着工・地盤改良・捨てコン打ち | In My Life■無印良品の家

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2010年10月18日、我が家は着工しました。


工事請負契約から約2ヵ月後です。


この2ヵ月の前半は、銀行のローンの審査、
つなぎ融資と土地の登記、建物の詳細打合せと、
とても慌ただしかった記憶があります。


仕様を決めるためにショールームに行ったりして
週末はほとんどフル活動だったし、

メールでの図面のやり取りも頻繁でした。


どれも重要なことばかりで、気が抜けないというか、

「後回しにできないプレッシャー」あせる

がありました。



きっと家作りを経験したみなさんは乗り越えてきたのでしょうね。


後半は、逆に確認申請の期間で、少し楽だった記憶があります。


時間が戻ってしまいました。




■着工
(2010.10.18 着工から1日目)


この辺の時期の写真がない…叫び


よし、豆知識コーナーにしようひらめき電球


さて、「着工」とは、どの段階を言うのでしょうか?

実はその時々でいろんな解釈があります。


【建築基準法上の着工】


建築基準法では、確認申請が下りる、つまり「確認済証」が
公布されないと着工できませんよ、と言っています。


これは、違法建築の乱立を防ぐことが目的です。


この時の着工とは、基礎工事をするために
土工事に着手する時点を言います。


土工事に着手するということは、(基礎工事を目的として)
スコップ1本持って土を掘り返した瞬間に着工とみなされます。

(スコップは例えです。)


なお、杭工事がある場合は、地面を掘り返さなくても杭工事は可能
であって、その場合は杭工事を始めた段階で着工です。

(試験杭という、判断が難しい行為もあります。)



基礎工事を目的としない土工事は微妙です。例えば地盤改良


地盤改良って、建物とは関係ない場合もあります。
ただのアスファルトの駐車場にするためとか。


ということは、傍目には建物を目的としているのか、
そうじゃないのかなんてはっきり言ってわからない。


苦情が来たとしても、
「ただの地ならしで、工事の準備です」という抗弁が成立します。



【施工者側からみた着工】


違法建築を防ぐのが目的の建築基準法の規定に対し、
施工者にとっての着工は

費用が発生するかどうか」が基準になります。


例えば、新築工事をする前に古家が残っていて解体する場合。


施工者にとって、新築工事までの一連の流れの中で、解体工事は
間違いなく「工事」であって、この段階で着工していると言えます。




■地盤改良工事


あんまり関係ない話題で引き延ばしましたが(笑)、
新築工事に関連する地盤改良工事は通常は「着工後」に行います。


というわけで、地盤の緩い我が家においても、着工後の最初の
工事は地盤改良工事でした。


できれば、地盤改良のいらないような場所に住みたいものですね。



■防湿フィルム施工
(2010.10.27 着工から10日目)


まずは基礎の形に合わせて掘ります。
その後、防湿フィルムを施工してから捨てコンを打ちます。


注文住宅の建て方■無印良品の家-防湿シート


朝現場を見たら土の状態で、帰ってきたら捨てコンまで
打ち終わっていたので、この写真は後から送ってもらいました。


ちゃんとやってあったので一安心。

テープで目張りまでしてあり、

丁寧な仕事をしているのが分かります。



厳密に言うと、ベタ基礎の場合、防湿シートはなくても

問題ありません。


基礎断熱工法は床下換気を原則行わないので、

湿気を完全に防ぐためにはあった方がベターだと思います。


(布基礎の場合のように、床下が土の場合は必須です。)



なお、竣工後数年は、ベタ基礎、つまり床下のコンクリートが水分を
蒸散するので、床下に湿気取りなどを置いた方が良いと思います。




■捨てコンクリート打ち

(2010.10.27 着工から10日目)


「捨てコンを打つ」と一般的には言いますが、
無印さんからのメールには、

レベル調整コンクリート施工
と書いてありました。


この方が、正確な表現です。



捨てコンというのは俗称で、目的はその後の鉄筋工事を
し易くするためのものです。


構造体のコンクリートとは区別して、捨てられるものなのです。
あぁかわいそうな捨てコン汗

でもちゃんと役割があるのですビックリマーク


鉄筋を適切な位置・高さに施工するためには、下が固い方が
配置しやすいし、その位置を表示するにも(「墨出し」と言う)
下が土の状態よりコンクリートで
固めてあった方がやりやすいでしょう?


写真はありませんが、捨てコン打ちも

丁寧に施工されていましたグッド!



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う~ん、なかなか時間が進まないなぁ(笑)

今回はこの辺で。
次回は配筋工事に移ります。