4つの約束。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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抗生剤の使いすぎを
なんとかするために、、、、


Rethinking How Antibiotics Are Prescribed
Incorporating the 4 Moments of Antibiotic Decision Making Into Clinical Practice

抗生剤は、細菌をやっつけてくれますが、
同時に、耐性菌を作ったり、クロストリジウム腸炎になったり、生体での細菌を変えたり、悪影響もあります。
処方しすぎは悪いんですね。
って事で、
抗生剤の処方前に、、、、


“Does this patient have an infection that requires antibiotics?”
患者は、抗生剤を必要とする感染症なのか?

熱に対して反射的に抗生剤の処方したり、、、
単発の 臨床所見 やデータだったり、ね。
一番最たるものは、風邪、、、、ですけどね。
後は、
肺炎で抗生剤を、って前に、
心不全、PE、無気肺、ウイルス感染、、、
などを除外できてるの?
っていうね、
不必要な抗生剤の処方を避けましょう、と。
細菌であっても、
無症状の尿の細菌とかもね。
無症状の尿路感染か、コロニーかに、抗生剤の処方を続けると、より複雑な耐性菌による尿路感染にその後なる、って話がある。

処方の前に、、、冷静に考えましょ。



“Have I ordered appropriate cultures before starting antibiotics?
抗生剤処方前に、適切な培養を行ったか?
What empirical antibiotic therapy should I initiate?”
どんな経験的抗生剤投与を開始すべきか?

抗生剤の開始前に培養をするのは重要事項。
培養なしでは、治療時間が延長したり、広域を狭域に変更できなかったり、多くの問題を起こしてくる。

また、適切な抗生剤を、適切な時期に始めることも経験的投与に重要だ。
患者リスク、重症度、感染源、などから塾考して選ぶ必要がある。

例。
市中肺炎、腹腔感染、尿路感染、蜂窩織炎、では、MRSAなどの耐性菌は出ない。ので、経験的投与にバンコは要らない、とか。

同様に、グラム陰性感染のダブルカバー、広域抗生剤(タゾピペ、セフェピム、メロペンなど)を 、リスクのない患者に経験的に使用するのは不適切だ。



“A day or more has passed. Can I stop antibiotics? Can I narrow therapy? Can I change from intravenous to oral therapy?”
数日が経過し、、、抗生剤を中止して良いのか?、狭域にしていいのか?、経口にして良いのか?

抗生剤の続行は、あまり考えもせず、続行されることが多い。
全ての抗生剤投与患者は、毎日、抗生剤の time-out (ま、議論的な)を行うべきだ。
チームラウンドの時とかに議論するシートを作ったり、ね。

Keyとなるのは、Nsと薬剤師。
Key、、、というか、drをその気にさせる、、、必要があるけんね。
で、
中止とか、続行とか、変更とか、経口とか、予定投与期間とか、
ラウンドの内容から変更すんだって。

ただ、、、 time-out は、stewardship teamからすると、不十分な変更のこともあるので、Feedbackを長期的に行う。



“What duration of antibiotic therapy is needed for this patient’s diagnosis?”
この患者への抗生剤の投与期間はその程度になるか?

歴史的には、投与期間には、科学的な証拠がない。結果、長期投与になりやすい。

最近では、数多く、短期間抗生剤を支持するものが多い。
市中肺炎、VAP、腹腔感染、尿路感染、蜂窩織炎、グラム陰性感染、などで、データが出ておる。
ま、、、これらで抗生剤処方の半数以上は占めるんですが、、、、ね。

ってことで、、、
不明ながらも、昔よりは短期間の抗生剤期間が推奨されている。
ただ、臨床症状と合わせてみていく必要がある。


以上。
4カ条を守っていきましょうって。