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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

Andexanet for Factor Xa Inhibitor–Associated Acute Intracerebral Hemorrhage

Xa阻害のDoacs飲んでて脳出血。
拮抗薬の功罪。

拮抗薬 263。
標準  267 。
へえ〜、比較対象がPCCじゃないんすね?
PCCとは、おそらく差がないと思うんすよ。

標準の 85.5% がPCC投与された。
、、、、、結局、まあ、 vs PCCの比較っすよね。

止血効果は、
拮抗薬  150/ 224 (67.0%)
標準 121/ 228 (53.1%)
difference, 13.4; 95% [CI], 4.6 to 22.2; P=0.003

1〜2時間後のXa効果消失は、
拮抗薬 94.5%
標準  26.9% (P<0.001).

塞栓イベントは、
拮抗薬  27/ 263 (10.3%)
標準 15/ 267 (5.6%)
difference, 4.6; 95% CI, 0.1 to 9.2; P=0.048

ischemic strokeは、
拮抗薬  17 (6.5%)
標準  4 (1.5%),

死亡、神経予後、には差がない。

生命予後に、差はない、
神経予後に差がない、
ってのが、
ある意味全て、なんっすよねえ。
高い金払って、、、、、ねえ。
合併症多いってことは、それだけ効果がガチなんすね?
でもまあ、、、PCCでいいかなあ〜、
後は症例選んでっすかねえ。




Bisoprolol in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease at High Risk of Exacerbation
The BICS Randomized Clinical Trial

前提の知識を全然、知らんかった。
COPDにベータ遮断薬?
なんか悪くなんじゃね?
と思うけど、、、、、
一番最初は、症状改善、が言われてて、
その後、症状増悪がいわれるという
二面生があるらしい。
今回は、よくなんじゃね?
という仮定。
どんな機序なんすか?って感じだけど。。。

で、実際データ。
で、ビソプロロール(ベータ遮断)の有無で、
増悪頻度には全く差はなかった。
2/Year同士。

重症増悪だけで比べても差はなかった。

うーん、
前提知らんかった分、感慨も少ないが。。。
なぜ良くなるのかっていうのがワカランチ会長。




Acetaminophen for Prevention and Treatment of Organ Dysfunction in Critically Ill Patients With Sepsis
The ASTER Randomized Clinical Trial

ほえええ〜。
アセトアミノフェンが、重症Sepsisの臓器障害に良い影響があるんじゃないか?と仮定したStudy。
保ええええー。

期待する機序は、
ヘモグロビン誘発酸化の阻害、だって。。。
なにそれ。。。。

介入患者は、6時間ごとに1gのアセトアミノフェンを静脈内投与、5日間。

エンドポイントは、28日目臓器サポート(機械的換気、バソプレッサー、腎臓補充療法)のない日。

447名。
年齢、64[SD、15]歳、51%女性、
[SOFA]スコア、5.4[SD、2.5]
227人がアセトアミノフェンに、
220人がプラセボ。

安全性に問題なし。
28日臓器サポートのない日は、
アセトアミノフェン(20.2日、95%CI、18.8〜21.6)
プラセボ(19.6日、95%CI、18.2〜21.0、P = .56、
差、0.6、95%CI、-1.4〜2.6
で有意差はなし。

Total、呼吸、凝固SOFAスコアは、
7日以内の急性呼吸窮迫症候群の発症率と同様、
アセトアミノフェン群の、2日目から4日目に有意に低かった(2.2%対8.5%)

うーん、、、、
まあ、Majorには差はないと。
ってか、
熱ある患者に、だいたい、Sepsisは熱あるけん、
そんな人への解熱剤は悪いイメージっすけど、、、そんなことないのね?
アセトアミノフェンにねえ〜、
いや差はないけど、、、、
そんな機序に期待することがあんのね〜、
知らないもんですなあー。




Factor Eight Inhibitor Bypassing Activity as First Line Therapy for Coagulopathy in Cardiac Surgery

