上陸19日目。
日曜日の道の駅は、ツーリングの集合場所になっている事が多い。
ここ「スワン44ねむろ」にも、朝から入れ替わり立ち替わりバイクがやってくる。
コーヒーを淹れながら彼らと挨拶を交わしたり、出発を見送ったり…そんな事を何度も繰り返した。
時間を貪るように先を急ぐライダーとは違い、長旅の途中である旅人の朝は実にゆっくりと始まっていった。
今日はここ根室をスタートし、北海道の最東端にある納沙布(のさっぷ)岬を目指す。
ちなみに日本の最東端は、太平洋の遥か彼方にある「南鳥島」。
北海道の納沙布岬は一般人の到達できる最東端であるため、ここを日本の最東端と言う場合もある。
だが、自分にとってあくまで最東端は南鳥島だし、最北端は択捉(えとろふ)島のカモイワッカだ。
まぁ、そんな政治的な話は置いておいて…
その後は海岸線を南西に、釧路方面へ向かう予定。
という事で、まずは納沙布岬に向けて出発!
温根沼を通り過ぎ…
根室市街を通り過ぎ…
今日もひたすら絶景の中を走り続ける。
1時間後…
飽きる。
10分後…
戻る。
さらに1時間後…
納沙布岬に到着!
納沙布岬は、なかなか最果て感があって良い。
だが、やはりその先に見える北方領土が気になってしまう。
なぜ日本の領土に日本人が渡れないんだっ!
「返せ!北方領土!」
と、独りで怒っていると、志布志ナンバーの原付スクーターが目に止まる。
大好きな鹿児島のナンバーに嬉しくなり声をかけてみると、なんとスクーターで日本一周しているという大学生だった。
しかも福岡から20日ほどでここまで来たという。
自分はえ~と…何日かかったっけ?
生活感満載のコックピット。
スクーターは飲みかけのジュースなど、そのまま置けるから便利だなぁ。
お互いの装備やこれまでの旅の話で暫く語り合い、記念撮影をして別れる。
彼も自分と同じ時計回りで北海道を旅しているらしいが、ペースはかなり違うようだ。
大学生である彼は、夏休みが終わるまでに九州に戻らなければいけない。
そのため、あまりゆっくりとはしていられないようだ。
きっとこの後、自分が彼に追い付く事はないだろう。
自分は原付旅人の中でも、かなりペースが遅い方だと思う。
運転のスピードが遅い事もあるが一番の原因は、いちいち立ち止まるからだろう。
納沙布岬のような観光地にいる時間よりも、路上に停車している時間の方が長いくらいだ。
そうと解っていても、気になる場所があれば足を止めてしまう。
この時もちょうど昼時だったので、スーパーで買った食材を広げて昼食にした。
すると牛たちがGメン歩きで近寄ってくる。
え?
あげないよ?!
今日の昼は奮発してバゲット。
そして牛肉コロッケ!
…。
なによ?
そんな悲しい目をして、こっちを見るんじゃないよ…。
も~~~!!
ハウス!!
ふう。
追っ払ってやりました!
食後は国道を外れ、曲がりくねった道道(北海道の道)を行く。
落石(おちいし)港。
この辺りの海岸は高い崖になっていて、沖縄の喜屋武(きゃん)あたりを思い出す。
このまま海沿いを走れば、厚岸(あっけし)という所に着くはずだ。
あれ?
ビーチに出てしまった。
あまりに景色が良いので道路の横ばかり見ながら走っていたせいか、青看を見落としたようだ。
分かりやすい国道とは違って、道道では気が抜けないな…。
その後…北海道さんは例に漏れず、断崖の絶景を数時間にわたって見せ続けてくれた。
もういいよ!
いい加減にしろっ!
と叫んでから1時間ほど経過した頃、厚岸に到着。
道の駅「厚岸グルメパーク」で、今日は就寝。
夜になると風も止み、気温も上がってきた。
8月最終日。
今日は久々にカッパを脱いで寝る事が出来そうだ。
2014.08.31
■天候:晴れ
■走行距離:177㎞
■総走行距離:12981㎞
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