佐賀城下の商家散策第1弾。
大隈重信記念館から北へ徒歩10分程。
黒漆喰の塀に囲まれたお屋敷があります。
◆旧福田家◆
(佐賀市指定重要文化財)
*見学無料
ここはかつての武家町、松原。
その地に、佐賀を代表する実業家だった、福田慶四郎の旧居が残されています。
重厚な主屋は大正7年(1918)の築造。
福田慶四郎は明治末期〜昭和初期に活躍した実業家で、鉄道や水産、紡績業に至るまで、様々な事業を展開し、銀行の頭取や市議会議長も務めました。
式台から中へお邪魔します。
玄関には"佐賀錦"の看板。
佐賀錦とは、金・銀・漆を貼った和紙を細かく裁断した糸で織られる、佐賀の伝統工芸。
旧福田家は佐賀錦の振興拠点にもなっています。
脇の洋風応接間にはステンドグラス。
天井には、メダリオン装飾と大正浪漫な照明。
佐賀錦を使った小物が展示されています。
洋間向かいの数寄屋造風の部屋には、今年の干支、龍の土鈴たち。
昔の大金持ちの証、室内電話ボックス。
棟に囲まれた風流な中庭。
庭越しに見る洋間のステンドグラスも良い。
モダンな欄間デザインで魅せます。
欄間装飾と電球の組み合わせが小粋。
浴室の唐傘天井も、中央に花弁の装飾があって、細部への拘りが粋です。
ランプも素敵です。
数寄屋ワールドな空間に萌える。
やはり、数寄屋造には竹ですね。
床の間の瓢箪?装飾も面白い。
広間は佐賀錦の展示室になっていました。
続いて、2階へ。
蒲鉾風に角が丸まった階段。
この辺りのデザインもモダンですね。
さり気なく置かれたテーブルの足の造りが地味に凝っている。
2階は全面格子窓な造り。
抜群の開放感。
当時、前庭を眺めて、四季の移ろいを味わっていたのでしょうね。
2階な欄間もモダン。
坪庭を望む。
家主の福田慶四郎の没後は、議員会館として活用されてきた旧宅。
今も往時のままの姿を保ち、伝統工芸の振興拠点としても活用されている名建築。
かつての家主も天国でご満悦でしょうね。
次回、商家町の記事を送ります。