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In My Life■無印良品の家

建築士の視点から見た「無印良品の家」(木の家)の紹介を中心に、
インテリア・音楽・食べ物・旅行・日々の出来事を自由に書いています。

「雑学王」(テレビ朝日)のスペシャル番組を少しだけ観ました。テレビ


クイズ番組って、真剣に考えちゃうと寛げないからあんまり好きじゃないです。

最近は特に、芸能人がはしゃぐ系の番組が多過ぎ。ブツブツ…。


最後(?)に、布製防火シャッターについての問題が出ました。
In My Life■無印良品の家-セレスクリーン
文化シャッター HPより拝借。商品名はセレスクリーン


一通りの性能を紹介した上で、「避難時に役に立つこの

シャッターの特徴は?」という趣旨の出題だったと思います。


正解は、上の「セレスクリーン」のリンク先を見れば

書いてありますが、スクリーンに透光性があり向こう側の

火災状況を察知できる、とのことです。


確かに一般的な鋼製防火シャッターでは、向こう側が火の海メラメラ

なのか、安全空間なのかはぱっと見では分からないですからね。


また、一番のメリットはなんと言っても、はさまれ防止でしょう。

降りてきた防火シャッターに挟まれる死亡事故がゼロになります。


設計側の立場からすれば、シャッターの巻き取り寸法が小さくて

済むため、シャッターボックスを小さくできることも大きなメリットです。



メリットばっかり。合格

全ての建物でこれを採用すればいいじゃないか!

と思えてしまいますが、これがまた高い¥


上の写真でざっくり200万円はするのではないでしょうか。

たぶん通常の鋼製防火シャッターの倍近い金額だと思います。


公共的な建物や、グレードの高いオフィスビルなどでは採用されやすい

かもしれませんが、コスト重視の建物では難しいですね。



建築関係者でもなければ、防火シャッターを

生で見たことがある人はほとんどいないでしょう。


これを目にする時というのは、かなりの緊急事態です。注意

施主の立場からすれば、「防火シャッターは一生使わない」

ことが理想、というより前提なんです。

(実際には、適切に稼働するかどうかの定期点検や

メンテナンスが必要になりますが、それはまた別の話。)


一生使わない(であろう)ものに、何百万、何千万というお金を

出せるかというと、なかなかそうはいかないのが現実。


規模の大きい建物ほど、また不特定多数の人が使う建物ほど、

建築基準法や消防法の規定により防災設備がたくさん設置されています。


(法律のために設置されただけで、実効性の疑わしい設備もあります。)



そんなわけで、布製防火シャッターのお話でした。

家作りの際に、畳1枚にすっぽり納まってしまう小さな

書斎兼PCスペースをLDKの一角に設けました。↓

In My Life■無印良品の家-1帖の書斎
袖壁間の内法幅:1600mm、袖壁の奥行:850mmです。


左右にIKEAの書棚、BILLY。W800×D280×H2020、各\8,990-。

机は通販で買ったもの、椅子はIDEEラビットチェアです。


広さとしてはかなり最小だと思います。

理想を言えば、1坪ぐらいのスペースが欲しかったですね。


プリンタ複合機が、本棚からはみ出して設置という状態に…汗


ここをすっきり見せようとするなら、

本棚の幅よりも袖壁を50mm長めに作ったので、その部分に

スクリーンを設置して隠すこともできますが、多分やらないでしょう。


来客の少ない我が家は、見栄えより普段の使い勝手重視です。グッド!



うちにとって重要だったのは、「LDKの一角にある」ということ。

家にいる時は、家族と一緒にリビング・ダイニングで過ごします。


ここは我が家の情報拠点


書類をコピーしたり、旅行の計画を立てながら色々と調べたり、

仕事関連の資料を準備したり、全てLDKに居ながら完結します。



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ここからは、一般論のお話。


家作りにおいて、「書斎を作りたい」という

要望を持っている方は少なくないと思います。


その場合、一般的な間取りにおいては、2階に4帖半~6帖程度の

独立した空間を希望するケースが多いのではないのでしょうか。



僕の大好きな建築家の、故宮脇檀(まゆみ)さんは、自著の中で

「男に書斎など要らない」というタイトルでこう書いています。


…書斎なんて止めなさいよと反対したのには当然理由があった。

それまで私が設計した数軒の住宅の書斎が、使われずに

ほとんどがみな死んでいることを知っているからだった。


宮脇さんが設計した、医者大学教授の家ですら、

数年後には納戸になったり娘の部屋になったりしていたらしいです。


書斎を最も必要としそうな職業の人でもこの有様なのだから、

サラリーマン家庭の場合は言わずもがな。



書斎を作る方は、計画的に。



なお、上記で引用した宮脇さんの本はこちら。↓
In My Life■無印良品の家-それでも建てたい家
家作りの参考になるかと言えば、微妙です。

文体は、綾小路きみまろ風とでも言いましょうか。


茶化している表現がたくさんあり、読み物としては面白いです。

もう15年前の本ですが、本質を突いている部分もたくさんあります。

もう17年も経つんですね。早いものです。



今でこそ東京に住み、霞が関駅を通ることもありますが、

当時はまだ実家のある愛知県にいました。



事件が起きた時は、高校1年生。

仲が良かった仲間と打ち上げの日でした。

飲み会じゃないよ。たぶん。


高校の最寄駅の近くにある、友達の親が

経営していた中華料理屋の2階。



お座敷の手前の下駄箱の上に新聞の夕刊が無造作に置かれていて、

一面に事件現場周辺の大きな写真が載っていたのを覚えています。


僕がこの事件の名前聞いて思い出すのは、なぜかこのシーン。

中華料理屋の2階の下駄箱の夕刊なんです。




当時はまだ、理系に進むことを決めていた程度。

受験する分野も、上京するかどうかも全く未定でした。


遠くの地で起きた、聞き慣れない化学物質が撒かれた

異様な事件のことを、リアルには感じなかったのだと思います。




特に何が言いたいわけでもありません。


ある出来事が起きた時、その時の自分の状況に

よってずいぶん感じ方が違うんだなぁと思いました。以上。