今回は「コンセント」が主役です。
「無印良品の家」に限らず、家を建てる皆さんへの
お役立ち情報が盛りだくさん!
(自分でハードル上げたね…)
前回の「スイッチ」の時と共通事項が多々ありますので、
合わせてご覧いただくとよいと思います。
■確認すべき内容
復習になりますが、確認すべき項目は
スイッチと同じで、①仕様②平面配置③高さ。
コンセントの仕様については、
あまり詳しく考えなくていいです。
「○○用のコンセントになってますよね?」
「ここで○○は使えますよね?」
のように、使う立場での要望通りかを確認すればOK。
コンセントの種類はスイッチほど多くないし、基本的には
設計者が適したものを選んでくれると思ってよいと思います。
■一般的なコンセント
普通のコンセントは、ほとんどが100V用の2口タイプ。
まぁ見たことがない人はいないでしょう(笑)
平面的な配置については、平面図で確認を。
(説明になってない?)
【寝室・子供部屋など】
昔は、「コンセントは部屋の対角線にあれば良い」
なんて言いましたが、電化製品の増えた昨今では、
3ヵ所ぐらいはあった方が良いでしょう。
2坪で1ヵ所が目安と言う人もいます。
その方が、模様替えでベッドやオーディオの
位置を変える時にも対応しやすくなります。
極端な話、4ヵ所あってもいいぐらいですが、おそらく
そのうちの1ヵ所は家具などで使えなくなるでしょうね。
ベッドのサイドテーブルに、携帯の充電器や、
ちょっとした明かりが必要になることが多いので、
枕元を意識した配置にすると良いと思います。
なお、後で出てきますが、PC関連機器を寝室に置く場合は
注意が必要です
【LDK・廊下・階段など】
適当な間隔でいいです。
いや、ほんとに。決まりなんてないですから。
廊下や階段は、掃除機のコードが届くぐらいの間隔で
コンセントがあればよいでしょう。
廊下の端と端、ぐらいな感じ。
それでも掃除機のコードが届かないほど廊下が長い家は、
結構な豪邸か、設計が悪いかどちらかです。
LDK回りには「用途が特定されたコンセント」が多いです。
それについて詳しくは下の方に書きます↓
設計段階の場合、僕が大事だと思うのは、
家具の位置を図面に記入してもらうこと。
単に施主側の人が自分用にメモするのではなく、
ちゃんと図面の中に描いてもらうことが重要です。
「そんなこと言ったって、これからIKEAとニトリと
無印良品を全部回って比較するんだから、
まだ家具の大きさなんてわからないわー」
というご意見もあることでしょう。きっとある。
でも、正確な大きさがわからなくてもいいんです。
ちょっとネットで検索すれば、だいたいの大きさはわかります。
LDKって、置きたいものがたくさんあるはずです。
「頭の中で想定していることを、設計者や現場の人に伝える」
ことが目的です。
【通常のコンセントの高さ】
洋室ではFL+250、和室ではFL+150が標準です。
とは言え我が家は、標準高さをFL+400にしました。
理由は…低いと疲れるからです。僕も妻も、体堅いし(笑)
あんまり高過ぎるところにあるとちょっと目障りですが、
抜き差しの動作をして検討し、
「こんなもんでいいんじゃないかな~」って感じで
決めました。
逆に抜き差しのないコンセントは、
FL+200にしてもらいました。
コード式の掃除機をお持ちの方は、
標準高さをFL+300~500で検討されることをお勧めします。
あ、ちなみに我が家は充電式の掃除機なので、
いちいち差し直すことはないんですけどね
でも、使いやすいです。
■例外的なコンセント
実はここからが本題です。
(相変わらず前置きが長い…)
標準的なコンセントとは仕様や高さが異なるケースです。
高いところからいきましょう。
【エアコン用】 FL+1800~1900
エアコン用のコンセントの仕様としては、
LDKなどの広い(目安としては14帖以上の)部屋なら200V。
それ以外は100V。
(アンペア数や細かな仕様は割愛します。
部屋の大きさから、大抵適切なものを選んでくれます。)
家庭用エアコンの大きさは、大きいものでも
高さ300、幅800程度です。
エアコンを設置する高さは天井高によりますが、
通常はできるだけ天井に近いところに設置します。
「無印良品の家」(木の家)の標準は、CH=2300です。
(CHは「Ceiling Height」の略で、“天井高”を表します。)
というわけで、FL+1800~1900ぐらいが適当です。
【冷蔵庫用】 FL+1500~1900
仕様は、100Vのアース付コンセントです。
高さに幅があるのは、「お好きな高さに」ということ。
基本的に抜き差しがないので、見えにくいことを重視するのか、
埃がたまる前に掃除がしやすいことを重視するのか、
考え方は人によりけりです。
冷蔵庫自体の寸法は、一般家庭用はH=1800程度です。
ちなみに我が家の冷蔵庫は、H=1720です。
(小柄な女性にはこのぐらいの高さの方が使いやすいらしい。)
コンセント高さはFL+1900にしました。
【洗濯機用】 FL+900~1100
仕様としては、100Vのアース付コンセントです。
