8/末、ふらりと日帰り群馬漫遊。

 

まず訪れたのは「分福茶釜伝説」の舞台となった茂林寺。

 

8年振りのお参りになりました。

 

思えば…

 

初めての一人旅は2008年11月の平泉でしたが、この茂林寺には同年2月に日帰りで訪れていて、いわば、我が漫遊の序章の地。

 

東武伊勢崎線の茂林寺前駅では、狸の親子がお出迎え。

 

 

駅から「分福茶釜絵本案内板」に従い、街道を進めば、10分程で門前に着きます。

 

 

参道には狸の置物を売るお土産屋さんが並んでいます。

 

◆茂林寺◆

総門

 

黒門とも呼ばれ、1468年建立と伝わります。

 

そして、

 

総門をくぐった先は…It's a 狸 world.

 

 

仏像や灯籠に代わり、21体の狸像がずらりと並んでいます。

 

狸たちが季節ごとの装いで、参拝客を楽しませてくれます。

 

 

8月はフラでした。

 

 

カラフルに着飾った、愛嬌いっぱいのフラ狸さん達。

 

 

酔いどれフラ狸。

 

 

8年前の2月はお雛さんでした。

 

 

狸の参道も魅惑的ですが、何よりも目を引いて止まないのは、1694年建立の山門。

 

山門

 

通称、赤門。

 

 

その渋味のある風合いに、見事な茅葺屋根。

 

昔話の世界観そのままという風情。

 

その傍らには巨大な狸立像。

(東武電鉄寄進のようです)

 

 

像にも増して、ぶら下げているモノが…

 

境内の木々も見事です。

 

 

藤棚に、桜のトンネルに、館林市指定保存樹木のシダレザクラ。

 

 

春が楽しみですね。

 

 

桜のトンネルの先には巨大な御本堂。

 

御本堂

 

青龍山茂林寺。

 

大林正通禅師により開山された、曹洞宗の寺院です。

 

大林正通禅師は諸国行脚の後、伊香保山麓で守鶴和尚と出会い、守鶴和尚と共に館林の地に入り、1426年に庵を結びます。

 

 

その後、1468年にお堂が建てられ、青龍山茂林寺と号します。

 

御本尊は釈迦牟尼仏。

 

 

現在の御本堂は1727年に改築されたもの。

 

花頭窓が連なる壁面。

 

 

守鶴堂

 

守鶴和尚を祀っています。

 

分福茶釜はこの守鶴和尚により茂林寺にもたらされました。

 

物語はご存知の通り…

 

守鶴和尚が道具屋から買った茶釜を法会で使ったところ、湯が尽きることがなく、福を呼ぶ茶釜と称えました。ところが、夜になり、和尚が茶釜を見ると、釜から狸の手足顔が出ていたので、驚き問い正したところ、かつて道具屋に助けられた狸が恩返しに茶釜に化けていたのでした…

 

という、動物の恩返し譚です。

 

ただ、

 

江戸時代に書かれた随筆「甲子夜話」の中の「茂林寺の釜」という話が元になっていると言われていて、その中では、守鶴和尚が文福茶釜だったという結末になっています。

 

雨に濡れる参道。

 

 

宝物館では、茂林寺に代々伝わる分福茶釜を拝観出来ます。

*拝観料¥300

 

時間の都合で拝観しませんでしたが、次回こそは。

 

こういう動物絡みの昔話や説話が大好きで、ゆかりの寺院の境内に佇んでいると、その伝承の世界観や雰囲気にどっぷり浸かってしまいます。

 

他にも山形県南陽市の珍蔵寺や、先日記事にした女化神社 とか…

 

 

駅前から門前まで12枚の案内板が立っていて、茂林寺に着くまでに「文福茶釜」の物語をコンプ出来ます。

 

ご当地マンホール①

 

文福茶釜と市の花、ヤマツツジ。

 

ご当地マンホール②

 

こちらは、館林市のゆるキャラ、"ぽんちゃん"です。

 

おまけ。

 

8年前に参道のお土産屋さんで買った、いや、連れて帰った狸さん。

 

 

その時、"お参りの度にお仲間が増えますよ"と、お店のおじさんに言われたっけ。

 

今回、お仲間を増やしたかったけれど、先に行く所もあるしで、また次回に。

(来春辺りにでも?)

 

狸の次は一の宮です。

 

続く右矢印