ドラクエ8冒険日記(15) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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      読むドラゴンクエストの世界へようこそ。

登場人物
カイン……主人公。口数の少ない優男。元王宮兵士
ヤンガス……元山賊。カインをアニキと呼ぶ
ゼシカ……元アルバート家令嬢。猪突猛進
ククール……元マイエラ聖堂騎士団。キザ男
トロデ王……亡国の国王。呪いで魔物の姿にされている
ミーティア姫……トロデ王の娘。呪いで馬の姿にさせられている
トーポ……ネズミ


アローザ……ゼシカの母
ドルマゲス……悪の魔法使い。トロデ王に呪いをかけた道化師

 

 

 

カインたちがパルミドで得た情報。
それによると、
ドルマゲスはまた海の上を歩いて、
さらに西の大陸へと移動したということであった。
ドルマゲスはこれまでに、
トラペッタでマスター・ライラスを、
リーザス像の塔でサーベルトを、
マイエラ修道院でオディロ院長を、
それぞれ殺害していたが、
カインたちが追っている理由は、
それよりも以前に、
祖国トロデ―ンに呪いをかけたという罪状に由来する。


ドルマゲスは歩いて海上を渡ったと言うが、
カインたちには海の上を歩くことはできない。
船を手に入れなければ、
ドルマゲスを追うことができないのであるが、
ちょうどよいタイミングで、
船の情報を得ていた。
ゼシカの実家アルバート家の領地であるポルトリンクの、
西方に位置する山岳地帯に、
古代船が打ち上げられているというのである。


カインたちは、
ポルトリンクに戻ったついでに、
リーザス村にあるゼシカの実家へと挨拶に行った。
しばらくぶりにアルバート家令嬢のゼシカが顔を見せただけあって、
村の人々は、
嬉しそうな顔をしている。
村の小さな少女が、
「ゼシカお姉ちゃん。魔法教えて!」
と声をかけてきた。
「まずはメラの練習をしなさいって言ったでしょ」
と、ゼシカが言うと、
「えー。モシャスが覚えたいよー」
と少女は口を尖らせる。
「簡単な呪文が覚えられないのに、難しいのがマスターできるわけないでしょ」
ゼシカが偉そうに言うのが、
カインにはおかしかった。
自称魔法使いのタマゴであるゼシカは、
世界一腕の悪い魔法使いなのである。
だいいち、
モシャスなどという呪文はゼシカにも使えない。
教えられるはずもないことだった。
もっとも、
猪突な上にプライドの高いゼシカが、
「私もまだ覚えてないの。ごめんね」
などと言うはずもない。
覚えていない呪文であっても、
ゼシカの見せる、
「私は当然モシャスを使えるけど、あなたにはまだ早いわ」
とでも言いた気な表情が、
富豪令嬢ゼシカ・アルバートの性格を端的に表していた。
そんなゼシカのことを
母親のアローザはもちろんよく知っている。
先祖の教えに逆らって、
サーベルトの仇を取ると村を出たゼシカに、
はじめは家の縁を切るようなことを言っていたアローザも、
今では、
「もう止めません。気が済むまで、好きになさい」
と言うようになっていた。
「けれど、気が済んだら、この村に戻ってくるのよ」
という母の言葉に、
娘よりもずっと懐の深さを感じるカインである。



古代船を求めてポルトリンクから西に進むカインたちは、
執拗に魔物たちの襲撃を受けた。
泥人形が、マドハンドが、ノックヒップが、
カインたちの前に立ちふさがる。
そんなとき、
ゼシカとは違い、
ククールの呪文が冴えわたる。
生臭坊主のククールは、
僧侶の身でありながら人を助けることを不得意とし、
逆に殺生を得意としている。
最も得意とする呪文はザキで、
リリパットを、ガルーダを、マッスルウータンの命を、
いとも簡単に屠ってしまうのである。
その成功率たるや9割を超え、
過去にはミイラ男やマミーをも葬ってきたものである。
「最初から死んでるアンデッドが即死するわけないだろう!このザキー魔め!」
などと誰にも言わせないだけの実績を
ククールは積み上げてきたのだった。
そんなククールは、
よほど殺生に快感を覚えているのか、
ブルホーク5匹、ガルーダ1匹と遭遇したとしても、
バギマでブルホークを攻めることなく、
ザキでガルーダを落とすのだ。
ククールがバギマを使うときというのは、
デビルパピヨンにゼシカが毒に冒されたときぐらいのもので、
キアリーを使いたくない心が透けて見えるものである。
「キミだけを守る騎士になる」
などと言ってはいたが、
実際ゼシカがピンチになったときには、
守ってあげるという気概に薄い。
坊主として生臭であるという長年培われた性格のほうが、
よりククールの特徴を表していると言えるだろう。


ところで、この地域には、
ブル、ブルホーク、ホークマン、
という、部分しりとりに便利そうな名前の魔物たちがいる。
ブルというのは、その名から牛であるかと思いきや、
剣を持つ人型の魔物で、
バル、ベル、ボルという魔物と合体することで、
バベルボブルへと変身することができる。
ちなみに、ブルは、
バベルボブルの中では腕の役割を果たす魔物だ。
ブルホークは、鷹のようなくちばしを持つ牛であり、
ホークマンは、鷹のような翼を持つ人である。
ホークマンを基準にすれば、
ブルホークはホークブルと呼ぶべきであり、
ブルはソードマンと呼ぶべき形状をしているので、
カインは密かにそう呼んでいるのだったが、
カイン命名ルールによると、
ブルと逆の腕の役割を担うボルもまたソードマンであり、
ブルとボルの区別はカインにはついてはいない。


そんな戦いに明け暮れながら、
カインたちはついに陸上の古代船に辿り着く。
しかし、海からはずいぶんと離れていて、
航行中に陸に乗り上げたような距離ではない。
船が手に入ったと言えなくもないが、
出航してドルマゲスを追えるような状態でもない。
海に浮かべれば移動手段になり得るが、
陸にあるうちは建造物でしかないのだ。
「ところで、ここはいったいどこじゃ?」
トロデ王がそう言いながら地図を開いた。
ポルトリンクから西にある現在地は、
トラペッタやリーザスからは南西であり、
亡都トロデ―ンのすぐ南である。
トロデ―ンとトラペッタは距離こそ近いが、
以前ヤンガスが橋を落としてしまったせいで、
今は行き来ができなくなっている。


「城の図書館で古い記録を調べてみよう」
トロデ―ン領のことであるのだから、
歴史書を紐解けば何かがわかるかもしれない。
トロデ王の言葉で、
カインたちの次の目的地はトロデ―ンと決まった。
ドルマゲスに追われて、
幾日、幾月が経ったことだろう。
ヤンガス、ゼシカ、ククールにはわからない、
苦い記憶の城へと、
カイン、トロデ、ミーティアは足を進めた。



カイン:レベル23、トロデ―ン西の教会
プレイ時間:26時間5分

 

 

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