CCM5月。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

はや、、、、5月ですって。。。



Systematic Review and Meta-Analysis of Procalcitonin-Guidance Versus Usual Care for Antimicrobial Management in Critically Ill Patients: Focus on Subgroups Based on Antibiotic Initiation, Cessation, or Mixed Strategies*

Objective:
プロカルシトニン、の話。
コレをガイドとして、抗生剤を、ってStudyは多い。
抗生剤の時期は、開始、中止、両方、と3種類ある。
meta-analyses では、どうなんでしょうかね⁈
それを抗生剤時期ごとに見ましょう、的な。

Data Synthesis:
15 studies。
で、
短期死亡に対する影響は、、、
開始時 RR 1.00 (95% CI, 0.86–1.15,; p = 0.91),
中断時 RR 0.87 (95% CI, 0.77–0.98; p = 0.02),
両方で RR 1.01 (95% CI, 0.80–1.29; p = 0.93),
中断時でだけ、いい影響あり。

抗生剤投与期間は、
中断時と、両方で、で、短縮。
中断時 (–1.26 d [ p < 0.001]
両方 –3.10 d [ p =0.04],

Conclusion:
全部合わせると、プロカルシトニンに、なんの効果もないが、、、、
中断の参考に使用したものだけで見ると、短期死亡を改善する可能性がある。
投与期間も短くなる。

、、、、
プロカルシトニン、、、、
好きな人は大好き。
抗生剤投与期間が減るだけでも、まあ、ありがたいっちゃ、有難い。
で、、、、本当に短期死亡も減るならありがたいと思う。
が、、、、、
プロカルシトニンを本当に、正しく使えているStudyは、、、、いくつあるのか?
なんて揶揄されることもあるくらい、、、、
ちゃんと使ってる?、って気もしますが。。。
ねえ?
ま、、、、民間のしがない医者にはどっちにしろ関係はないんだが。。。


〜〜CCM ホムペおかしくなってる、、、。
しばし中断。プロカルシトニンによる中断では無いけど〜〜。


復活のようです。

Efficacy and Safety of Procalcitonin Guidance in Patients With Suspected or Confirmed Sepsis: A Systematic Review and Meta-Analysis*

コレも、プロカルシトニン。
Sepsisにじゃ、抗生剤をASAPで使うのが大事。
でも、長ーく使いすぎて、よくない事も起きる。耐性菌は、その際たるものだね。
プロカルシトニンは、いつ、抗生剤を中止すべきか、という疑問に答えてくれる可能性がある、とされている。
Sepsis患者への効果と安全性を評価。

効果と安全性は、
抗生剤期間、死亡、Icu滞在期間、とした。
で、
10RCT、3,489 patients。

で、
プロカルシトニンによるガイドで、
抗生剤投与期間が短くなった。
(7.35 vs. 8.85 d; difference, –1.49 d; 95% CI, –2.27 to –0.71; p < 0.001).

死亡には影響無かった。
(RR, 0.90; 95% CI, 0.79–1.03; p = 0.114)

Icu滞在期間も変わらんかった。
(11.09 d vs. 11.91 d; difference, –0.84 d; 95% CI, –2.52 to 0.84; p = 0.329).

って事でね、
抗生剤投与期間は、減りそうだ、、、、と。
ああ、BISモニターで、麻酔薬の量が減りそうだ、
みたいなのに似てるねえ。
プロカルシトニンの場合、予後が良くなる、、、っていうのをなんとかつけたいとこだろーが。
前のと合わせると、中段にだけ使えば、、、ってなる?
それとも、、、ねえ。
RCT10個、そのProtocolがどれだけ違うかも見てないけど。
実臨床で、使い切れる自信が、、、ありますか⁈


Sepsis-Associated Coagulopathy Severity Predicts Hospital Mortality*

『sepsis-associated coagulopathy』と、死亡の関連だって。
レトロ。
6148名。

『Mild 』sepsis-associated coagulopathyは、INR 1.2〜1.4かつ、Plt 10万〜15万。

『moderate 』sepsis-associated coagulopathy は、
InR 1.4〜1.6、若しくは、Plt 8万〜10万。

『severe 』sepsis-associated coagulopathyは、
INR 1.6以上、かつ、Plt8万以下。

院内死亡は、、、、
凝固障害無し 25.4%
Severe 障害 56.1%と、
段階的に悪化した。
また、
入院期間、Icu期間も同様だった。

多変量解析では、
凝固障害の有無、凝固障害の程度、両者ともに、全てのOutcomeの独立リスクだった。

死亡は、
凝固障害の有無で、
OR 1.33 to 2.14 で上昇。
凝固障害の程度で、
OR 1.18 to 1.51 で上昇。

凝固障害も、立派な臓器障害の一つやけんね。
当然ったい。
心臓手術後も、似た雰囲気はあるよねー。
Plt低いとStrokeリスクとかいうのもあったしねー。
ではどうするか、、、、
とおったとこでもで、、、
AT3、ヘパリン、そして期待してたASAなどダメで、、、
TMとか、その辺もねえ、過度の期待はしてないし、、、
どうして来ましょかね、この後⁈



The Randomized Educational Acute Respiratory Distress Syndrome Diagnosis Study: A Trial to Improve the Radiographic Diagnosis of Acute Respiratory Distress Syndrome*

ARDSのXp所見。。。。
評判通り?
正解率と言うか一致率というか、かなり低い。
半分ちょいだと。
で、トレーニングというか教育をしても、
大した改善は得られんかったと。
むう。。。
予後、、とか、治療とか、、、の前にね、、、
診断のトコでもうコレだからね。
30年?だっけ?
それで、、、ネエ。
道は険しいですなぁ。


The Association Between Acute Respiratory Distress Syndrome Hospital Case Volume and Mortality in a U.S. Cohort, 2002–2011*

ARDSの予後は、
いっぱいARDSを見てる病院のが低い。
個人個人で見ても、いっぱいARDS見てる病院のDr一人のが、低い病院のDr一人より、死亡が少ない。
正に、集約化。
当然ですなぁ。
日本は集約化せんからなあ。。。。
オペとかもね、本当は集約化せなあかんのだけど、、、、。
日本は、商売の要素がデカイけんねえ。。。


ECMOの話は、飛ばそ。。。



Is Heparin-Binding Protein Inhibition a Mechanism of Albumin’s Efficacy in Human Septic Shock?

