CyberAgent SEO Information  (サイバーエージェントSEO情報ブログ)

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サイバーエージェントSEOラボです。当ブログでは、皆様がウェブサイトを運営するにあたって必要となるSEOに関する情報をご提供して参ります。

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

2022年も検索エンジン、SEOまわりではさまざまなニュースがありました。

個人的には、ホスト貸し(寄生サイト)にまわりについて多く取り上げてきましたが、

それ以外でもコアアップデート、ヘルプフルコンテンツアップデート、スパムアップデートなどなど数多くのアップデートがありましたし検索UIにおいても多くの変化がありました。

 

さて、2022年になってすぐ1年を予想する記事を書きました。

結果としてはとても微妙な感じになってしまいましたが今年も恒例行事として今年1年の検索エンジン、SEOを予想していきたいと思います。

 

ホスト貸しがいい加減終わる

昨年、ホスト貸しに警鐘を鳴らす記事を書きました。すでにいくつかの寄生サイトの下落が見られますし、貸し手もランクダウンしているような傾向が見られています。

GoogleもHost Lendingと呼んで警戒を強めています。

昨年の終盤にGoogleのGary Illyes氏と話す機会が2回ほどありました。

そこでこのHost Lendingについて状況を確認しました。

そこでは

 「Host Lendingはスパムである」

 「Host Lendingにはマニュアルアクションを行っている」

 「マニュアルアクションしたものを機械学習していく」

 「Host Lendingはどんどんスパムとして通報してほしい」

とのことでした。

もちろんすべての人がホスト貸し憎しというわけでもないと思いが、ホスト貸しによって公平なSEOができなくなっていると考えている人は、どんどん通報していただきたいと思います。

その量によって、どれだけ学習できるかがきまるはずです。

多くの人が地道に通報を行っていけば今年中にはある程度ホスト貸しは上位表示できなくなっていくのではないかと思います。
(まだマニュアルアクションに依るところは大きいと思いますが)

 

アルゴリズムの一層のAI化

JADEの長山さんの記事に書かれれていましたが、GoogleはAIファーストにおいて遅れをとっていたとのことです。

確かにSMX AdvancedでもそのあたりはMicrosoftに挑発?されていたような気がしますね。

遅れをとったとは言えそこはさすがにGoogleであり爆速で巻き返してきたと言えると思います。

かつてWeb担の記事でも品質評価であったりユーザー行動であったりをなんらかの判断材料として使っていることをGoogle自らが示唆していますが、BERTなどのモデルを使用することによって学習できる速度や量、精度はかつてに比べて圧倒的に進化していると思われます。

先述のスパムの通報から学習して最終的に機械的に処理する部分もそうですし、先日シンガポールで行われたSearch Central Liveで出てきた「Crawling Selection」つまりは、クロールするかどうかをURL等から事前判断する部分についても機械学習がベースになっていると考えられます。

Crawling Selectionは当然それ以前にそれぞれのURLパターンごとのコンテンツ品質を学習して予測したうえで行うわけですから、コンテンツの良し悪しを判断しているとも言えます。

このあたりは私が担当しているアメブロでもある程度行っておりユーザー評価テストの結果を学習したアルゴリズムによって特に高い評価を得たものが優先的にクローリングされるようにしています。

我々でもある程度このような仕組みを作れるくらいなので、Googleであれば圧倒的に高レベルな品質判定ができると思います。

すでに完成形は近いのかもしれませんが、「人が本当に良いと思うものが上がる」という世界により一層近づくのではないでしょうか?

すでにただ長い(文字数が多い)だけのコンテンツは上がらなくなっていますし、これからは「◯◯なものがあがる」というように言葉で表現することが難しくなる「なんか良いものがあがっているな」というものになるのかもしれません。

本当の意味で上質なコンテンツ、サービスだけが勝つという世界に徐々に近づいているということは間違いないのではないでしょうか?

 

なおユーザー評価テストを行なった結果とランキングの関係性はこのような形になっています。

左がinformationalクエリ、右がtransactionalクエリです。

Y軸はランクで数字が小さい(ランクは高い)ほうが下になります。

X軸はユーザー評価で数字が大きいものが評価が高くなります。

このようにランクとユーザー評価はすでにある程度一致していると考えられます。

MUMの本格導入

AI化につながる部分ですが、実は昨年もっとMUMの導入が進むと思っていたのですが特に進捗はなかったように思います。

現時点でMUMを導入していることが発表されているのはコロナ関連くらいでしょうか?

