心臓手術関連。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

ICMの6月がやっと出た。
その前に、
細かい奴を放出〜。






Early fibrinogen concentrate therapy for major haemorrhage in trauma (E-FIT 1): results from a UK multi-centre, randomised, double blind, placebo-controlled pilot trial


外傷出血患者に、
フィブリノーゲン濃縮製剤(クライオではなく、日本でもある粉のやつ)を、
受診後45分以内に投与する試み。
Fbg 2g以上を目指す。
RCTで、
6g(良いDoseですな)のFbg製剤
プラセボ
の比較。

27名 が 39 名中 (69%)、割り当ての製剤を、45分以内に投与できた。

fibrinogen levels ≥ 2 g/L となる割合は、傾向のみ、製剤投与群で高いのみ (p = 0.10).

製剤投与で、Fbg値は、
平均 0.9 g/L (SD, 0.5)上昇。
一方、プラセボ群では、
平均 0.2 g/L (SD, 0.5) 減少した。
値としては2時間後有意に異なった。 (p < 0.0001)

7日目には、fbg値に差はなかった。
輸血量、血栓イベント、共に差はなし。

28日死亡は、全体で35.5%。
両郡で差はなかった。

マジかあ。。。
理論的には、最も効果的であろうと、個人的に考えているFbg濃縮製剤。。。
ただ、これまで結果はあまり芳しくないなあ。
結構早めに投与できてて、割と良い量が投与されてるのになあ。。。
うーん、、、
止血、と言うものは、根が深いっすなぁ。




Correlating Oxygen Delivery During Cardiopulmonary Bypass With the Neurologic Injury Biomarker Ubiquitin C-Terminal Hydrolase L1 (UCH-L1)

なんか斬新。
脳障害のバイオマーカーと、人工心肺でのDO2の関連を調べてみたんだって。
ベース、6、24時間後に測定。
すると、40, 232, 166 pg/mLと、変動。
で、
6時間後にバイオマーカーが高いのは、
DO2 225以下 (p = 0.001),
24時間後にバイオマーカーが高いのは、
DO2 300以下、だって。

43名中、3名にStrokeが診断されたが、
24時間後バイオマーカーは、
Stroke患者で、傾向として高かったと。
(585 v 151 pg/mL, p = 0.11).

へー、ダネ。
発想として面白い。
ま、、、人工心肺以外の因子が、、、、いっぱい関わってるのは無視、だけど。
それでも面白い。
バイオマーカーはね、確実なものはまだ少ないが、コレが確立されりゃ、Outcomeをバイオマーカーにできるけんね。
それが一番楽やねんな。
ま、いろいろ、面白い。



Nitric Oxide Decreases Acute Kidney Injury and Stage 3 Chronic Kidney Disease after Cardiac Surgery

コレも斬新。。。
心臓手術後AKIってな、そう言うなができるくらいメジャー。が、予防も治療もまだ微妙。
で。。。
複数弁患者(人工心肺も長い)を対象に、NOが、AKIを予防できるか、と言うデザイン。斬新っしょ。

244 Patients。
NO群と、ニトロ(Control)群。

人工心肺中に、ガス交換機から投与され、開始。その後、24時間、吸入で投与される。
で、
NOにより、
ferrous plasma oxyhemoglobin が、酸化され、
ferric methemoglobin に変換することは、
術後AKI減少と関連していた。
64% (control group) 🆚 50% (nitric oxide)
(RR, 95% CI; 0.78, 0.62–0.97;P=0.014).

90日後、
stage 3 chronic kidney disease も減った。
33% (controls)、 21% (treatment )
RR, 95%CI; 0.64, 0.41 – 0.99;P=0.024

1年でも同様。
31% 🆚 18%
RR, 95% CI; 0.59, 0.36 – 0.96;P=0.017

NOは、
30日腎臓Outcomeを減らした。
(RR, 95% CI; 0.40, 0.18 – 0.92;P=0.016,

90-daysも減らした。
(RR, 95% CI; 0.40, 0.17 – 0.92;P=0.015

1-yearも減らした。
(RR, 95% CI; 0.47, 0.20–1.10;P=0.041).

マジか⁈
NOで、AKIを減らす⁈
むう。。。。
デカイ報告が出ればNOが広がるChanceかも⁈




Comparison of the survival between coronary artery bypass graft surgery versus percutaneous coronary intervention in patients with poor left ventricular function (ejection fraction <30%): a propensity-matched analysis

よく言われますが、
LowEF(30%以下)では、
PCIより、CABGのが予後がいいです。
今回は、5年、、、、の後の報告で8年目。
長期成績は、CABGに軍配。
ま、、、、
それでも選ぶのは患者自身、、、、
であれば良いけど、、、、
選ぶのが、、、、循環器内科な事が多いんすよね。。