カインの冒険日記 -200ページ目

カインの冒険日記

ページをめくれば、そこには物語がある。

      読むドラゴンクエストの世界へようこそ。

結局オルテガに追いつくことはできなかったかいん一行。
魔の島へと繋がる虹を求めて、
太陽の石と対をなす「雨」の秘宝を探す旅を続ける。
それと、
忘れてはならないのが、ガライの捜索。
ガライを見つけて銀の竪琴を返さなければ、
いつまでも魔物を呼びよせる可能性から解き放たれない。
ガライはいったいどこにいるのか。
かいんは、自分の足取りを振り返った。
ギアガの大穴からアレフガルドに来て、
幸運極まりないことに、いきなり船をいただけることとなり、
その船でラダトームへ行き、
船でマイラへ、船でルビスの救助、船でリムルダール。
という風に、船での移動しかしていないようなものである。
ラダトームからマイラに行く途中で、
ガライの自宅に立ち寄り、
そのまま船でマイラへ移動したのだった。
かいんが船を手に入れたのは、
幸運中の幸いであったのだが、
ガライは船を持っているのだろうか。
ガライが一般人だとすると、
一個人が船を持てるはずもない。
もしかして王族なのか漁師なのか、
という可能性も極めて低いと思える。
王族があのような王宮から離れた一軒家に住むとは思えない。
仮に、そんな気まぐれ王子がいたとすると、
ガライの両親も当然王族であることになるわけだが、
かいんの見たところ、とてもそうは見えない。
仮に、一般人の夫婦に育てられた王族の子供、だとしても、
その血の繋がらない王族の子供に対して、
ガライの両親の言い様は横暴すぎるように思える。
もちろん、この両親は漁師には見えなかったし、
漁で使うような道具も、家には見当たらなかった。
そうなってくると、
ガライは船が使える状況にはなく、
移動手段は、徒歩しかないことになる。
かいんが船で移動していて、
ガライは徒歩で移動している。
今まで会えなかったのも当然だと言えた。
船によって辿り着いたマイラやリムルダールに、
ガライがいないのは当然のことである。
いや、待て。
マイラがラダトームから陸続きでないことは確認したが、
リムルダールもそうであるとは確認してはいない。
ラダトームとマイラが繋がっていなくて、
マイラとリムルダールが繋がっていないからといって、
ラダトームとリムルダールが繋がっていないことにはならない。
確認の必要がある。
リムルダールから見て、ラダトームは北西に位置している。
北西ではあるが、
ラダトームとリムルダールの間には魔の島があり、
そこを迂回しなければならないということであるのなら、
南西に進むしかないことになる。
そう考えながら、
かいんは、
繋がっているとも繋がっていないともわからないラダトームに向けて足を踏み出す。

目指しているのはラダトームであったが、
その途中で、
ドムドーラという砂漠の町を見つけた。
この町で、
オリハルコンを探している旅の戦士と会った。
オリハルコン。
聞いたことがある名前だ、
と、頭を整理して、
かいんはマイラの村での情報を思い出した。
王者の剣の材料がオリハルコンという金属だったという情報。

王者の剣とは。
オリハルコンで作られた最強の剣で、
光の鎧や勇者の盾とともにラダトームに保管されていたのだが、
あるとき、ゾーマの軍勢によって奪われ、
粉々に砕かれたのだ、という話だった。
折るのみならず、潰すのみならず、粉々にするとは。
毎日砥石でちょっとずつ削って、
最後まで砥いで粉にしたのかもしれない。
大魔王の部下も、地味な仕事を与えられて大変なのかもしれない。
どうせなら粉々にしたりせずに、
材料のオリハルコンだけでも再利用すればいいのに、
などと思うかいんであったが、
再利用しないのは、むしろかいんにとって好都合であるわけだから、
ただただ喜ばしいことであることだった。