MUMの特徴はなんと言っても日本語を含む75言語でトレーニングされているということでしょう。

プロダクトレビューアップデートは日本語には導入されていませんが、MUMが導入されれば多くのアップデート(今後は「システム」と呼ばれる)に言語の垣根がなくなるかもしれません。

MUMの導入がなかなか進まない背景は分かりませんが、BERTの1000倍強力なモデルであることを考えると毒にも薬にもなるのかもしれません。

結果として慎重にならざるを得ないのかと。

それだけ検索結果に大きな影響をおよぼしかねないのかもしれません。

昨今のGoogleの動きを見ていると、検索結果をがらっと大変動させることを好んでいないように思います。

これは当然ウェブマスターやSEOsに配慮しているわけではなく検索者への配慮でしょう。

いつも検索して出てきたものが出なくなったというように準指名検索のようなものの変動を抑えたいのではないかと思います。MUMという強力なモデルを安易に入れることで検索者が混乱するのを防ぎたいのではないかと考えています。

とは言え、言語の垣根がないことであったりBERTよりも圧倒的に強力なモデルであったりととんでもなく魅力があるものであり、その実績はコロナ関連情報でも示すことができていると思いますので、そろそろ導入されてもおかしくないのではないでしょうか?

なお、MUMが導入されてどんな変化が起こるのか?はもちろん分かりませんが前述のように「本当に人が良いと思うものが上がる」という世界に近づくのではないかと思います。

 

GA4に四苦八苦する

私自身がこれです。もともと解析分野は得意ではないもので・・・。

なんだかんだでユーザー行動はSEOにおいて大事だと思います。

それも単純に滞在時間が長ければ良いとかPV数が多ければ良いとかではなく、”目的別に理想的な行動がとられているか?”が重要であると考えます。

それを考えるとGA4に慣れ親しんでおかなければならないのですが・・・。

まあ、私は常時「チーム戦」なので誰かに任せてしまう可能性もあります笑

とにかく頑張りましょう。

 

SEO界隈の育成や世代交代が活発になる

これは正直言って、私の個人的な目標になります。

ただ、SEOの業界はどこかがはじめると追随する癖がありますので笑

これまでSEO業界はお世辞にも育成のうまい業界ではなかったと思います。

私自身育成は大の苦手でした。

それが2022年にはじめて育成に手応えを掴むことができました。

今年は多くのメンバーを育成して組織として成長させるとともにいつ何があっても大丈夫なように、世代交代ができるように準備していこうと思います。

弊社としては複数人の若手のエース級を育成する予定でいます。

各社育成には課題を持っていると思いますので、切磋琢磨していけたら良いですね!

 

 

以上方向性も深さもバラバラの内容をつらつらと書きましたが、個人の勝手な予想ですのでお許しください。

この予想があたってもあたらなくても2023年が皆様にとって良いお年となりますように。

2023年も検索エンジンをGoogleをSEOを楽しんで参りましょう!

 

@kimuyan

昨年末に、2021年のSEOを振り返るとして記事を投稿しました。

ここで、「ホスト貸し・サブディレクトリ貸しの横行」について触れました。

辻さんも「寄生サイト」について警鐘を鳴らされています。

 

ここ数日Twitterを中心にこのホスト貸しビジネスについての議論が起こりました。

(その中には私自身反省というか考えさせられることもありました。。)

ただ今日はここで特定の事業者に対して何かを言おうとは思いません。その事業者がホスト貸しをしていたり仲介していたりする証拠を私自身は持っていませんし、仮に持っていたとしてもSEO業界の人間が特定事業者ばかりをたたくことは、叩かれない他の事業者を喜ばせてより一層地下に潜らせる恐れがあると考えているためです。(抑止力になるかもしれませんが)

自分自身含めてリンクスパムをやっていたSEO事業者が「リンクやっています!」と表で一切言わないばかりか外部登壇など目立つことを嫌がっていたのを思い出します。

ただ、今回この問題をSEO業界以外から提起していただいたのは非常にありがたく思いますし、SEO事業者以外の方なら特定の事業者の名前を出されるのもやむを得ないというか全然問題ないと思います。

 

ホスト貸しは借り手だけでなく貸し手にもリスクが?

