ドラクエ3冒険日記(22) | カインの冒険日記

カインの冒険日記

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ラダトームから、船で東へ行くとマイラの村です。
かいんは、そんな情報を手に入れた。
しかし、次なるマイラを目指すかいんに、
いきなりの難問が立ちはだかる。
それは、ラダトームの東には海がないこと。
マイラはラダトームよりも東にあるのかもしれないが、
船で東に行くことはできず、
陸続きでないために、歩いて行くこともできない。
しかし、この難問の解をかいんはすでに知っていた。
そう。
地面は丸くてぐるぐる回っているのである。
ルザミの哲学者がそう言っていた。
実際にかいんもそのことを確かめた。
ルザミからずっと東に行くと、ルザミに辿り着き、
アリアハンからずっと北に進むと、またアリアハンに着いた。
つまり。
この場合。
東にあるマイラに行きたければ、
西に進めばよい、ということになる。
しかし、
ここアレフガルドは、
そのかいんの予想を覆す構造ををしていた。
世界は丸くなかったのである。
世界には縁があったのである。
つまり、
西に進めばマイラに着く、という仮説は間違っていた。
しかし、そうなってくると、
船は東へも西へも進めず、
南北へしか進めないことになる。
船で東へ進めとアドバイスを受けたのに、
なんとも複雑な気分で北へと舵を向けた。

北へ少し進むと、海沿いに1軒の民家を見つけた。
民家は、ガライという人物の家であるらしいのだが、
当のガライは吟遊の長旅に出ていて、
ただ息子を心配する両親がいるだけであった。
両親が言うには、銀の竪琴をガライが持っているというのだが、
かいんが少し部屋を見せてもらったところ、
竪琴はガライの自室に保管されていた。
両親の発言との食い違いが気になったかいんは、
何を思ったか、そのまま竪琴を拝借する。
最初からなかったと両親が証言しているのだから、
犯人だと発覚することはあり得ない。
そんなことを考えていたかいんだったが、
両親の思惑は、それとは全く違うところにあることに、
すぐに気付くこととなった。
家を出て、竪琴を試しに掻き鳴らしてみたところ、
グールの群れが襲いかかってきたのである。
かいんは嵌められたことに気付いた。
この竪琴が災いを呼ぶものであることがわかったとしても、
さっき自分で考えたのと同じ理屈で、
竪琴は両親には返せないことになる。
両親は、最初からなかったと証言しているのだから。
いなづまの剣でグールを一掃しながら、
かいんは苦虫を噛み潰していた。
こんなもの取るんじゃなかった。
これでは、竪琴を返すためにガライを探さなくてはならない。
かいんは、
自らの不徳な行いをもってして、
どこにいるともわからない吟遊のガライ捜索の呪いに、
縛られてしまうこととなった。

そうこうしているうちに、
かいん一行はマイラの村へと辿り着く。
そして、
もしガライがマイラにいればちょうどいいんだけど、
というかいんの期待は、あっという間に裏切られることとなった。
しかし、
ガライは見つからなかったが、
この村で、いろいろと面白いことがわかってきた。
というのは、
マイラの村では、3%の消費税が課せられていた。
1人あたり31ゴールドの宿屋に、
3人で93ゴールドを支払いながら、
小数点以下は切り捨ててくれないか、と、
1ゴールドを渋るかいん。
しかし、3%の宿屋は良心的なほうで、
武器防具屋の12500ゴールドの水の羽衣には、
4%ちょっとの消費税がかかっているようにも思われた。
もしかしたら、
3%から5%に増税しようとしている最中なのかもしれない、
と、かいんは勝手に解釈した。
完全に増税政策が完了すれば、
12600ゴールドになってしまうのかもしれないと、
そんなことを考えるかいんだった。

