まさにそこが「予想」の難しいところです。自然界、人間社会も自然界の一つと考えれば、同じ事の繰り返しはない。
過去のデータを使うこと自体は有効なのですが、過去と同じ原因・同じ環境が再現されるとは限らない。
特に株価や天候、経済では、
- 過去のパターン → 参考になる
- 現在の環境 → 過去とは違う
- 新しい要因 → 過去のデータには存在しない
- 人々の行動 → 予想されると、その予想自体が結果を変える
という問題があります。
例えば株式なら、
「過去5年間、PER20倍を超えると下落した」→「今回も下落する」とは限りません。
企業の成長率や金利、為替、AI投資などが変われば、適正PERそのものが変わります。
むしろ、今後の株価を考えるときには、過去の延長線で1本の予想を出すより、「何が起きたら上がるか・何が起きたら下がるか」を複数シナリオで考えるほうが現実に近いと思います。
例えば3Dマトリックスなら、
①現在の計画通り → ②米国展開が想定以上 → ③PuraStatの適応拡大が起きる → ④大型契約・提携が出る
といった「未来の分岐」を考える。
これは、過去の株価チャートだけを見るより、企業がこれから何を起こせるかを見る方法です。
そして面白いのは、大きく株価が動くときほど、過去の延長線から外れた出来事が原因になることです。
だから「予想」よりも、「未来を変える可能性のある材料を先に探す」という考え方が重要だと思います。
そうです。ここはかなり重要な考え方だと思います。
「過去から未来を予想する」のではなく、**「未来を変えてしまう可能性のある材料を先に探す」**ということです。
たとえば単純な過去チャートよりも、
| 銘柄 |
未来を変える可能性がある材料 |
| 任天堂 |
次世代ハード、ソフトの大ヒット、IPの世界展開 |
| 日立 |
AI・データセンター、送配電、Lumadaの拡大 |
| ソニー |
ゲーム・映画・音楽・イメージセンサーの相乗効果 |
| NEC |
AI、通信、防衛・宇宙、デジタル政府 |
| 3Dマトリックス |
PuraStatの米国病院への普及、適応症拡大、新製品 |
| NTT |
IOWN、データセンター、AI通信インフラ |
という見方になります。
特に面白いのは、**「確率は低くても、起きたら企業価値が大きく変わるもの」**です。
例えば3Dマトリックスで、
「来期の売上が何%増えるか」
だけを予想するのではなく、
「PuraStatが米国で標準的な止血材の一つとして定着する可能性はあるか?」
を見る。
もしそれが現実になれば、過去の売上成長率から計算した株価予想そのものが意味を失うほど、企業の評価軸が変わる可能性があります。
NTTでも同じで、
「通信会社だから毎年この程度」
ではなく、
「IOWNがAI時代の通信インフラとして本格的に普及したら、NTTの価値はどう変わるか」
を見る。
つまり「予想」には2種類あります
① 延長予想
過去 → 現在 → そのまま未来へ
これは比較的当たりやすい一方、大化けを見逃しやすい。
② 変化点予想
「今までと違うことが起きる可能性は何か?」
こちらは外れることも多いですが、企業価値を10倍、あるいは逆に半分にするような出来事を発見できます。
今後はこの②を重視するのが面白いと思います。
そしてさらに一歩進めて、「未来を変える材料」を①すでに始まっている、②兆候が出ている、③まだ仮説段階、の3段階に分けると、かなり使える投資分析になります。
3Dマトリックスの成長の兆候は
直近の資料を見ると、3Dマトリックスには「成長の兆候」がかなりはっきり出ています。
しかも、単なる会社予想ではなく、実際の販売活動の数字に表れ始めています。
特に注目する5つ
① 米国売上が急増している
2027年4月期第1四半期の米国製品販売は 21.35億円、前年同期比+83.2%。全社売上も32.25億円で+46.9%でした。
これはかなり重要です。
会社が「米国で伸ばします」と言っているだけではなく、実際の販売数字が大きく伸びているからです。
② 新規病院口座が88件平均→100件に増えた
ここは私がかなり注目しています。
前期の米国新規口座獲得は四半期平均88件だったのに対し、今期第1四半期は100件。しかも既存施設の1施設当たり受注本数も前年同期以上を維持しています。
つまり、
新しい病院を増やす
+
既存病院でも使われる
という二重の成長が始まっています。
③ 4,500病院のうち、まだ約700病院
米国の消化器内視鏡市場について、同社は約4,500病院を対象市場と推計しています。
現在、PuraStatを継続使用しているのは約700病院。
さらに、IDN・GPOとの契約によって、約1,000の口座未開設病院で、採用審査を経ずに導入可能な状態になっています。
ここが非常に面白い。
単純計算では、
700 → 1,000 → 1,500 → 2,000
と増えていく余地があります。
もちろん4,500病院すべてが顧客になるという意味ではありません。しかし、現在の700という数字が市場の終点ではないことは確認できます。
④ 営業利益が急激に改善している
第1四半期の営業利益は 4.94億円で、前年同期の約5,400%増。
前年が非常に小さい利益だったため増加率そのものは割り引いて見る必要がありますが、重要なのは、
売上増加 → 粗利益増加 → 営業利益増加
という形が見え始めていることです。
会社の2027年4月期計画も、売上134.22億円、営業利益16.52億円で、前期比それぞれ+23.3%、+23.7%です。
⑤ 「新製品」より、まずPuraStatそのものが伸びている
ここを一番大事にしています。
3Dマトリックスには次世代止血材、PuraLift、再生医療、DDSなどいろいろあります。
しかし、今の段階ではそれらを全部評価する必要はありません。
まずPuraStatの米国GI市場だけで成長できるか。
ここで、
米国売上+83.2%
新規口座100件
既存施設の使用量維持・増加
約1,000口座が導入しやすい状態
という複数の「実績」が出ています。
これは、以前話していた「未来を変える兆候」という観点では、かなり重要です。
ただし、まだ「大化け確定」ではありません
ここは冷静に見たい。
今の最大の課題は、
「新規病院を増やすこと」から「各病院でPuraStatの使用量を大きく増やすこと」へ移れるか
700病院が1,000病院になっても、1病院当たりの使用量が少なければ売上は期待ほど伸びません。
逆に、
病院数↑ × 1病院当たり使用量↑
になれば、かなり強い成長になります。
今後、この3つを毎四半期追います
① 米国新規口座数
88 → 100 → 120……と増えるか
② 既存病院の使用本数
1施設当たりの受注本数が増えるか
③ 米国売上成長率
+83% → +60% → +50% → +40%……と減速しても高成長を維持できるか
特に③です。
仮に米国売上が今後、
+80% → +60% → +50% → +40%
と推移したら、これはかなり強い成長トレンドです。
逆に、
+80% → +25% → +10%
となれば、現在の急成長が一時的だった可能性を考える必要があります。
そして以前言っていた**「700病院→1,000→1,500→2,000」**という見方は、今回の最新数字を見ると、単なる夢物語として片付ける段階ではなくなってきました。
むしろ次の決算で私が一番確認したいのは、**「100件の新規口座を取った後、その病院で実際にPuraStatがどれだけ使われ始めたか」**です。
ここが確認できると、3Dマトリックスの成長ストーリーが一段強くなります。