さて、前置きが長くなりましたがサイト・ホストの貸し借り、サブディレクトリの貸し借り、いわゆる寄生サイト(以下ホスト貸し)は本当におすすめできません。

いままでは正直なところ最後の賭けでやってしまうところがあっても仕方ない部分があるかもしれないと若干許容する気持ちもあったのですが、先日のGoogleのSeptember 2022 Core Update によって、ホスト貸しは本当におすすめできなくなりました。(

 

正直借りる側は上がらないことも多々あるし、上がっていても落ちることもあるという以外たいしたリスクはないのかもしれません。貸してくれるところを求めて移転を繰り返せばよいのかもしれませんし・・・

一方で貸し手側はこのコアアップデート実際はその前のアップデートから傾向は見られていると思いますが)によって局面が変わったと思います。比較的多くの借り手が下落するという現象が起きるとともに複数の貸し手側が下落する現象が確認できています。

もちろんコアアップデート中に起こったことなので、100%サブディレクトリを貸していることが原因とは言えませんし統計学的にどうなのかと言われると、そんなに母数がないのでなんとも言えませんが、辻さんもTwitterでおっしゃっていましたが私もサブディレクトリ貸しが下落の原因だと思われる事象を複数確認しています。

参考までにこちらのデータとグラフをご覧ください。

 

ホスト貸しをしている56サイトについて9月のコアアップデートでの上昇、下落の前後比較をしています。

上昇 3 5.4%
やや上昇 4 7.1%
変化なし 28 50.0%
やや下落 5 8.9%
下落 16 28.6%
全体 56 100.0%

 

変化なしが最も多かったものの上昇に比べて下落がかなり多いところは気になります。

ただ、今回のアップデートはホスト貸しにおける"借りているサブディレクトリ"、要は寄生部分だけが落ちているケースはかなり目立ちましたので必然的なものだとは思います。

 

そこで、これらの中でいくつかのサイトにおいて寄生部分を除いた"純サイト"部分だけがどうなっているかを調べてみました。

こちらは某メディアです。かなりトラフィックのあるサイトでサブディレクトリは落ちているもの、落ちていないものがありましたがそれ以外の部分も普通ではなかなか見ないレベルでの大幅下落となっていました。

最近よく問題になる医院・クリニックのサイトのサブディレクトリを貸しているパターンです。

5月の下落が壮絶すぎますので今回も単純なコアアップデートの影響かもしれませんが、下がっていることに変わりはありません。サブディレクトリにノイズコンテンツが入ることで専門性が下がってしまうことだってないとは言い切れないように思います。

ややエンタメ寄りのメディアです。こちらも大幅に下落しています。

今回のコアップデートで下落するような理由が特段見当たらないようなサイトです。

某ニュースサイトです。ニュースも一部サイト上下動しているので単純な普通のコアアップデート影響である可能性はありますが大幅に下落しています。

数は少ないですが、大幅下落しているところはどうやらサブディレクトリだけが落ちているわけではないように思われます。

因果と相関の話と同じで、貸しているものが引っ張ったのか借りているものが引っ張ったのかはわかりませんが。

ただ、繰り返しになりますが、サブディレクトリを貸しているサイト全体が下落している率が比較的高いことと、その他の下落サイトと比較して下落要因が見当たらないのに落ちているサブディレクトリ貸ししているサイトが複数あったことは事実です。

個人的に今はサブディレクトリを貸しているサイト、すなわちホスト貸しをしているサイト、貸し手側が落ちる可能性が十分にあると考えています。

これはペナルティ的なものかもしれませんし、ホスト全体のトピック性の問題かもしれません。

サイト全体が特定のトピックを持っている場合に、サブディレクトリにそのトピックと関係のないトピックが入ってくることによって、トピック性がぶれてしまうのではなかとも思います。

 

いずれにしても、リンクスパムで被リンクを受けている側だけでなく発リンクしている側にもリスクがあるように、ホスト貸しにおいてはすでに貸し手にも、というか貸し手にこそ大きなランク下落のリスクが伴うと考えていたほうが良いと思います。

サブディレクトリが検索されても本サイトのサイト名が表示

さらに、先日よりモバイルの検索でサイト名が表示されるようになっています。

ホスト貸しをしていると、貸しているサブディレクトリ部分が検索されても貸し手側のサイト名が表示されます。

 

検索者からすると誤って過度にその情報を信頼してしまう可能性があることが懸念されますが、ホスト・サブディレクトリの貸し手からしたら、「病院なのに比較コンテンツなんてやってるのか・・」とか「保険会社なのにクレジットカードの比較コンテンツなんてやってるのか」とか検索者に違和感を持たれる可能性があります。大袈裟に言えばブランド毀損につながる可能性があると思います。

まとめ

現時点でホスト貸しにおいて

・サブディレクトリ配下を貸している側が落ちる可能性が出てきた

・サブディレクトリ配下が検索されても貸し手のサイト名が出ることでブランド毀損する可能性が出てきた

ということが言えます。

 

さらっと書きましたが、これは非常に危険なことだと思います。

「手間なくレベニューシェアで収益が得られます」

のような謳い文句で営業してくる仲介業者がたくさんあるはずです。

手間なく収益が得られることにリスクがないと思いますか?

