佐賀城下の商家散策第2弾。
城址の北東に残る旧商家町を巡ります。
町を散策していると、突如、住宅街に重厚な町家建築が現れます。
野中烏犀圓
(国登録有形文化財)
*読みは"ノナカウサイエン"
寛永3年(1626)創業の生薬製造販売店。
徳川家も愛飲したという滋養強壮薬、烏犀圓の製造販売特権を藩から与えられ、今も造り続けています。
重厚な主屋は寛政8年(1796)の築造。
続いて、
城址東、松原神社の鳥居前に残る町並みへ。
深川製磁 佐賀店
明治27年(1894)創業、宮内庁御用達の有田焼の老舗。
本店は有田にあり、その佐賀支店です。
(他にも博多、赤坂、六本木にあり)
深川製磁 本店
*2016年漫遊時の写真(佐賀県有田)
ギャザー倉庫(旧佐賀銀行呉服町支店)
大正14年(1925)築造の銀行建築。
現在は服飾メーカーの倉庫の模様。
ここでお昼タイムです。
一休軒 呉服元町店
昭和30年(1955)創業で、平成23年(2011)に閉店してしまった佐賀県最古のラーメン店、一休軒本店。
その翌年、味と屋号を継承して開業しました。
特製ラーメン
サラッとしていながら豚骨の深みがあるスープ、やわい細麺と生卵が佐賀スタイル。
次世代に受け継いで欲しい佐賀の味。
*2011年漫遊時の写真
跡地は駐車場やマンション建築予定地に…
*2011年漫遊時の写真
閉業の1ヶ月前に頂けた事に感謝。
(ラーメンの神様、ありがとう)
お腹と心を満たして散策再開です。
城址北東に残る商家町へ。
柳町
大正末期まで佐賀経済の中心だった柳町。
通りに残る歴史的建造物群を、佐賀市歴史民俗館と総称しています。
旧古賀銀行
(佐賀市指定重要文化財)
両替商、古賀善平が明治18年(1885)に創設した銀行で、九州五大銀行にも数えられました。
この旧社屋は明治39年(1908)の築造。
設計は佐賀の建築界の重鎮、舟木馬右馬之助。
昭和8年(1933)の閉業後は商業会議所等に転用され、現在はカフェとして営業中。
旧三省銀行
(佐賀市指定重要文化財)
明治15年(1882)、銀行類似業務を行う三省社として佐賀藩士が開業、後に銀行となりますが、明治26年(1893)に廃業しました。
旧牛島家
(佐賀市指定重要文化財)
江戸時代、高楊伊代助が問屋業を営み、その後に油商となった町家建築。
佐賀城下最古の町家建築と伝わります。
明治23年(1890)の銅版画集に描かれた、高楊伊代助の店舗。
戦後、牛島家の所有となり、平成期に解体・移築復元されました。
長崎街道に面し、人・物・金が行き交いした柳町。
佐賀の栄華を体感する散策でした。
(町一番の見所、旧古賀家は次回に)
ところで、
佐賀は恵比須像の町。
市街に800〜1000体の恵比須像があるそうです。
藩主・鍋島勝茂が恵比須様の総本社・西宮神社(兵庫)への崇敬が厚かった事に由来するとか。
双体恵比須
元禄3年(1690)建立、市街最古の恵比須像。
お雛様の様に並んで刻まれ、一体は杓子、もう一体は扇を持っています。
なかよし恵比須
寛政3年(1791)建立。
片方の恵比須様がもう片方に手を添えている、仲睦まじい姿。
頭巾恵比須
頭巾風の烏帽子姿の恵比須像。
以上、
散策で見掛けた恵比寿像抜粋でした。
ご当地マンホール
佐賀のシンボル・ムツゴロウのデザイン。
次回、
佐賀の豪商の館の記事を送ります。
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