数日空きましたが、
佐渡漫遊の続きです。
4日目の最終日は船と新幹線の時間がある為、夕方には佐渡を発たねばなりません。
まず向かったのは佐渡の比叡山。
(宿からタクシーで10分程)
◆小比叡山 蓮華峰寺◆
門前にそびえる"子授けケヤキ"はうろから他の草木が生えていて、まさに子沢山といった風情。
佐渡が京都の鬼門になる事から、空海が800年頃に開山した寺院と伝わります。
佐渡のアジサイ寺としても有名で、夏には7,000株もの紫陽花が咲き誇ります。
門には三つ葉葵の家紋が掲げられています。
江戸時代には徳川家の廟所でした。
門の先に続く下り参道。
いざ、境内へ。
鐘楼堂を見上げつつ下ります。
仁王門
(国登録有形文化財)
木彫りの荒々しい勇姿。
金堂
(国登録有形文化財)
御本尊の聖観音が祀られています。
1400年頃の建立と推測されています。
ところで、
蓮華峰寺の山号"小比叡山"については諸説あるそうです。
京都御所から見て、京都の鎮護、比叡山と一直線上にある事からそう呼ばれたという説。
また、
真言宗(開祖 空海)から天台宗(開祖 最澄)に改宗した時期があり、その際に山号を小比叡山に改めたという説。
(比叡山延暦寺は最澄が開山した天台宗の寺院)
"蓮華"は天台宗っぽく(妙法蓮華経)、"峰寺"は真言宗っぽい(金剛峰寺)…
時代の流れの中で様々な想いが交差していたのかもですね。
金堂の横に鎮座する神社。
小比叡神社
(御祭神:大己貴命・白山姫命・菅原道真公)
(国指定重要文化財)
鄙びた拝殿も最高の雰囲気。
ブロ友のピンク猫さんの記事を見てから、ずっとお参りしたかったお社。
まさに夢が叶ったひと時。
の三柱が祀られています。
大己貴命は比叡山の日吉大社(西本宮)から勧請されたそうです。
(何故か、西本宮の大山咋神は祀られていません)
明治時代の神仏分離までは蓮華峰寺の鎮守社でした。
拝殿からの風景。
金堂脇に連なる石碑の中に快慶の供養塔があります。
"小比叡騒動"で斬首された住職です。
<小比叡騒動>
佐渡奉行所に横行していた不正を正そうとした
役人・辻藤左衛門が仲間や上役に疎まれ
嫌がらせを受け、孤立していきます。
更に、江戸幕府への告発状を知人に託すも、
船が嵐で沈没し、浜に流れ着いた告発状が
奉行所の手に渡る事となり、辻藤左衛門は
切腹を命じられます。
そして、
辻藤左衛門が旧知の快慶を蓮華峰寺に訪ねると、
奉行所はこれを謀反とし、武力行使に出ます。
快慶ら僧侶も辻藤左衛門やその家来と共に籠城し
応戦しますが、最後は焼き討ちに合い自害し、
快慶ら僧侶は捉えられ斬首されてしまいます。
いつの時代も繰り返される構図ですね…
かつて戦火にまみれた境内も今では、鳥のさえずりと草木が風に揺れる音だけが響いています。
金堂前の石段を下りて行きます。
続く