唯一、、、
Sepsisにのみ、Alb製剤は有効な可能性がある。

Objectives:
Albが、『heparin-binding protein』 が増加する事による、血管内皮細胞透過性亢進、腎臓細胞の炎症、などを抑制出来るか?
また、
『 plasma heparin-binding protein』: 『albumin 』比、
が、AKi、輸液バランス、サイトカイン量、などに関連するか、
といったことを調べる。。。。
アツイStuduやね‼︎

Design:
vitro のStudy、、、か。
血管内皮細胞、腎臓細胞 を、septic shock患者で評価。

Settings:
(Vasopressin and Septic Shock Trial).

Patients:
Adult septic shock (ノルアド 5 μg/min以上を6時間).

Interventions:
vitroの段階で、、、
『heparin-binding protein (or thrombin) 』が、
Alb有り無し、と共に、
1) 内皮細胞単層。透過性測定。
2) 腎尿細管表皮細胞。炎症測定。
へ、投与される。

Measurements and Main Results:
経内皮細胞電気抵抗(透過性の指標)は、
voltohmmeter、ってので測定された。

『plasma heparin-binding protein』: 『albumin』比、
とサイトカイン量も測定される。 ( n = 330)
AKiと比較される。

で。。。
Albumin は、
『heparin-binding protein』 (and thrombin-induced) による、
血管透過性亢進を、軽減した。
その濃度は、20–30 g/L、だった。
だが、
腎臓での
IL6放出は増加させた。

Akiを発症、増悪させる患者では、
『 heparin-binding protein』 : 『albumin 』比が、高かった。
比だと、
(1.6 vs 0.89; p < 0.001)
『 heparin-binding protein』量だと、
(38.2 vs 20.8 ng/mL; p < 0.001)

ってなことで、
『 Heparin-binding protein』
『heparin-binding protein-to-albumin ratio』
は、透過性、Aki、そして輸液バランス、
そしてそして、サイトカイン量に、関連あると。

Conclusions:
むう。
Albが有効かもしれない機序の一つの説明。
でも、量が難しいよねー。
血中濃度、、、、ではなくて、特殊なもんを測定せにゃならんけん。
臨床的にじゃあ、どうすりゃええんや?
ってとこにね、持ってかニャアならんけん。
待ちましょ。期待は、、、したいっすな。
ま、まだまだコレからですが。。。
Sepsis、、、だけですよ⁈



Equilibration Time Required for Respiratory System Compliance and Oxygenation Response Following Changes in Positive End-Expiratory Pressure in Mechanically Ventilated Children

豆知識として、、、
Peep変更後、
酸素化とか、コンプライアンスの変化は、
子供、、、だけど、大人も一緒?でしょ、と思って、
38〜71分とかで安定すんだって。
だから、、、って言われても、、、だけど、
知っとくってな大事。


Prognostic Value of Secretoneurin in Patients With Severe Sepsis and Septic Shock: Data From the Albumin Italian Outcome Sepsis Study

Objectives:
『Secretoneurin』、ってな、
心筋でのCa調整に関係してる物質だとさ。
コレと、予後。

Design:
Multicenter, interventional randomized clinical trial.

Setting:
20%Albと外液🆚外液のみ、のStudy。
(The Albumin Italian Outcome Sepsis).

Patients or Subjects:
540 patients のseptic shock
418 patients の severe sepsis.

Measurements and Main Results:
『secretoneurin』は、 1, 2, 7 日目に測定。

1日目 『secretoneurin』が高い事は、
年齢、Lac値、Bil値、Cr、BNP、と関連した。
で、、、
色々調整後、、、
Icu死亡
OR, 2.27 [95% CI, 1.05–4.93]; p = 0.04
90-day 死亡
OR 2.04 [1.02–4.10]; p = 0.04
で、
Septic Shock患者の予後と関連していた。
ただ、
Severe Sepsisでは、関連がなかった。

2日目の 『Secretoneurin』は、
ICU 死亡
OR 3.11 [1.34–7.20]; p = 0.008)
90-day死亡
OR 2.69 [1.26–5.78]; p = 0.01)
で、関連していた。

また、
Albの投与は、
『secretoneurin 』にも、outcomesにも、、、
影響しなかった。

ふうむ。
色々、指標となるべきものも、調べられてますな。
Albは、、、、残念ですが。。。?



Vasopressors During Cardiopulmonary Resuscitation. A Network Meta-Analysis of Randomized Trials

CPRの話。
最近じゃ、アドレナリンは、自己リズムは復帰させるけど、神経予後は悪化させる、なんて言われもします。代わりがあるならいいんだが。。

28Study、 14,848 patients に、
12 treatment groups が行われてた。

唯一、、、、
adrenaline, vasopressin, methylprednisolone 、の併用だけが、
自己リズム、神経予後改善、を報告。
確か、、、
Chestだったかな、数年前の。
ただねえ、、、コレもどうかとは思うが、、、
他に頼るものもないわけで。。。

うん、
以上でおしまい。