そんなリスクまで犯してホスト・サブディレクトリを貸しますか?

 

この記事を書いた理由は、「借りる側」と「仲介業者」にとってはおいしすぎてきっと”変わらない”と思ったからです。

彼らが変わらざるを得なくなるようなGoogleの大きな変化もあるとしても少し先になるかと思います。

なので、結局最後に一番損をする「貸す側」の方にこのリスクの認識が広がってくれればと思います。

 

P.S.

どこまでがホスト貸しなのか?は私もよくわかりません。

コーポーレートサイト含め自社運営のサイトの下はOKなのか?

それともトピックが違ったらダメなのか?

そのあたりの問題は難しくて私も何が正解なのかわかっていません。

ただ、第三者にサブディレクトリを貸してしまう行為はリスクが高すぎると思います。

 

木村 賢 (Twitter:@kimuyan)

今日はいつもと少し毛色の違う記事を書いてみたいと思います。

社内からリクエストがあったのと、4月から新しくSEOを担当することになった方もいらっしゃると思うので、SEOを業務にするにあたりまずやっておいたほうが良いこと、心がけることなどを気の向くままに書いてみたいと思います。

なお、あくまで個人的な意見ですので別の考え方は当然あってしかるべきだと思います。

SEOの教育というところは苦労しているところが多いと思いますので議論のきっかけになったら嬉しいです。

 

まずは

SEO担当者になったらまずやる3つのこと

です。

  • 自分の担当するサイトやプロダクトのことをよく知る
  • 一緒に働く人を知る
  • Googleの考え方を知る

をおすすめします。

 

自分の担当するサイトやプロダクトのことをよく知る

 

SEO担当者になったら担当するウェブサイト・プロダクトのことをよく知る必要があります。

実際にすみずみまで見て使ってみることで、そのサイトやプロダクトの強みや弱み(特に強み)を知る必要があります。

そうしないと、コンテンツを作ることも難しいですしテクニカル的なSEO施策もやりにくくなります。

ここで大事なのはいきなりSearch Consoleなどで検索エンジン目線に立たないことです。

検索エンジン目線に一度立ってしまうとユーザー目線に戻ることが難しくなります。

必ずまずはじめは1ユーザーとしてそのサイトやプロダクトを使ってみることをおすすめします。

ユーザー目線でサイトを閲覧したときに気になったことはメモしておくと後から役に立つでしょう。

そして、その強みを生かすようなSEOを検討していくことが後々できると思います。

 

一緒に働く人を知る

 

今のご時世昔と違うので、多くの会社が新たにチームに加わる人がスムーズに働ける仕組みを導入していると思います。

それでも自分でチームの人のことを知ろうとすることは重要です。

 

そのサイトのプロダクトマネージャーは誰なのか?フロントサイドのエンジニアは誰でどんな人なのか?サーバーサイドは?デザイナーは?広報PR担当は?マーケティング担当は?営業のキーマンは?などなどそのサイトに関わる人を把握しておくと良いでしょう。

今のSEOはSEO担当者とフロントエンジニアやデザイナーだけで完結するほど単純ではなくなりました。ページエクスペリエンスにおいてはさらにサーバサイドエンジニアの方の力が必要でしょうし、被リンクやサイテーションなどを考えるなら広報PRの方の力が必要です。

SEOを完成させていくには多くの人の力が必要になります。いざというときに誰に頼ればよいかわかるようにチームの構成を知っておくことは今のSEOにおいて非常に重要だと思います。特にチームにはだいたい一人、誰にでも顔がきく人がいるものです。そういうキーマンをおさえるとその後SEOを推進していくうえで非常にプラスになるでしょう。(私は面倒くさがりなので、最初からキーマンをおさえにいって、そこから色々な人を紹介してもらいます)

 

Googleの考え方を知る

 

