アメーバスタッフブログでも記載させていただいた通り、11/15より順次アメブロのAMP対応を終了させることになりました。
なぜAMPをやめるのか?
2016年の3月にアメブロはAMP対応をスタートさせていました。
そこから5年以上AMPを採用し、モバイルの検索結果からはAMPキャッシュに飛ぶようになっていました。
Googleの検索結果からはGoogleのキャッシュに移動するわけで、当然体感速度としては良好なものであったと思います。
「それなのになぜやめるのか?」
ですが、基本的にはビジネス的な問題となります。
ウェブ界の状況、社会状況等々によっての総合的な判断ということになります。
検索結果がクリックされた際にGoogleのキャッシュが表示されるという点では、CDNのコスト削減等はあるのですが、それでもやはりトータルで考えたときに今回はAMPを終了させるという結論になったと考えています。
(もちろん細かい理由は知ってはいますが、どこまで書いて良いのかわからないのでこのくらいでご勘弁ください)
あとなによりも大きかったのは、トップニュースカルーセルにおいてAMPが条件から外れたことです。
これによって、よりAMPを継続するメリットがビジネス上なくなったのは確かです。
アメブロはスタンドアロンAMPではなかったので、通常版とAMP版両方があるという管理コストのことも考えると、メリットが減るのは正直とても痛かったです。
そして、Googleからページエクスペリエンスやその一部である、Core Web Vitals という概念が出てきて、それが検索ランキングに影響するということになったことによって、これまで以上に通常版のパフォーマンスを改善していかなければいけなくなったということも大きかったと思います。
そして、通常版のパフォーマンスが改善されればされるほど、AMPをやっているメリットがUX上でもなくなっていくという形になりました。
もちろんまだAMPと体感的に同じだとは言い切れないと思いますが、今後AMPと同様の体感になるべく開発を進めております。
AMP終了に対するリスク管理
トップニュースカルーセルにおける"AMP優遇"がなくなったとはいえ、これだけの大規模サービスでクロールやindexに関わる部分を変更するというのはリスクがまったくないとは言い切れませんが、基本的には今回のAMP採用の停止によって大きな問題が起こる可能性は極めて低いと思っています。
理由1:AMPブーストはカルーセル以外なかった
AMPを採用したときに特段全体のトラフィックが増えたということもなかったですし、クロール量やクロールの偏り等に変化が起こったこともなかったので、今回逆に減ることはないと考えています。
理由2:一部ブログでAMPを停止したが影響は見られなかった
一部の特にトラフィックが多いブロガー様にご協力いただき、AMP停止のテストを行いましたが特別トラフィックが減るということはありませんでした。
Discoverに表示されにくくなることも懸念していましたが、こちらもテストを行った結果特に変化は見られませんでした。
もちろん大規模サイトにおいて、rel=amphtmlという記述が大量になくなる、すなわちHTMLのソース上には変更が出ることによってクローラーがどういう動きをするのかなど想定ができない部分はあります。ひょっとするとGoogleでも想定ができないことがあるかもしれません。ただ、HTMLソースの変更というのは実は頻繁に行われるものではありますので、そこまでリスクはないのではないかと思っています。(アノテーションなので通常の変更と違うとは思いますが)
なお、今回は段階的にAMPを終了させていきますので、極端にネガティブな影響が出た場合はAMPを復活させられるようにもしております。
AMP終了に際してのブロガー様の対応について
AMP終了に際してブロガーのみなさまに何かご対応をいただく必要はありません。
Search Consoleの 拡張 > AMP のところの数値に変化が出てくるとは思いますが特に気になさる必要はありません。
また、検索パフォーマンスの数値においては、大半は、https://ameblo.jp/ID/ 側の数値として換算されているはずですので大きな変化はないと思います。
もし何かご不安なことがあれば、私のTwitterアカウントにご連絡いただければと思います。
(あまりにお問い合わせが多い場合は個別返信ではなくスタッフブログまたは当ブログにてご回答させていただきます)
いずれにしてもAMPが終了することで多少なりとも表示等に変化が出ることはご容赦いただければと思います。
AMP終了後のパフォーマンスへの対応について
「アメブロってAMPやめて遅くなったよね」と言われないように努力して参ります。
当初は体感的に遅く感じる可能性はありまうが、AMP導入当初からAMPページから非AMPページへの遷移での速度差によって離脱が増えていると思われるケースも見られたため、パフォーマンス改善はエンジニアのチーム中心に日々取り組んでおります。
また今後さらにパフォーマンスが改善される予定ですのでご期待いただければと思います。
(ブロガー様が個々で入れられているプラグイン等によって個々のブログによってパフォーマンスが変わることはあり得ますのでご了承ください)
AMPについてのどうでも良い思い出とブロガー様への感謝
AMP導入した際には当時、ブログサービスとして日本では(世界でも?)初めてのAMP採用だったこともあり、世界最多となるAMPページをindexさせるということになりました。(ニュースサイトは過去ページまでAMP化しなかったためです)ある意味Google(だけではないけど)の負荷テストの実験台になれて皆で興奮した記憶があります。
当初はいろいろなトラブルがあり、当時まだ存在していたAMPカルーセルに表示されるものとリンク先のURLページが一致しないというとんでもないバグを発見してGoogleと一緒にてんやわんやしたのを覚えています。
(ちなみにそれが直ったお祝いをしよう!ということで飲んでいたら、またバグが発生して某Googlerがめちゃくちゃ焦っていたのは良い思い出です。すぐに直って二軒目に見たことがない大きさのジョッキでハイボールを飲まされて、その先の記憶がありません)
2018年くらいには、AMP+PWAも検討し当時このブログにPWAをテスト採用して、それをまだ回線が遅かったインドネシアのジャカルタで出張のときに体感速度を試したこともありました。PWA自体には可能性を感じたのですが・・・
結局当時はSafariのSearviceWorker非対応問題等でPWAの採用は見送りました。。
AMPというものを通して、UXをより意識できるようになったりGoogleなどのプラットフォーマーの考え方がより理解できたりして、当初AMPをまっさきに採用したのは本当に良い経験・選択だったと思います。
ブロガーの皆様には検索からジャンプするページのデザインが少しではありますがいきなり変わってしまったり、(当時は)表示URLがameblo.jpではなくなったりしてご心配やご迷惑おかけしたかもしれませんが、皆様のご理解があって5年以上AMPを採用し続けることができました。
この場を借りて、あらためてブロガーの皆様に御礼申し上げます。
そして、AMPではなくなっても、皆様のブログをこれまで通り、これまで以上のUXがご提供できるよう努力して参ります。
今後ともよろしくお願いいたします。
SEO戦略室 木村賢 ( https://twitter.com/kimuyan )