「雑学王」(テレビ朝日)のスペシャル番組を少しだけ観ました。
クイズ番組って、真剣に考えちゃうと寛げないからあんまり好きじゃないです。
最近は特に、芸能人がはしゃぐ系の番組が多過ぎ。ブツブツ…。
最後(?)に、布製防火シャッターについての問題が出ました。
↑文化シャッター
HPより拝借。商品名はセレスクリーン
。
一通りの性能を紹介した上で、「避難時に役に立つこの
シャッターの特徴は?」という趣旨の出題だったと思います。
正解は、上の「セレスクリーン」のリンク先を見れば
書いてありますが、スクリーンに透光性があり向こう側の
火災状況を察知できる、とのことです。
確かに一般的な鋼製防火シャッターでは、向こう側が火の海
なのか、安全空間なのかはぱっと見では分からないですからね。
また、一番のメリットはなんと言っても、はさまれ防止でしょう。
降りてきた防火シャッターに挟まれる死亡事故がゼロになります。
設計側の立場からすれば、シャッターの巻き取り寸法が小さくて
済むため、シャッターボックスを小さくできることも大きなメリットです。
メリットばっかり。
全ての建物でこれを採用すればいいじゃないか!
と思えてしまいますが、これがまた高い。
上の写真でざっくり200万円はするのではないでしょうか。
たぶん通常の鋼製防火シャッターの倍近い金額だと思います。
公共的な建物や、グレードの高いオフィスビルなどでは採用されやすい
かもしれませんが、コスト重視の建物では難しいですね。
建築関係者でもなければ、防火シャッターを
生で見たことがある人はほとんどいないでしょう。
これを目にする時というのは、かなりの緊急事態です。
施主の立場からすれば、「防火シャッターは一生使わない」
ことが理想、というより前提なんです。
(実際には、適切に稼働するかどうかの定期点検や
メンテナンスが必要になりますが、それはまた別の話。)
一生使わない(であろう)ものに、何百万、何千万というお金を
出せるかというと、なかなかそうはいかないのが現実。
規模の大きい建物ほど、また不特定多数の人が使う建物ほど、
建築基準法や消防法の規定により防災設備がたくさん設置されています。
(法律のために設置されただけで、実効性の疑わしい設備もあります。)
そんなわけで、布製防火シャッターのお話でした。