防大ライフ(17) 【カッター訓練(3)】 | 「都立受験」のプロフェッショナル(学志舎)

競技会前の円陣を組む


”巻き張り”とは、1.5ℓのペットボトルに砂を隙間なく詰め込み、


先に紐でをくくり、週刊誌を丸めたもの(取っ手)と結んだモノ。


”闇トレ”

(2230から深夜遅くまたは徹夜でのトレーニング)の際には、


腕立て、腹筋、背筋、空気イスを一通りこなした後、

この‘巻き張り’でひたすら取っ手を巻き取るように回し、

砂で重たくなったペットボトルを上げるトレーニングをします。


地味な器具ですが、一度巻き上げただけで握力がなくなるため、

4年生の監督の目を盗み、胸や腹などを使い、巻き上げることもしました。


ペットボトル1本に慣れてくると、2本、3本と重量を増やされます。


私はアメフト部ということでmax3本でやらされていました。


(経緯)

訓練初日。上級生から「お前は3本持ちたいんだよな?」という

挑戦的かつ強制的な意味合いをもつ言葉をかけられ、

即行で「はい!」と答えてしまいました。

「できません!」なんてとても言えない雰囲気なんです。

※体育会出身の方は分かって頂けると思いますが。


休む暇はなく、トレーニング部屋は熱気で息苦しくなり、

窓も曇っていきます。

消灯後の真っ暗な中で、罵声を浴びせられ、

心理的にも体力的にもトコトン追い込まれます。
この時期ほど一日が長かったことはありませんでした。

(時間も分からない状態なんで)


1年間を何とか乗り切った防大生が、

また数名辞めていく時期でもあります。

(実際に私の中隊でもシゴキに耐えられず、1名退校)



競技会では決勝進出するも”銅メダル”に終わりましたが、

1か月という短い期間にここまで追いこみ、

やり切った経験は自分の宝物です。


●厳しかった上級生にも終わった後は

「お前の頑張りは本当に凄かった!」と認めてもらえたことが

自分の自信になったこと。

●一番厳しく指導された方には、「中期部屋っ子」

として可愛がってもらえたこと。全ていい思い出です。


【余談1】

表彰台では、周囲から「お疲れさん」「よくやった!」と

声をかけてもらった時に、
「皆さんの期待に応えられず、申し訳ありません!

1位ではなかったので何の価値もありません」

KYな発言をしてしまう程、打ち込んだ特に思い出の残る訓練でした。


【余談2】

終了後、初めて喫煙が許されるため、

上級生から”タバコ”がプレゼントされます。

そこに書かれたメッセージも嬉しかったです。

宝物として実家に飾っています。


【余談3】

この訓練で生まれて初めて”お尻の皮”を破く経験をしました。

漕ぎ続けると手の皮だけでなく、お尻も擦り傷のダメージを受けます。

同期に頼んで、お尻にバンドエイドなどを貼ってもらいました。

お風呂では滲みるので湯船に入れません。