雨が降る。
濡れた路面が曇り空を映して白く光る。
路面に散らばる小石の粒がシルエットになって見える。
すると、僕の自転車の前輪がさしかかるころ、粒が、はねる!
ほんの1~2センチの小さなカエルなのです。
小石ならともかく、カエルかもと思ったら、これは踏みたくない。
そう思って小石は避けて通ろうと思うのです。
それなのに、こいつら、直前で動く。
こっちはできるだけ目を凝らして、粒の形から「前後」を識別しようと思います。
できるだけ前ではなく、後ろ側に避けようと。
それなのに、こいつら、直前で後ろにはねたりするんですよ。
もう、なんで?
不幸な事件だなあと。
場所によっては、車がそれなりに通る道路で、傍らに田畑があるようなところは、地獄絵図になっています。
実際ひどいところはこんなもんじゃない。
踏みつぶされたカエルが道路一面に散らばっていて、生臭い空気が立ち込める。
雨で潤った環境になると、カエルは普段の生活領域の外側に出て行けるようになり。
行けるようになったとなれば、行こうとしてしまうものらしい。
種の拡張への本能なのでしょう。
ひょっとしたらホモ・サピエンスがグレートジャーニーに旅立ったような、冒険への本能なのかもしれない。
それにしては一歩外に出ただけでこの危険。
不幸な事態だなあ、と思います。
そんなになっても何日もしないできれいに片付いてしまうのには
たぶんカラスの営みもある。
ひどいような、いいような。