SEOの情報は世の中にあふれています。

その多くが役に立つ情報ですが、一部には怪しい情報もあります。

(中にはそのままそれを実施するとマイナスになるようなものも・・・・)

そこでSEOで頼るべきは、まずはGoogleが発信している”公式な”情報です。

 

検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド

https://developers.google.com/search/docs/beginner/seo-starter-guide?hl=ja

ウェブマスター向けガイドライン

https://developers.google.com/search/docs/advanced/guidelines/webmaster-guidelines?hl=ja

品質評価ガイドライン(英語・PDF)

https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf

 

上からだんだん難しい内容になります。

が、個人的にはいきなり品質評価ガイドラインを読んでみることをおすすめします。

品質評価ガイドラインとはGoogleの検索結果の品質を評価するために、評価者が多くのウェブサイト・ウェブページを評価するためのガイドラインです。ユーザーの評価と検索結果がマッチしているかを見るための評価者の評価用ガイドラインとなります。

これを読むと、Googleがどんな考え方を持っているかわかります。

どんなウェブページを良いページと考えているのか、どんなページをよくないページと考えているのか説明や評価例を見てみるとよくわかると思います。

最初にこれを読むとGoogleがどんなサイトやページを上げたいのかよく理解できると思います。

また、Googleがユーザーの評価(考え)をランキングに影響させたいという意思も見て取れます。

そうなれば、おのずとSEOとはGoogleに最適化したりハックしたりするのではなく(一部ではGoogleへの最適化も必要ですが)検索者に最適化するものだと理解できると思います。

そして、品質評価ガイドラインでGoogleの考え方を知ったうえで他のガイドを見ることによって、より理解は深まることと思います。

ちなみに、品質評価ガイドラインは英語です。英語そのものは(私でも読めるので)難易度は高くないと思えますが、それなりに根性は必要だと思います。新人のSEO担当者をマネジメントする立場にいる人は品質評価ガイドラインを読む時間をしっかりととってあげると良いと思います。

仮に10時間かかったとしても何倍にもなって返ってくるはずです。

 

次に

SEO担当者として心がける3つのこと

です。

  • 目的を常に意識する
  • わからないことは聞いて覚える
  • 得意な分野をつくる
を心がけておくと良いと思います。
 
目的を常に意識する
 

そのSEOで何を達成させたいのかを常に考えておく必要があります。

検索流入を増やしたあとのことです。

 

検索流入を増やしてECサイトの売り上げを伸ばしたいのか?

検索流入を増やして商品の認知を高めたいのか?

検索流入を増やしてPVを増やし広告収益を上げたいのか?

 

検索流入を増やすことは至上命題でしょうが、その先を常に意識しなければなりません。

SEOをやっていると、「この局面でSEOでなんとかできることがない」という場面に遭遇することがあると思います。

そのときに検索流入にこだわっていると無駄なSEOしさくをただするだけになりがちです。

SEOでその局面を打開するのが難しい場合、本来の目的を意識できていれば「いまSEOでどうにかするのは難しいのでリスティングによって売り上げ向上を図るのはどうか」とか「SEOでいまのアルゴリズムでは大きく伸ばすことは難しいが、まだSNSには打開の余地があるのでSNSによってPV増を狙うのはどうか」などの提案ができるはずです。

わたしはSEOが難しいときにSEOをゴリ押すのではなくSEO以外の代案を提示できるSEO屋が一人前のSEO屋だと思っています。

そして、SEOが難しいときにSEO以外の代案を用意するには常に本来の目的を意識している必要があります。

 

わからないことは聞いて覚える

 

SEOをはじめたばかりのころはわからないことだらけだと思います。

コンテンツの作り方もわからなければ大規模サイトならクロール&インデックスの最適化の方法もわからないでしょう。

(わたしもいまだに分からないですけど)

SEOをはじめたときに"考えること"は大切だと思いますが、考えてもわからないことはとにかく聞くこと。

考えて無駄なものは聞くこと。調べる時間がもったいないようなものなら聞くこと。

そして聞いたことを覚えること。だと思います。

そのためには聞いたことの回答に理由をもらうことだと思います。そうすることで覚えるだけでなく理解することができるはずです。

例えば「被リンクは多い方が良い」であれば、「Googleは被リンクを人気投票としてみなすため、得票が多いつまり被リンク獲得が多いと多くのスコアがもらえる」

「titleにキーワードを入れるべき」であれば「titleは検索エンジンがそのページのトピックを理解するのに役立つもののため、キーワードを入れておくと重要視されやすい」という具合です。

