小説の方は読んでいて、これ、読むたびに視点が変わります。
以下、多少ネタバレ含みます。
最初は、主人公の娘に感情移入していました。父の不倫相手に誘拐され、育てられ、その後、実の両親の元に帰る。その、心の行き場の無さ、と言うか、葛藤と言うか…
読みながら一緒になってもがいていました。
再読の時は、主人公ですね。不倫して、妊娠して、中絶。不倫相手の子どもを「私だったら、こんなところに1人にしない」って、誘拐してしまう。その子を育てていくうちに、母性愛が生まれる…。綺麗なもの、いっぱい見せてあげる、ずっとこの子といたいって。
私自身が、子どもと一緒に生活していることも大きいけど、子どもに対する気持ちって、すごく強い。エゴだなぁって思う時もあるけど。
再々読の時は、娘の実の母親の目線になりました。彼女、ストーリー設定上「悪」です。でも、旦那に不倫された挙句、子どもまで誘拐されて、歪むよなぁ。しかも、誘拐犯に育てられた我が子、なつかない、女の影がちらつく我が子、しまいには気をつかう娘。我が子だからこそ、愛情を注ごうとすればするほど、苦しいと思う。
これも、この話のミソ、という感じ。
一般的には、不倫、誘拐っていう、「悪」の中の真実を描いた物語。でもその一方で、もう一方の「悪」の裏側みたいのを、考えさせられました。実母には否が無かったわけではないのですが、じゃあ、なんで否があったのか?ってそこまで深く、想像を巡らされました。