これも冷蔵庫と同じように、見えてもいいか
隠したいかによって高さを調整します。
洗濯機自体の高さは、昔からある上から使うタイプが
H=900程度、ドラム式がH=1000程度です。
気を付けるのは、当たり前ですが、
「窓にコンセントはつかない」こと。
1坪タイプの洗面室では、洗面台には鏡があり、
浴室出入口やタオルかけも必要になるため、
洗濯機の上部に窓があることが多いです。
我が家もFL+1200~1800の高さに窓があります。
平面図にごちゃごちゃと記載される内容が多い部分
ですが、しっかりと高さ関係を把握しましょう。
洗濯機は昔ながらのタイプを使っています。
ドラム式になった時に邪魔にならないよう、
コンセント高さはFL+1100にしました。
リビングじゃなくて洗面所なんだから、
隠すこともないか、って感じです。
(下の写真の左側です)
【洗面台用】 FL+800~900程度
「設置高さ順」ではもうちょい下ですが、
上の写真(右側)に写っているのでここで紹介します。
このコンセントの使用目的は、ドライヤー用、シェーバー用です。
高さは、FL+1100に設置しました。
水はねには注意したいですね。写真にはないですが、
コンセントカバーが現在は付いています。
足元に暖房器具を置きたいとか、上部に扇風機を付けたい
とか、必要に応じてコンセントを追加しましょう。
【キッチン台用】 FL+900~1000程度
高さは、キッチンの高さと、カウンターの高さによります。
細かく指定できるほど、あんまり場所の余裕はないです(笑)
使用目的は、主にミキサー。
キッチンの上って、延長コードを持ってきにくい場所なので、
ちょっと使いたい時に非常に便利です。
これも水はねには注意が必要です。
参考までに、うちはキッチンの高さがH=850、
カウンターがH=1050で、その間にちゃんと付いてます。
【ダイニングテーブル用】 FL+800~900程度
何かといろんな用途に使うダイニングテーブル。
特にホットプレートや卓上用のIH調理器など、大活躍です。
下から引っ張ってくるより全然楽です。
ダイニングテーブルの高さは、通常H=700~720。
我が家はすぐ上に来るように、FL+800にしました。
【PCデスク用】 FL+800~900程度
ダイニングテーブルと高さは同じ。
ただし、必要なコンセントの数が違う。
我が家のPC回りの物をざっと数えても、
ノートパソコン、プリンター、デジカメ充電器×2、
シュレッダー、デジタルフォトフレーム、外付の周辺機器、
といった具合です。
ここまで多いと、市販のタコ足系のコンセントを使っても
いいかもしれませんね。
考え方は人それぞれですが、我が家は
デスク上(FL+800)に4つ口、
床近く(FL+200)に2つ口を確保しました。
先ほど少し書きましたが、
寝室にPC置く人は、タコ足覚悟かもしれませんね。
【テレビ・電話・インターネット】
テレビやDVDデッキ回りも多いですね。
抜き差しがほとんどないので、
ここもFL+200にしました。
マルチメディアコンセントなるものもあります。
最新のマンションはたいていこれがついてます。
【リビング】
うちみたいに狭い家なら心配いらないのですが、
広い家だと大空間の真ん中にもコンセントが
欲しくなるでしょう。
そういう方には、フロアコンセントという隠し技があります。
普段は隠れていて、使いたい時だけ「パカッ」と開けます。
床からの出っ張りはほとんどなく、かなりフラットです。
それでも掃除機をかけると縁にゴミが付きそうな気がして、
僕はあまり好みではありませんが。
【バルコニー・デッキ】
BBQができるような広いバルコニー・デッキなら、外にも
あった方が良いと思います。
【外部】
例えば車の中を掃除機できれいにしたい、ということも
ありますよね。
これも庭の大きさによりますが、外部コンセントが
1ヵ所ぐらいあっが方がいいでしょう。
【その他】
トイレには、温水洗浄便座用に、
100Vアース付コンセントが必要ですが、
いちいち指示をしなくても、付けるのが当たり前です。
抜き差しがないので、低い位置で良いでしょう。
我が家はFL+200です。
必要に応じて、キッチンの背面の食器棚用の
収納スペース内の壁に設置しても良いと思います。
今のところ使用していませんが、我が家は
FL+1100に付けてもらいました。
電子レンジ、炊飯器、扇風機、ファンヒーターなど、
その他の家電についても、使う時に困らないよう、
コンセントの場所を想定しておくと良いと思います。
ついでに言うと、クリスマスツリーの場所もね。
■終わりに
設備関連機器は移り変わりが早いです。
メーカー側も新しいものを作るし、無印側も標準仕様を
変えていくかもしれません。
その時その時で、見直した方が良いでしょう。
我が家の設計時期は、2010年ですから、
あくまで2010年仕様ということで。
さーて、ずいぶん長くなってしまいました
ここまでめげずに読んでいただき、ありがとうございます。
ハードルを上げた分、あれもこれも書こうとしたら、
長くなってしまった。
でも、参考になれば幸いです。