ほえええー、
どこまでホンマかわからんですが、
CPB後凝固障害。
FFPより、圧倒的に、Fac8‼︎製剤のがBetter。
血友病みたいっすねえ?
後天性血友病みたいな病態が起きてるってこと?
ま、今後の検討事項。
Fac7はね、、、、アレだったもんね。。。。



Prophylactic Antibiotics Delivered Via the Respiratory Tract to Reduce Ventilator-Associated Pneumonia: A Systematic Review, Network Meta-Analysis, and Trial Sequential Analysis of Randomized Controlled Trials.

久々見た!
吸入抗生剤。
VAP予防、メタ解析。

7RCT 1445名。
内、6RCT、1283名は、ネブライザー使用だった。

多い薬剤は、アミノグリコシド
RR、0.67 [0.47-0.97]
方法は噴霧
RR、0.64 [0.49-0.83]
で、
VAPは減少。
[RR]、0.69 [95%CI、0.53-0.89]

でも、死亡とかは結局変わらんのですよ。

吸入アミノグリコシドという選択肢は、
日の目を見るんすかね?
見ない気がする、、、、、ですけど。






Survival Benefit Associated With Participation in Clinical Trials of Anticancer Drugs
A Systematic Review and Meta-analysis

結果だけ。
癌治療薬のTrialで、
ぜーんぶまとめると、
治療薬で、標準より、生存予後が改善していた。

が、、、、、
質のいい報告だけ、
バイアス除外、
どっちでも、有意差は全くなくなった。

んで、
癌治療Trialで、
有効性を示したものは、
今んとこなさそうだ、ということに、、、、
という悲しい結果。



Intermittent Fasting After STEMI Improves LV Function

ええ〜?
なにそれ?
STEMI後。
間欠的絶食?、、、、、、
により、
4Weeks〜6ヶ月の心臓機能が改善。。。。
拡張期血圧は低く目だった。

、、、、、
なにそれ?
え〜、重大な結果の割に、、、、
ええ〜?
続報を待とう。




Association between the early repolarization pattern and nocturnal suicide attempts.

おお、一応母校にあたる学校。
精神科医が見つけたのは、、、、、。

ECGの早期脱分局性変化と、夜間自殺企図の関連性!
へえ〜。
心電図で自殺リスクっすかあ〜。
AIが活用できそうっすね。



Effect of an AI-Enabled ECG Alert Intervention on All-Cause Mortality
これもか。

ECGをAIで評価することによって、
死亡リスクを軽減できる可能性あり。

39Drs、15,965Patients。
人工知能(AI)対応心電図(ECG)、だって。
入院時に評価してリスクを、という。
で、、、、、

90日死亡は、
標準 4.3%
AI 3.6%
(HR)= 0.83、95%(CI)= 0.70-0.99
特に、
心臓死のリスクの有意な減少
0.2% vs2.4%、HR = 0.07、95%CI = 0.01-0.56)

時代っすなあ。
AI時代突入っすね。
医者より、病院としての機能が重要な時代なのかもですね。




Zinc for prevention and treatment of the common cold.

初耳なんすけど。。。。。
おばーちゃんの知恵袋じゃないけど、
亜鉛、Znって、
風邪の予防とか治療とかに推奨されてんの?
知らんかった。

そんなZnのデータを集めた。。。。
ん。
予防効果なし
治療効果も、、、、まあなさそうと。




Exposure to Operative Anesthesia in Childhood and Subsequent Neurobehavioral Diagnoses: A Natural Experiment using Appendectomy

おお〜、コレは素晴らしい。
麻酔暴露が、その後の精神、神経発達の異常と関係があるような話がります。
が、、、、、
小児期に麻酔する子は、元々、素因があるかもしれない。その通り!
なので、
アッペ、の患者に限って調べてみた。
なるほど。素晴らしい。
更に素晴らしいのが、、、、
基礎疾患なく、内科的理由(肺炎、蜂窩織炎など)で入院となった子達のデータも同時に評価するという‼︎

