心臓手術の話。 | 犬好き麻酔科医ブログ

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海外臨床留学麻酔Dog、カブリオレのお送りする、
最新論文から、医療の未来像まで。
日々精進。

今週の
JAMAは、肥満特集。
手術する?するなら腹腔鏡?
みたいなのが、ズラッと。。。。
ごめんなさい、、、
全く、興味ないっすわ。。。。
って事で、興味ある人は、JAMAへ、Go、しちゃいなよ‼︎

で、
NEJMも、めぼしいものないかな。
アルコールとじゃ、高血圧とか。。

なんでまあ、
適当に、行きましょう。




High-Target vs Low-Target Blood Pressure Management During Cardiopulmonary Bypass to Prevent Cerebral Injury in Cardiac Surgery Patients - A Randomized Controlled Trial


Background
人工心肺の事を、Strokeマシーンなんて、揶揄する人もいますが。。。
それだけ、Stroke起こしやすいってな事実でありんす。
頻度は、1ー2%。
(ま、うちみたいな手術ばっかやってる施設だと、5ー10%くらいいってるかも。。。)
ただ、
Silent Strokeと呼ばれる、MRIでわかるようなStrokeは、
50%にも及ぶ、という報告もある。
で、
人工心肺中の還流圧が、発生に関連するかはよくわかっていない。

Methods
人工心肺中の還流圧を
higher (70-80 mmHg)
lower (40-50 mmHg)
に分けて評価するRCT。
ノルアドで調整する。

Pump flow は、固定で2.4 L/min/m2。
primary outcome は、新規の虚血領域の量。
これは術前と術後3ー6日のMRIで比較して、虚血領域の差。

Results
197 patients。
Low群 で、 mean (SD) age 65.0 (10.7) (n=99)
High群で、 69.4 (8.9) (n=98)

背景に 有意な差はなし。
で、
新規の硬塞が見つかったのは、
Low 52.8%
High 55.7%
(p = 0.76).
で、有意差が無かった。。。

primary outcomeは、
Low 25 mm3 (interquartile range [IQR], 0-118; range 0-25261)
High 29 mm3 (IQR 0-143; range 0-22116)
(median difference estimate, 0 (95% confidence interval [95% CI] -25 - 0.028); P=0.99),
で、全く差はない。

新規層の数も、差がない。
(1 (IQR 0-2; range 0-24) vs 1 (IQR 0-2; range 0-29) 。
median difference estimate, 0 (95% CI 0 - 0); P=0.71

それ以外の副作用にも、差は無かった。

Conclusions
て事ですわ。
人工心肺中の還流圧はね、高くとも低くとも、
Strokeイベント、どころか、MRIで見る、隠れStrokeも、
全く差がないですって。

いっそ、次は、還流圧🆚INVOS、
って戦いを所望します。
実際、小児心臓では、Flow、そして、INVOSをメインとし、
還流圧は、あんまり気にしない、ってのも多いと思うしね。
さて、
どこに、たどり着くかね。



Exercise Hemodynamic and Functional Capacity After Mitral Valve Replacement in Patients With Ischemic Mitral Regurgitation
A Comparison of Mechanical Versus Biological Prostheses


Background
虚血性MR。
多くの患者、そして医者を苦しめる病態っすな。
MVR自体をするか、ってのも異論がありますが。
するとしたら、生体🆚機械、どっちの弁がいいの?

で、比較するのは、
運動時血行動態と、機能的許容量。

Methods and Results
86 patients。虚血性MR。
CABGと共に、
生体弁MVR 41名。
機械弁MVR 45名。
のどっちかが行われた。

術前、安静時エコー、6分歩行テスト、がされる。
Follow時には、運動ストレスエコーと、6分歩行テストがされる。

安静時、運動時の 開口面積は、
機械弁のが大きかった。
機械弁🆚生体弁
(resting: 1.30±0.2 versus 1.19±0.3 cm2/m2; P=0.03;
exercise: 1.57±0.2 versus 1.18±0.3 cm2/m2; P=0.0001).

機械弁では、運動時のPA圧上昇が低かった。
(41±5 versus 59±7 mm Hg; P=0.0001).

6分歩行テスト距離は、機械弁で改善。
(pre-operative: 242±43, post-operative: 290±50 m; P=0.001),
生体弁では、変化なし。
(pre-operative: 250±40, post-operative: 220±44 m; P=0.13).
だった。
、、、、悪くなっとるやん。。。

多変量解析で、
弁の種類、運動時弁面積、運動時PA圧、が、
6分歩行テストの成績に関連した。

Conclusions
むむ〜〜。
ま、、、、小規模ですがね。
MVRすんなら、機械弁がいいぜ、ってデータ。
むう、
これで、
薬物、MVP、MVR生体弁、MVR機械弁、
の4者の対決やね。
まあ、
薬物は、、、、アレだし。
MVPもね、、、、
どっちかといえばMVRのが、良さそうな成績だったし、
であれば、
機械弁によるMVR、、、の時代なのか?
ま、、、
結論はづっと後に出るけん。今は待ちましょ。