119日目 (厚岸~白糠) 毎日が日曜日。 | 原付日本一周の旅

原付日本一周の旅

~金もないのに 旅をしたくなった~

HONDA CD50 で日本一周の貧乏旅行!

上陸20日目。

暖かい陽射しの中、厚岸湖を眺めながら朝の仕度をする。
昨日の賑わいとは打って代わり、道の駅には静けさが満ちている。
車やバイクの往来の少なさを見て、そうか今日は月曜日だと気付く。
昨日が日曜だったのだから、今日が月曜なのは当たり前だ。
旅に出て4ヶ月。
その日の曜日は解っていても、翌日の曜日というものを一切気にしなくなっていた。



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今まで海岸沿いを適当に進んできたが、今後のルートについて少し考えてみた。

まずは今いる厚岸(あっけし)から釧路(くしろ)方面へ行く。
釧路からは少し内陸部を通り、札幌へ直行する形をとろうかと思う。

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そうすると襟裳(えりも)岬は通らない事になるが、襟裳の秋は何もない秋らしいので、スルーします。



今日は道の駅「厚岸グルメパーク」からのスタート。

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今から遡る事3ヶ月、鹿児島の佐多岬で出会い、コーヒーをご馳走になったご夫婦にこの厚岸の事を聞かされていた。

「北海道の厚岸に行ったら、多少無理をしてでも牡蠣を食った方が良い」

遠い鹿児島の地で絶賛するほど美味いという厚岸の牡蠣。
これを食べるために今まで節約してきた。
今日は思う存分食ってやるぞ!

と言っても2個で500円なので、ビックリするほど高いわけでもない。

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道の駅が開店する9時まで待って、いざ売店へ!!

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「定休日」!!

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ぬ~ん…




こんな事があるとは…!


どうりで道の駅が静かだと思った。



しかし道の駅が休みというだけで牡蠣を諦めるわけにはいかない。

厚岸の市街に出て、牡蠣を食えそうな店を探す。

が、なかなか無い。

ちょうどガソリンもなくなっていたので、給油ついでにスタンドのオッチャンにお薦めの店を教えてもらい、馬場商店さんへ。

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食堂で調理したものを頂く事もできたが、なんとも高そうだったので土産用の牡蠣を購入。
120円×2。

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バイクで海岸に出て、直火で焼く!

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自分で焼けば安上がりな上に焼きたてを食える。
初めからこうすれば良かったのだ。

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ご覧下さい、このぷりっぷりの…ぴ、ピンぼけだね。

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写真はピンぼけだが、味はなんとも濃厚で美味い!


2つ目はあまり火を通さず半生で…


鹿児島の醤油をかけて頂きます。

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おおぅ!クリーミィ!!


貝類はわりと苦手なのですが、この牡蠣は2つペロッといただけました。

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「厚岸の牡蠣は、多少無理をしてでも食え」
そう人に薦める理由がわかった気がする。




厚岸の街で店を探して右往左往した事もあり、陽もすっかり高くなってしまった。

まずは釧路に向けて進みます。

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しばらく走っていると、対向車線に車がやたら大きく避けて通る歩行者がいた。

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農作業をしているリアカーか何かかな…と思って通り過ぎると、幟に「日本一周」の文字が。


まじか!?


思わずUターン。

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声をかけると道端に停まり、気持ちよく応じてくれた。

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名前を聞くのを忘れたが、彼はマラソン用のベビーカーに荷物を積み、兵庫から走っているという。


こんな馬鹿げた…いや、奇抜な旅をする者もいるんだなと少し元気になった。


チャリダーを見ると元気になる。
頑張ってペダルを漕ぐ姿を見ると、自分も頑張ろうという気になるのだ。

しかし今日は手押し車で日本一周という彼を見て、その何倍も元気をもらえた。

しばらく立ち話した後、「厚岸の牡蠣は無理をしてでも食え」と伝えて別れる。

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走り去っていく際の軽快な足取りが、妙に心地好かった。





大都会、釧路の街で食糧やコンロのガスなど買い足して、国道38号をもう少し進む。

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17:00


道の駅「しらぬか恋問」に到着。
この辺は道の駅が極端に少ないため、時間的にも今日の寝床はここにするしかない。

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しかし敷地内の芝生はキャンプ禁止。

ならば海岸で…と思ったが、なんだかデートスポットになっている。
夜中にカップルが往来しそうな雰囲気で、とてもテントを張れるような環境じゃない。

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どうしようかと考えていると、カブで旅をしているオジサンが敷地の外に良い場所があると教えてくれた。

なるほど、ここは良い場所だ。

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道の駅に隣接しているが、ただの空き地。
ここなら誰にも文句は言われない上に、道の駅のトイレなども利用できる。

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カブのオジサン、ありがとう!
お礼を言うと、とうもろこしを半分に割って差し出してくれた。


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北海道のトウモロコシ!
畑の横を通るたびに、食べたいなと思っていたものだ。

さらにオジサンはこれから「チャンチャン焼き」を作るから一緒に食おうと言ってくれた。

チャンチャン焼きとは、鮭と野菜を味噌で煮込んだ、漁師が食べる即席料理の事だ。

ありがたい!
鮭もずっと食べたいと思いながら我慢していたものだ。

カブのオジサンこと佐藤さんは、北海道の北広島に勤務する定年間際の消防士。
色々なバイクを所有してきたが、最終的にカブに落ち着いて、非番の日にはこうしてキャンプツーリングを楽しんでいるという。

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親子ほども歳の離れた佐藤さんと、星の下でチャンチャン焼きを食べながら酒を呑み、カブと北海道の魅力について語り明かした。


今日は朝から北海道の幸、そして人の魅力に存分に触れる事のできた一日だった。

静かな月曜日。
こうしてまた、旅人にとって充実した一週間が始まっていく。



2014.09.01
■天候:晴れ
■走行距離:76㎞
■総走行距離:13057㎞


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