インフレ、過剰流動性相場が終わるときはどんな状況になるか
インフレ+過剰流動性相場が終わる局面には、だいたい共通した“景色”が現れます。順を追って整理します。
① 中央銀行が「本気で締めに来る」
終わりの号砲は、ほぼ例外なくここです。
👉 市場のキーワードは
「Pivot期待の後退」
これが起きると、流動性相場は一気に空気が変わります。
② 金利は下がらないのに、景気指標が鈍化
ここが一番イヤな局面。
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PMI、消費、住宅、設備投資がじわじわ悪化
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でもインフレは簡単に2%に戻らない
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実質金利がプラス圏で張り付く
👉 いわゆる
「スタグフレ気味」または「高金利・低成長」フェーズ
この時点で
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PERの高い成長株
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ストーリー先行銘柄
が耐えられなくなります。
③ クレジット市場が先に悲鳴を上げる
株より先に、債券・信用市場が壊れ始めます。
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ハイイールド債のスプレッド拡大
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銀行の貸出態度が急に厳しくなる
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不動産・中小企業・新興国にヒビ
👉 ここで重要なのは
「流動性があるようで、実はない」
という状態に変わること。
④ 株式市場は「指数は粘るが中身が死ぬ」
過剰流動性相場の終盤によくある形です。
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指数は大型株・ディフェンシブで持ちこたえる
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でも個別株の7〜8割は下落トレンド
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出来高が細り、「戻り売り」が増える
👉 投資家心理は
楽観 → 無関心 → 諦め
この「無関心ゾーン」が一番長い。
⑤ 最終的な終わり方は2パターン
パターンA:ハードランディング
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景気後退が明確化
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失業率上昇
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中央銀行が遅れて利下げ
👉 株は一度、**「理由のない投げ」**が出る
パターンB:ソフトクラッシュ
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インフレは下がるが成長は戻らない
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株は時間をかけて調整
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「何も起きないことが一番つらい」
👉 日本型に近い
⑥ 過剰流動性が終わると「何が評価されるか」
次に評価される軸はかなりはっきりします。
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キャッシュフローが今出ている
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価格転嫁力がある
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借金が少ない
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実需・インフラ・医療・エネルギー
逆に
「夢・期待・遠い将来の利益」
は厳しくなります。
ひとことで言うと
インフレ+過剰流動性相場の終わりは、
急落よりも「時間を奪われる相場」になりやすい
派手なクラッシュより、
じわじわ資金が抜けるのが一番キツい。
医療・バイオ(3Dマトリックス含む)はこの局面でどう振る舞うか
インフレ+過剰流動性が終わる局面での
**医療・バイオ(特に3Dマトリックス型)**の振る舞いは、かなり“二極化”します。
① 医療セクター全体の立ち位置(まず大枠)
この局面で医療は 「防御+選別」セクターになります。
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景気後退でも需要が消えない
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保険償還・診療報酬が売上の下支え
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物価上昇分を遅れてでも転嫁できる
👉 そのため
指数が荒れても、相対的には強い
ただし「何でも買われる」わけではない。
② バイオは一枚岩ではない(ここ重要)
❌ 弱くなるバイオ
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赤字が長期化
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資金調達前提(増資・ワラント)
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パイプラインが初期段階のみ
👉
金利が高い=時間の価値が高い
=将来利益型モデルが最も不利
⭕ 強くなる(生き残る)バイオ
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売上が立ち始めている
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医療現場で「使われている」
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ディスポ・消耗品モデル
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大手が販売・関与している
ここで
**3Dマトリックスは“例外枠”**に入ります。
③ 3Dマトリックスはなぜこの局面で相対的に強いか
① 「創薬バイオ」ではない
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承認リスクがすでに低い