で、、、、、
HRで言うと1.1〜1.2とかのレベルで、
アッペ手術患者は、
その後の精神神経発達に、影響があった。
ほお〜、
ですけど、更に踏み込んで、、、、
内科的入院の子達にも、
その後の精神神経発達に影響があった
そして、
その程度は、内科患者の方がアッペ患者よりも強い影響だった、と。HR1.2〜

なので、
入院というストレス見たいのが、影響を及ぼしている可能性であって、麻酔暴露、による影響ではない、と思われる、という結論。
ね、すごいしっかりしててわかりやすい話。
おお〜、と思ったわ。素晴らしいっす。



Preoperative N-Terminal Pro–B-Type Natriuretic Peptide and High-Sensitivity Cardiac Troponin T and Outcomes After Major Noncardiac Surgery: A Prospective Cohort Study

ありがちなんで結果だけ。
術前BNP、Tropは、
術前評価として術後Outcomeの予期に使える。
だろうね!


A Practical Dosing Algorithm for Deep Neuromuscular Blockade During Total Intravenous Anesthesia: ROCURITHM

筋弛緩が深い方が、Outcomeいいんじゃね、っていう手術もある。
TIVAのが、筋弛緩は早くきれやすい。
うまい投与法はあるかいね、と。

424名、腹腔鏡手術。
PTC 1-2となる投与量は、
平均116分の手術時間で、
ロクロニウムとして、1.0±0.27mg/kg/h。

導入時、0.6 mg/kgで投与すると、
11分後に、患者の4分の1、1〜5のPTCになる。

後のプロトコルは、モニタしないと結局。。。。
だけど。
なんとなくの必要投与の目安として。
ってか、
スガマデックスで拮抗できるから、それほど気にせず、筋弛緩深めちゃう戦略でいい気はする、、、、
けど、総投与量が、、、、副作用に関連する可能性も否定はできない。
のでね、、、、まあ、色々様子見ではあるが。
ま、一番はモニタせえ、いう話だけどね。。。
キレがいい分、長時間ほど浅くなりやすいかも、ね。



Perioperative Acute Renal Injury: Revisiting Pathophysiology

バイオマーカー系。
心臓手術後AKIと、
尿中NAGの関連の話。
ちょくちょく、、、、見るけどね。
臨床応用されるように、まとめてくれえ〜。




Cognitive Training for Reduction of Delirium in Patients Undergoing Cardiac Surgery: A Randomized Clinical Trial.

CABG患者の術前に、認知機能トレーニングすると、
せん妄発生率が半分になった‼︎
という200例程度の報告。

ま、やるリスクはないしね、
ガンガン、やれるならやった方がいい。
少なくとも悪影響はないっしょ。
後はどんなトレーニングするか、だけどね。
任天堂の脳トレとかでいい気が済んだよね〜。



Effectiveness of Single Intravenous Dexamethasone in Prolongation of Spinal Anesthesia for Postoperative Analgesia in Elective Cesarean Section: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials.

なんだかんだ、ステロイドってすごいっすよねえ。
帝王切開をSpiで受けてる患者。
臍帯血クランプされた後、
デキサメサゾンIV。
すると、
麻酔効果時間延長、
術後麻薬使用減少、
など、
痛みに関するイベントが減る。

ねえ、すごい薬っすよねえ。。。。
どう効いてるか微妙にわかんないっすけど。。。


Microaxial Flow Pump or Standard Care in Infarct-Related Cardiogenic Shock.

