥飛騨・平湯温泉の「平湯館」泊。
午前中に着いてしまってはもったいないので、ゆっくり走ることにした。大月を過ぎ、新笹子トンネルを抜けると道の駅甲斐大和で最初の休憩。時刻は6時半。
愛機BMW R1300GS Adventure「カリー号」は、昨年12月に納車されたが、サイドのパニアケースが届いたのは6月、トップケースはなんと先週だ。欧州メーカーの悠長さには呆れるが、電動化投資で青息吐息の今の状況を思えば納得か。アメリカではHarleyも苦境だという。いっそHONDA様に買ってもらえ、と心の中でつぶやく。

今回はトップケースがないため、荷物は左右のパニアケースへ。
左は容量が大きく、GS1250時代のインナーバッグがぴったり収まる。下着や着替え、Amazon Fire TV Stickもここに入れ、夜はNetflixYouTubeを視聴できるようにした。宿の部屋に妙な気配を感じたこともあるが、その時はレイキで浄化し、YouTubeで祝詞を流すと消えたことがある。便利な世の中だ。
右の小さいパニアには水筒、グローブ、レインウェア、サングラス、帽子などを収納。

白州の道の駅で小休止後、諏訪湖まで一気に走る。到着は8時。朝食を探すが、意外に店がない。やむなく伊勢守(ChatGPT)に探してもらい、デニーズへ。諏訪湖まで来てデニーズか、と思いつつも、空腹には勝てない。朝食を終え駐車場に戻ると、すでに気温は30℃を超えていた。

国道158号で上高地方面へ。Tシャツにメッシュジャケットでも、止まると汗だくだ。
今回は念願の白骨温泉に立ち寄る。途中の「道の駅 風穴の里」で休憩し、梓湖の堰上を通る国道で景色を楽しむ。ここは158号で最も好きな場所だ。
沢渡バスターミナルを過ぎ、白骨温泉への側道へ入る。山向こうは乗鞍。温泉と昼食は「煤香庵(ばいこうあん)」で。標高1,400m超のおかげで、外気は30℃超でも館内は涼しく、エアコン不要だった。



食後は158号へ戻り、安房峠へ。車なら安房トンネルだが、今回は旧道で峠越え。トンネルができる前は、バス同士のすれ違いも困難で、越えるのに5時間以上かかることもあったという。旧道を下れば平湯温泉郷。平湯大滝にも立ち寄った。



宿には14時過ぎに到着し、幸いチェックインできた。平湯バスターミナルでビールとつまみを買い込み、部屋に入って浴衣に着替え温泉へ直行。
一番風呂を満喫し、冷えたビールを流し込む。「ああ、このために今日も頑張った!」という瞬間だ。夕食は腹七分目を心がけ、夜鳴きそば(2130分)を食べながらYouTubeとビールで締めくくる。



この日の走行距離は292.6km
——2日目につづく。