鉄筋工事・コンクリート工事 | In My Life■無印良品の家

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建築士の視点から見た「無印良品の家」(木の家)の紹介を中心に、
インテリア・音楽・食べ物・旅行・日々の出来事を自由に書いています。

前回は、防湿シート施工し、捨てコンを打ちました、
というところで終りました。


今回はその続き、基礎工事のメインである、
鉄筋工事コンクリート工事です。


なお、日付は写真を撮影した日です。



■鉄筋工事
(2010.11.03 着工から17日目)


まずは写真から。


注文住宅の建て方■無印良品の家-鉄筋工事1

注文住宅の建て方■無印良品の家-鉄筋工事2


建築基準法の中には、鉄筋工事の基準はたくさんあります。


本当は素人の方にも分かりやすく説明したいのですが、
正直に言って分かりやすく説明のしようがないし、
ましてや現場でチェックできる話ではありません。


「鉄筋工事 基準」とか検索すれば、詳しい説明を

しているサイトは見つかるのですが、見たところで

なかなか理解できないと思うのです…。


一級建築士の試験でも出題頻度が非常に高く、

皆苦労して覚えている重要事項なのです。



最も重要なのは「柱脚用アンカーボルト」といって、
柱に直下にくるSE構法用のアンカーボルトが適切に

配置されているかということです。


それ以外にも、
鉄筋の強度・直径・間隔・継手長さ・定着長さ・最小半径・
余長・かぶり厚さ・スペーサーの配置・貫通部の補強方法など、
チェック事項はたくさんあります。


だからこそ、「監理者」というのがいるわけだし、建築士が
存在する意義があるのですが、施工者=監理者だとその
チェックシステムがうまく機能しないことがあるのも現実です。



また、素人の方が理解できないということは、
不適切な施工がなされたとしても、「強度は大丈夫ですよ」
って言われたら反論できないもどかしさがあります。



例えば、この写真↓


注文住宅の建て方■無印良品の家-開口補強


碁盤状に入っている直行方向の鉄筋以外に、45°方向の鉄筋が
水平方向と鉛直方向方向に入っているのが分かります。


これは、配管貫通部は基礎に穴が空くため、それを穴を
補強するための鉄筋です。


これがないからといってすぐに建物に被害が出るわけでは
ないし、全く問題がない可能性だってあります。



細かい話ですが、家作りはこういったことの積み重ねです。
現場の職人にも、忘れたり間違ったりすることはあります。


それを、いかにチェックし、エラーをなくし、良い家作りを
実現するかというのは、とても重要なことです。


我が家を担当した「無印良品の家」の各担当の方は優秀で、
対応も大満足でしたが、全国規模の会社となった今、
品質をちゃんと維持できるのか?という疑問があります。


これはどの大手ハウスメーカーに関しても同じでしょう。


『永く使える、変えられる』を、ただの“売り文句”で

終わらせてほしくないと心から思います。



■コンクリート工事
(2010.11.06 着工から20日目)


ちょっと話がそれてしまいました。

基礎底盤、「耐圧スラブコンクリート施工」の写真です。



注文住宅の建て方■無印良品の家-基礎コン打ち1

注文住宅の建て方■無印良品の家-基礎コン打ち2


1日で上に乗れるぐらいには固まりますが、4~6日程度養生します。
コンクリートの種類や気温によって養生期間は異なります。


注意すべきは、真夏・真冬のコンクリート打ちです。

コンクリートは、すぐに固まるよりも、

じわじわ固まる方が強度が出ます。


そして、気温が高いほど早く固まります。


今の時期、かんかん照りの日にコンクリートを打った場合、

散水養生(表面が乾かないように水を撒きながら養生)や、

湿潤養生(急激に乾燥させない)などの対策を取る

必要があります。


真冬の場合は、強度が出るまでに時間がかかるので、

養生期間に気を付ける必要があります。



鉄筋と同じように、コンクリートにも素人の方に説明しきれない
ほどたくさんの基準があります。


住宅以外の一般建築の場合、監理者は施工者に
「コンクリート施工計画書」を提出させ、それをチェックし、
その通りに施工させます。


施工後は「コンクリート施工報告書」を提出させます。
所定の強度が出ているかの試験も行います。



残念ながら、住宅規模の場合はその辺りの細かい試験や報告が
省略されるようです。


この辺りにも、適切な施工が行われたかどうかをちゃんと
チェックするシステムと、それを実行できる人間が必要です。



■基礎工事完了

(2010.11.16 着工から30日目)


この後、立上り部分の型枠を設置し、

立上り部分のコンクリート打ちを行い、

型枠をばらして、無事に基礎工事が完了しました。


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次回はようやく建て方工事に入ります。