前もみたか?
STEMI後Low Outputへ、
インペラ vs標準。

で、
インペラで、180日死亡が低下、改善。
10%〜。

一方、安全性のOutcomeは悪化。
20%〜。

使い方次第?
どっちにしろ180日で半分は死んでしまう病態っすからねえ。
それを10%改善さすなら大したもの。
とはいえ、
合併症の多さもなかなかの物。。。。
安全性が進化すれば良いですけどねえ。



Combined Vaccines Against COVID-19, Flu, and Other Respiratory Illnesses Could Soon Be Available

マジか、、、、
複合型ワクチン。
コロナ、インフル、RS、などなど。。。。
いやあ、、、害がなければ一発で済んだ方がありがたっす。
なければ、、、、。
ないってことになってますけど、
なんだかんだ怖いっすよねえ。



Antithrombotic Treatment for Cervical Artery Dissection
A Systematic Review and Individual Patient Data Meta-Analysis

へえ〜。
クビ系のDissection。
割と若年生脳梗塞の原因とかになりますよね。
Cervical ArteryのDissection。
その後のStroke予防。
それを、抗凝固薬でするか、抗血小板薬でやるか。

いや、、、、正直、
抗血小板薬一択だと思ってたんすよ。

で、複合Outcome。。。。
統計学的有意差は、ないっす。

けど、
抗凝固薬1%
こう血小板役4%。
抗凝固薬のが、見た感じ、Betterなんすねえ〜‼︎
ちょっと意外。
どういう病態なん?
動脈系は血小板な感じでしたけど、、、、
違うのね。
Doacs、ってことだよねえ、きっと。
Flowが緩やかなのかね、で、抗凝固薬?ってこと?
統計学的には、、、、差はないからどっちでもだけどね、
この数字見ちゃうと自分なら抗凝固薬選ぶかなあ〜。



Mortality of Patients With Sepsis Administered Piperacillin-Tazobactam vs Cefepime

抗嫌気性抗生物質(ピペラシリン-タゾバクタム)
嫌気性抗生物質(セフェピム)
Sepsis治療で、
差が、、、、、、ある⁈

レトロコホート。
2015年6月12日から2016年9月18日まで、
ピペラシリン-タゾバクタム不足、があったと。
それを含む、2014年7月1日から2018年12月31日。

で、バンコマイシンに、
ピペラシリン-タゾバクタムOr セフェピム
で、治療された患者の比較。

7569名。4174男性[55%];
年齢中央値、63[IQR 52-73]歳)

4523人がバンコマイシンとピペラシリン-タゾバクタム、
3046人がバンコマイシンとセフェピム、

で、
ピペラシリン-タゾバクタムは、
90日(95%CI、1.9%-8.1%)で5.0%の絶対死亡率の増加と関連。
臓器不全なし日数 2.1(95%CI、1.4-2増
人工呼吸器なし 1.1(95%CI、0.57-1.62)日増
昇圧剤なし日数1.5(95%CI、1.01-2.01)日増

んー?
抗嫌気性抗生物質のが、悪いの?
カルバペネムは?
むむ?
ま、明らかに嫌気性狙いは別として、ねえ、
普通の時は、、、、なに?
バンコとマキシが標準治療??なの??

いやあ、、、、どうなってんの?
バンコとタゾピペとか、かなり一般的だけどね?
どーなんでしょ?
続報待つ感じっすね。



Preoperative GLP-1 Receptor Agonist Use and Risk of Postoperative Respiratory Complications

へー、そうなんだ。
メトフォルミン、SGLT2、
そに次?くらいで、
今は、痩せ薬としての偽処方問題も起きてる
GLP1。
DMの薬なんすけどね。。。。。

で。
周術期、ってか術前、中止が推奨されてんだって。
低血糖じゃなくて、
胃の通過が遅くなる、っていう理由っぽい。
で、
緊急手術で、GLP1処方されてるのが14%くらいだったコホートの術後肺合併症を調べたら、
両郡、4%程度で差はなかった、という話。
誤嚥性肺炎云々リスクっすよねえ。
緊急だからCrush導入だから差がないのかわからんですが、まあ、今んとこ、臨床的には気にせんでいい程度なんすかね?

今後出会う可能性が非常に高いってか、普通にいるケースですからね、今後とも情報更新必要っすね。