さて、
そのオリハルコン。
ドムドーラのあるご婦人が、
牧場の茂みの中で見たというのである。
いや、ご婦人が見たのは、茂みで光るもの、であるが、
王者の剣のことばかり考えていたかいんの頭の中で、
光るもの=オリハルコンだと、
なぜだか直結した。
そして、
直結したのみならず、正解した。
何の疑いもなく、かいんは茂みを探り、
何の不思議さも感じず、かいんはオリハルコンを手に入れた。
しかし、考えてみると、
なぜ、こんなところにオリハルコンが落ちていたのか。
おそらく、牧場の馬のフンに混ざっていたのだろう。
では、なぜ馬のフンにオリハルコンが入っていたのだろう。
それは、馬がオリハルコンを食べたからに他ならない。
なぜ馬はオリハルコンを食べたのだろう。
エサにオリハルコンが混ざっていたのかもしれない。
エサに混ぜられるようなオリハルコンとはどういう状態なのだろう。
粉でしかあり得ない。
粉にしたのは誰だろう。
ゾーマ!
ゾーマがやったんだ!
ラダトームから奪って粉々にしたはいいけど、
捨て場に困ってバラまいたら、馬のエサに混じって、
馬が食べてフンをして、
それが、ドムドーラの砂漠の灼熱によって融解し、
固まってここにあるのだ!
そしてフンから出てきたオリハルコンで作られた王者の剣で、
大魔王自身が斬られるのだ!
かいんは、馬のフンの剣の一撃で、
まだ見ぬゾーマが断末魔を上げるところを想像していた。
ふはは!愚かなり大魔王ゾーマ!
ラダトームの王者の剣に斬られればよかったものを
自ら馬のフンの剣に斬られることを望むとは!
粉々にしたりするからそうなるのだ!
ドムドーラに捨てたりするからそうなるのだ!
砂漠でなければそのような高温にならないのに!
ふはは!
かいんは、意味のわからない笑い声を上げていた。

さて、
それはそうと、オリハルコンから王者の剣を作れる人などいるのか。
かいんは、マイラの村での話を思い出す。
そして思い当たる。
やまたのおろちから逃げて、ジパングから来た刀鍛冶!
彼は、役に立たないものを加工して、
有用なものに作り替えることができると言っていた。
役に立つか立たないかは置いておいて、
金属の塊があるのだから、
鍛冶屋に加工できないわけがない。
そう思うや、かいんはすぐにマイラへとフライトし、
刀鍛冶を訪ねた。
刀鍛冶はオリハルコンを22500ゴールドで引き取ってくれた。
本来ならば、かいんが冶金の加工費を払うべきところであるが、
完成品はそれに付加した価格で販売するものであるし、
必ず冶金が成功するとも限らないし、
かいん以外の人にも売ってしまうかもしれないので、
かいんに対する順当な購入額をまずは支払うということだった。
かいんとしては、その代金は王者の剣を買うための資金であり、
一時的な預かり金だと思うことにして、
それに手をつけることなく、
翌日また鍛冶屋を訪ねた。
鍛冶屋の腕は確かなもので、
1日のうちに王者の剣を完成させてしまっていた。
そして、そのお値段は35000ゴールド。
日給12500ゴールドを上乗せした価格設定には驚いたが、
剣を見ると、確かにそれだけの価値があるような気もする。
とは言っても、
先日のいぶの水着事件があったのもあり、
もはやそんなお金は残っていないのだ、
と、かいんは言おうとして財布を探ったところ、
意外や意外、それ以上の十分なお金を持っていることに今気付いた。
そういえば、リムルダールからドムドーラに向かうときに、
ルドマンとかゴールドマンとかいうお金持ちの魔物がいて、
彼を倒すと、大金を置いていってくれる、
ということが度々あったのを思い出した。
ありがとうルドマンさん。
と、かいんは心の中で一礼し、
支払いを済ませて鍛冶屋を後にした。
待っていろ、ゾーマ。
すぐにこの剣で斬り倒してやる。




かいん(勇者・男):レベル40、HP341
いぶ(武闘家・女):レベル37、HP293
あだむ(賢者・男):レベル36、HP240





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