時間は有限です。聞く相手がいる場合にはどんどん聞く。ただ二度聞かない。これが一番良いと個人的には思います。

(組織によっては人に聞かずに調べるとかルールがあるかもしれませんが、個人的には調べてすぐわからないものは聞いちゃった方が良いと思います。もちろんそういう相手がいることが前提ですが。いない場合は聞ける相手をコンサルとしてつけるなど検討したほうが良いでしょう。)

 

得意な分野をつくる

 

はじめたばかりではまだ難しいですが、少ししてからはSEOの中でも得意な分野を持てると良いと思います。

コンテンツ作成でも良いし、サイト内リンクでも良いし、クロールのコントロールでも良いです。

ひとつ武器を持つことで自分のSEO屋としての強みを持つことができます。

強みを持てれば自信になりますし、自信はまわりからの信頼にもつながると思います。

これはインハウス以上にSEO会社で働く人にとって重要かもしれませんね。

 

最後に

最後にSEO担当者としてつけておくと良いスキル3つ

です。

  • データ分析スキル
  • 英語
  • 人間力

をおすすめします。

 

データ分析スキル

 

データ分析とSEOは切っても切れない関係性になってきています。

大規模サイトではクローラーの動きを可視化する必要がある場合が多いですし、多くのサイトでユーザー行動を気にする必要があるでしょう。

インハウスでなくSEO会社の方はアルゴリズムの分析をする必要があるかもしれません。

BIツールを使うでも、RやPythonを使うでもなんでも良いですがデータ分析のスキルがあるとないではアウトプットの速さと質に大きな差が出る可能性が高いです。

分析を他の人に依存することでボトルネックになる可能性もありますし、これからSEOをはじめる人はぜひチャレンジして欲しいスキルです。

 

英語

 

日本語の信頼できるSEOや検索エンジンの情報は少ないものです。

Web担当者Forum海外SEO情報ブログSEO Japanなど良質な発信をしてくれるサイトやブログはありますが英語で閲覧できる記事数には劣ります。(その分厳選されているというメリットはありますが)

Search Engine Roundtable などでは1日に何本もSEOの情報が発信されますし、Googleの公式情報も英語から最初に発信されます。

英語ができればより多くより早くより多くのSEO情報に触れることができます。

また海外のカンファレンスにも参加しやすくなると思いますし、そこでGoogleと直接コミュニケーションをとることができるかもしれません。

Googleのイベントでは英語なら直接いろいろと質問できる機会も多いので、英語が苦手な私は英語をある程度自由に使えるといいなあとうらやましく眺めています。。。

(PUBCON in LasV egasでのGoogleのGary Illyes氏のセッション)

 

人間力

 

最後にそれかよ!というツッコミもあろうかと思いますが2つの点で人間力が高いことはSEOにプラスになります。

まず当然ですが周りの協力が得やすいことです。

SEOの施策を行うにはそれ相応の他の人の工数を頂かなくてはなりません。

先に記したようにPM、エンジニア、デザイナーはじめ場合によっては広報や営業の方にもお世話になることがあります。

幅広い職種の人に協力してもらうには優れた人間力は不可欠です。

 

そしてもう一つは品質評価ガイドラインを見てもわかるように、Googleが人間の評価とGoogleの評価を一致させることを目指しているということです。人が良いと思うものをGoogleとしては評価したいわけです。

人間力を磨くことでサイトやコンテンツの良し悪しが正常に判断できるようになるはずです。

 

人間力を磨く方法はいろいろあると思います。

尊敬する人に出会い話をするのも良いでしょうし本を読むのも良いでしょう。

いずれにしても善悪の判断がきちんとできるくらいにはなる必要があるでしょう。

それは無意識にスパムやOver Optimzizeしてしまわないということにもつがなると思います。

 

最後にこれからSEOをはじめる方へ

 

SEOの担当者になって喜んでいる方ばかりではないと思います。

SEOはなんとなくうさんくさい、暗い、地味などネガティブなイメージがあるかもしれません。

それでも続けていれば楽しいこともありますし、知的探究心をくすぐられるような場面もあります。

そのときが来るのを心待ちに、ここに記したような準備をしっかりとしていただければと思います。

 

以上、自分で読み返してなんて偉そうなんだと笑ってしまいました。

私もまだSEOで何一つ成し遂げていません。私も若い人や新しくSEOをはじめる人に負けないようにがんばります。

 

木村賢 (@kimuyan)