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臨床失敗=ゼロではないが桁違いに小さい
👉
「研究テーマ」ではなく「医療ツール」
② 売上=医師の使用回数に直結
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ピュアスタットは
使われた分だけ売上が立つ
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在庫型ではなく、現場消費型
👉 インフレ期でも
キャッシュフローの見え方が良い
③ 高金利下で評価されやすいビジネスモデル
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設備投資が小さい
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原価率・粗利が改善しやすい
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借入依存が小さい
👉
「金利耐性」が医療バイオの中で高い
④ 住商ファーマの存在が効く局面
ここが今の局面では特に大きい。
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自社単独営業ではなく販売網を借りている
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キャッシュバーンが抑えられる
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信用補完として働く
👉
「資金調達不安が出にくい」
これは流動性が絞られる局面で致命的に効きます。
④ 株価の動き方はこうなる可能性が高い
フェーズ1:市場全体が荒れる
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連れ安は避けられない
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出来高が薄くなる
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「材料がないと動かない」
フェーズ2:個別業績が効き始める
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四半期ごとの
使用件数・施設導入数
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海外売上の立ち上がり
👉
**「決算ごとに評価される銘柄」**になる
フェーズ3:同業比較で再評価
⑤ 注意点(楽観しすぎないために)
3Dマトリックスにも弱点はあります。
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診療報酬改定のタイミング
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海外展開のスピード
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市場が「地味」だと見なすと評価が遅い
👉
派手なテーマ株にはならない
=短期資金は来にくい
まとめ(かなり大事)
過剰流動性が終わる局面で残るバイオは、
「研究」ではなく「現場」で勝っている企業
3Dマトリックスは
バイオの皮をかぶった医療消耗品メーカー
という見方が、この相場では一番しっくりきます。
3Dマトリックスが“化ける瞬間”は何がトリガーか
**3Dマトリックスが“本当に化ける瞬間”は、
材料が出た瞬間ではなく、市場の見方が一段変わる瞬間です。
トリガーは1つではなく、「重なったとき」に起きます。
結論を先に
「研究・期待株」→「医療インフラ銘柄」
と市場が認識を切り替えた瞬間
これが“化ける”正体です。
① 最大のトリガー:黒字転換が「構造的」と見えたとき
単月黒字・一時的黒字では足りません。
市場が反応する条件は👇
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四半期ベースで黒字が定着
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売上成長率 > 販管費増加率
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増資を想定しなくてよい財務
👉
「もう資金調達ストーリーじゃない」
この瞬間、評価軸がPERに移ります。
② 海外売上が“数字で”効き始めたとき
IRの言葉ではなく、PLで見えることが条件。
👉
市場の反応は
「国内小型」→「グローバル医療消耗品」
ここで初めて
時価総額の天井が外れる。
③ 「標準治療扱い」に近づいたとき(ここが一番強い)
派手さはないが、破壊力は最大。
具体例👇
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学会ガイドライン・推奨手技に明記
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大学病院・基幹病院でのルーティン使用
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若手医師が“最初からそれを使う”
👉
「代替されにくい」=参入障壁
この瞬間、
ディフェンシブ成長株になります。
④ 大手の関与が「深く」なったとき
提携だけでは弱い。見るべきは👇
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販売独占・地域独占の拡大
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共同開発・改良への踏み込み
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大手の決算説明資料に名前が出る
👉
**「オプション価値」**が乗る瞬間。
買収期待ではなく、評価の底上げ。
⑤ 市場側のトリガー(意外と重要)
会社要因だけでは足りない。
👉
このタイミングで
**「数少ない生存銘柄」**として浮上。
株価の動き方(リアル)
化ける時は、こんな動きになりやすい。
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出来高が増えないまま、じり高
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決算で一段上へ
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押し目が浅くなる
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気づいたら水準訂正
派手なストップ高は後から。
注意点(冷静に)
これだけでは化けません。
数字と現場がすべて。
まとめ(核心)
3Dマトリックスが化けるのは、
「期待が膨らんだとき」ではなく
「疑う理由が消えたとき」
黒字定着 × 海外 × 標準化
この3点が同時に見えた瞬間です。