この村には、腕のいい刀鍛冶がいた。
なんでも、ジパングで働いていたのに、
嫁がやまたのおろちの生贄にされてしまったらしく、
それで逃げて逃げてここまで来たのだと、
そういう事情があるらしかった。
そういえば、
やまたのおろちは、
やよいにも逃げられていたことを思い出すかいん。
ちゃんと生贄を食べたことはあるのだろうか、と、
どうでもいい心配をするかいん。
もう、おろちはこの世にはいないのであるのに。
おろちを亡き者にしたのも、もちろんかいんである。
さて、
そんな刀鍛冶に会って、かいんは直感した。
この鍛冶屋に、王者の剣を作ってもらおうと。
王者の剣は、オリハルコンという金属で作られ、
ラダトーム城に保管されていたのだが、
ゾーマによって奪われ、粉々に壊されたのだという。
そして、ここには腕のよい鍛冶屋がいる。
そうなると、
オリハルコンを見つけることができれば、
王者の剣を打ってもらえるに違いない。
とは言っても、
どんなに高額なものなのか、想像もつかない。
それを心配したかいんは、
常連だから安くしてね、と言わんばかりに、
鍛冶屋で薬草をひとつ買ってから店を出ようとし、
常連だからね、ともう一度振り返って確認するように店を出た。

他にも、
ここマイラでわかったことは多かった。
精霊ルビスは、西の島の塔で、
ゾーマの呪いによって石にされている。
妖精の笛があれば、その呪いを解くことができる。
ラダトームでの情報も加えるなら、
妖精の笛があるのが、ここマイラの村。
そして、精霊ルビスとはラダトームの国をつくった存在。
なるほど、見えてきた。
マイラにある妖精の笛を持って西の島の塔へ行き、
ラダトームをつくった精霊ルビスを
ゾーマの呪いから解放すればよい、と、
そういうわけだな。
かいんはひとりで頷いた。

かいんは、さらに考えを巡らせた。
ラダトームをつくった、とはどういう意味か。
はじめは、ラダトームを興した存在だと思っていた。
しかし、世界の縁を見たかいんは、
別の想像をしていた。
ルビスは、国を興したのではない、国を創造したのだ、と。
そして、創造したのは、ラダトームだけではない、
アレフガルド全体である、と。
国を興すのは王であるが、
世界を創るのは創造神である。
ルビスは、王ではなく、創造神なのではないかと、
かいんは考えるに至った。
この世界アレフガルドには、なぜ縁があるのか。
それは、
創造している途中にゾーマの呪いを受けたからに他ならない。
つまり、この世界は完成してはいない。
だとすれば、
精霊ルビスを助けることは、
すなわち、この世界を創造することに繋がるのではないか。
解放されたルビスは、
世界創造の続きを行うはずだからである。
そう考えるには根拠がある。
それが、地面がぐるぐる回っている、という、
ルザミの哲学者の発言である。
なぜ彼は、ルザミに追いやられたのか。
それは、彼の説が間違っていると思われているから。
しかし、かいんは、彼の説が間違いではないことを確認している。
では、なぜ追放した主は、
彼が間違っているのだと判断したのか。
その理由が、正に、
世界の縁を見たことがあるから、に他ならない。
もちろん、本人が、ではない。
祖先が、と考えるべきだろう。
その昔、
上の世界にも縁があったのだ。
その時代の冒険家は、それを目撃し、確認した。
そのことは、世界中に伝わり、
今では、世界の縁は、人々の周知の事実となっている。
そこに、ルザミの哲学者が新説を提唱した。
彼の提案した説は、誤りだとされた。
それは、過去に、世界の縁を見たという事実があるから。
しかし、過去には縁があったとしても、
今現在、アリアハンのある上の世界には、
縁はなく、世界は丸くぐるぐる回っている。
なぜこのようなことが起きたのか。
それは、その間に、創造神が世界を広げて丸くしたから、
と考えるべきだろう。
そうだとすると、
上の世界の過去の事情と、
今このアレフガルドの事情は、
非常によく似ている。
よく似ているのは、創造主が同一だからである、
と考えることもできる。
つまり、上の世界を創ったのも、
精霊ルビスだということである。
上の世界を作り終えたルビスは、
新しい別の世界を創り始めた。
しかし、思わぬことが起きた。
創り始めてすぐに、
空間に穴を開けて、ゾーマがアレフガルドへと侵略を開始した。
その穴は、今では、
ラダトームの北の洞窟の中であり、
すべてを拒む底なしのひび割れと言われている。
かいんは、
自説を補強するために、
そのひび割れも確認していた。
穴に飛び込んだはずなのに、
上も下も右も左もわからなくなり、
気が付けば、穴から吐き出されて、
もといた位置に戻されるのである。
ギアガの大穴で、
上の世界とアレフガルドを繋いだのがルビスの力だとすれば、
ゾーマもまた、ルビスと同様、
世界を繋ぐ大穴を開けることができる存在だということになる。
ルビスが封じられている今、
世界を繋ぐことができるのはゾーマだけ。
そして、ルビスを救ってゾーマを倒すことができれば、
今度は、ルビスこそが世界を繋げる唯一の存在となるのだと、
かいんは考えている。
世界を繋げる唯一の存在、
そして世界を創れる唯一の存在ルビスは、
呪いが解ければ、また世界創造の続きを始めることだろう。
そして、その世界の完成形は、
上の世界の類似体となるのだろう。
縁のない世界、ぐるぐる回る世界。
その世界こそが、ルビスの目指す完成形であるのだと、
かいんは考える。
現に、上の世界は、ぐるぐる回る形で完成している。
本当に完成だと言えるのか。
言える。
なぜなら、ルビスが、
すでにこちらの世界創造に着手しているのだから。
ふたつの世界の創造主が同一で、それがルビスである、
という仮説の上に成り立つ考えではあるが、
まだ完成していない世界を放っておいて、
新しい世界を創り始めることは、考えにくい。
そして、ここまで考えると、
もはや、上の世界とアレフガルドは、
便宜上、上下関係である表現をしてはいるが、
空間的に上下であるわけではないことは明らかである。
確かに、朝の来ないアレフガルドは、
地下世界なのだと考えれば、一見辻褄が合うように思える。
しかし、だとしたら、
アレフガルドに闇をもたらしているのは、
ゾーマではなく、ルビスであるということになる。
すなわち、ゾーマを倒したところで、
闇は払えないことになる。
なぜなら、ここが地下である、ということになるのだから。
しかし、事実はそうではない、
というのがかいんの考え。
ゾーマが開けた穴だと思しきすべてを拒むひび割れも、
アレフガルドよりも、より下層にあるように一見見えたが、
実際に飛び込んでみたら、
落下する感覚ではなかった。
ギアガの大穴でも同じだった。
ふたつの大穴は同じ性質であり、
ただ、アレフガルドは来客を拒まなかった、
すべてを拒むひび割れの世界は来客を拒んだ、
そういうことだったのだと、
かいんは考えるに至っていた。
なるほど、
精霊ルビスについて、アレフガルドについて、
世界の理が垣間見えた気がする、
と、満足顔のかいん。
あとは妖精の笛を見つけることができれば、
進むべき道筋は見えたも同然だ。
妖精の笛だけ見つけられれば。

あだむといぶが、
難しい顔をして長らく温泉に浸かっているかいんの、
様子がおかしいことに気付いた。
真っ赤な顔をして、妖精妖精と口ごもりながら溺れていた。
ふたりに温泉から引きずり出されたかいんは、
そのまま草むらに転がり込む。
ごろごろと転がっていると、細長い棒が足にあたるのがわかった。

かいんは足元を調べた。
なんと妖精の笛を見つけた。





かいん(勇者・男):レベル37、HP294
いぶ(武闘家・女):レベル35、HP279
あだむ(賢者・男):レベル33、HP218






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